ある原住民の部族が滅びるまでの悲しい物語
TPPや、安保法制を理解するためのたとえ話。
北アメリカ大陸ではかつて、原住民の様々な部族が、それなりに折り合いをつけながら平和に生きておったそうな。
そんな彼らの土地に、ヨーロッパ大陸から、白人の集団が入植してきた。
ある日のこと、白人たちが、ある部族のもとに交渉に訪れた。
「我々と貿易をしなさい。我々の商品をあなたがたの金銀と交換しなさい。我々の先進的な文物を取り入れれば、あなたがたの部族はますます富み栄え、強くなり、他の部族を圧倒することができるだろう。」
なるほど、言われる通りだと思い、その部族は白人と貿易を始めたそうな。
また、ある日のこと、白人たちは、同じ部族のもとを訪れてこう言った。
「我々の武器を買いなさい。そうすればあなたがたの部族は、ますます強くなるだろう。」
なるほど、言われる通りだと思い、その部族は白人の武器を導入したそうな。
そのアメリカ原住民の一部族は、白人たちの武器を手に入れ、自分たちがすっかり強くなったと自信をつけ、周辺の部族に戦いを挑んだそうな。
ところが、あろうことか、白人たちは、密かに周辺部族にも同じ武器を売りつけ、さらには自分たちの味方に取り込んでいたために、戦いは拮抗し、挙げ句の果ては、その部族は戦いにやぶれてしまったそうな。
敗者となったその部族は、永遠に周りの部族や白人に対して、謝罪を続ける運命を負わされることになった。
また、ある日のこと、白人たちは、敗者となった部族のもとを訪れてこう言った。
「我々の軍隊をあなたがたの中に駐留させなさい。そうすれば、あなたがたの部族は我々の強い力で守られるだろう。」
戦いなんかもうこりごりだと思っていたその部族は、なるほど、言われる通りだと思い、白人の軍隊の駐留を認めたそうな。
また、ある日のこと、白人たちは、同じ部族に対してこう言った。
「この世界には、あなたがたがまだ知らない様々な潜在的な脅威が存在する。我々の軍隊に、あなたがたの兵士を差し出しなさい。この世界に潜む脅威を、先制攻撃を受ける前に、未然に取り除いていこうではないか。」
なるほど、言われる通りだと思い、その部族は白人たちに兵士を差し出したそうな。
また、ある日のこと、白人たちは、同じ部族に対してこう言った。
「あなたがたが戦いに敗れたのは、あなたがたが古い掟にとらわれていたためなのだ。我々の国と同じ法律や、同じ経済の仕組みを導入しなさい。むかしの慣習を捨て去り、あなたがたの部族を内部から改革しなさい。我々と一体となり、一つの国を作ろうではないか。そうすれば、あなたがたの部族は一層強くなるだろう。」
なるほど、言われる通りだと思い、その部族は、古い掟や慣習を捨て、白人たちと同じ法律、同じ経済の仕組みを導入したそうな。
さて、そのアメリカ原住民の部族は、白人の言う言葉の通り、強くなっただろうか。
強くなるどころか、白人の国にすっかり取り込まれてしまい、この世界から、姿を消してしまったとさ。
おしまい。
そんな彼らの土地に、ヨーロッパ大陸から、白人の集団が入植してきた。
ある日のこと、白人たちが、ある部族のもとに交渉に訪れた。
「我々と貿易をしなさい。我々の商品をあなたがたの金銀と交換しなさい。我々の先進的な文物を取り入れれば、あなたがたの部族はますます富み栄え、強くなり、他の部族を圧倒することができるだろう。」
なるほど、言われる通りだと思い、その部族は白人と貿易を始めたそうな。
また、ある日のこと、白人たちは、同じ部族のもとを訪れてこう言った。
「我々の武器を買いなさい。そうすればあなたがたの部族は、ますます強くなるだろう。」
なるほど、言われる通りだと思い、その部族は白人の武器を導入したそうな。
そのアメリカ原住民の一部族は、白人たちの武器を手に入れ、自分たちがすっかり強くなったと自信をつけ、周辺の部族に戦いを挑んだそうな。
ところが、あろうことか、白人たちは、密かに周辺部族にも同じ武器を売りつけ、さらには自分たちの味方に取り込んでいたために、戦いは拮抗し、挙げ句の果ては、その部族は戦いにやぶれてしまったそうな。
敗者となったその部族は、永遠に周りの部族や白人に対して、謝罪を続ける運命を負わされることになった。
また、ある日のこと、白人たちは、敗者となった部族のもとを訪れてこう言った。
「我々の軍隊をあなたがたの中に駐留させなさい。そうすれば、あなたがたの部族は我々の強い力で守られるだろう。」
戦いなんかもうこりごりだと思っていたその部族は、なるほど、言われる通りだと思い、白人の軍隊の駐留を認めたそうな。
また、ある日のこと、白人たちは、同じ部族に対してこう言った。
「この世界には、あなたがたがまだ知らない様々な潜在的な脅威が存在する。我々の軍隊に、あなたがたの兵士を差し出しなさい。この世界に潜む脅威を、先制攻撃を受ける前に、未然に取り除いていこうではないか。」
なるほど、言われる通りだと思い、その部族は白人たちに兵士を差し出したそうな。
また、ある日のこと、白人たちは、同じ部族に対してこう言った。
「あなたがたが戦いに敗れたのは、あなたがたが古い掟にとらわれていたためなのだ。我々の国と同じ法律や、同じ経済の仕組みを導入しなさい。むかしの慣習を捨て去り、あなたがたの部族を内部から改革しなさい。我々と一体となり、一つの国を作ろうではないか。そうすれば、あなたがたの部族は一層強くなるだろう。」
なるほど、言われる通りだと思い、その部族は、古い掟や慣習を捨て、白人たちと同じ法律、同じ経済の仕組みを導入したそうな。
さて、そのアメリカ原住民の部族は、白人の言う言葉の通り、強くなっただろうか。
強くなるどころか、白人の国にすっかり取り込まれてしまい、この世界から、姿を消してしまったとさ。
おしまい。
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