「海外に軍隊を送らない」という日本の伝統
日本国憲法と日本の国柄は深く合致する。
8月1日、宮内庁が、天皇皇后両陛下のご意志に基づき、玉音放送原盤のデジタル音声や、ポツダム宣言の受諾が決定された御前会議の舞台となった、皇居内の防空壕「御文庫付属庫」の映像と写真の公開を行いました。
下の動画で、今回初めて公開された玉音放送の原盤音声を聞くことができます。
下の絵画は、白川一郎画伯によって昭和46年に描かれた「最後の御前会議」。

下の写真が、今回宮内庁が公開した、現在の「御文庫付属庫」の様子を撮影した写真の一枚です。

この玉音放送の原盤レコードに関しては、終戦の御聖断を受け入れられず、放送を阻止するためレコードを奪おうと陸軍の一部がクーデータを企てた「宮城事件」を描いた、1967年の大変緊迫感のある映画「日本のいちばん長い日」が有名です。
この映画は、最近、原田眞人監督によってリメイクされ、8月8日から全国で上映されるそうです。
戦後70年のこの機会に、玉音放送での昭和天皇のお言葉を、現代語訳を通して、改めて噛みしめましょう。
戦後70年にあたり、天皇皇后両陛下が、玉音放送の原盤音声の国民への公開を希望された。
この、天皇皇后両陛下のご意志が、昨今の安保法制の議論と無関係であるとは思われません。
かねてより、天皇陛下は、現在の日本国憲法に、深く思いを寄せられていることで知られています。
天皇陛下は、日本国憲法が定める象徴天皇制は、伝統的な天皇のあり方に深く合致しているというお考えをもっておられます。
日本国憲法は、GHQの関与によって定められたという特殊な成立事情を持ちながらも、日本の伝統的なあり方に合致しているのは、象徴天皇制だけではありません。
日本国憲法第9条は、自衛隊の海外派兵を禁じていますが、古代や豊臣秀吉の時代に朝鮮に出兵した例を除けば、日本は、明治維新まで、専守防衛と他国に対する徹底した不干渉の姿勢を貫き、海外に軍隊を送ることはありませんでした。
日本は戦後になって初めて「平和国家」になったわけではなく、明治維新まで、もともと「平和国家」だったのです。
明治維新以降、大日本帝國は、さかんに海外に軍隊を送るようになりましたが、そうせざるをえない状況があったとはいえ、日本の長い伝統に背く行為であったことも、私たちは再認識しなくてはなりません。
日本国憲法第9条は、「海外に軍隊を送らない」という伝統に、日本が立ち返り、その伝統に沿って生きることを可能にしました。
他国の紛争にいたずらに首を突っ込んで巻き込まれる危険性から、日本を守ってきました。
今回、憲法解釈を変更して、海外に軍隊を送るようになれば、私たちは再び、我が国の伝統に背いた生き方を強いられるようになるでしょう。
日本国憲法を守ろうという天皇陛下のご意志に背いて、アメリカの指図の通りに解釈改憲を推し進める安倍政権と、それを支持する人々よ。
あなたがたは、日本の伝統と、天皇陛下に背く逆賊です。
戦後70年 よみがえる玉音放送
戦後長らく封印されてきた玉音盤。公開のきっかけは、ことしの戦後70年にあたり、宮内庁が先の大戦の関係資料の公表を検討したことでした。検討の過程で、天皇皇后両陛下と皇太子さま、秋篠宮さまから「玉音盤」の再生も検討してはどうかという考えが示されたということです。
これを受けて、宮内庁は専門家に相談。原盤が収められた缶のふたを開けたところ、レコード盤が6枚あり、一部は状態がよいことが分かりました。そして、去年の暮れ、ほぼ70年ぶりにレコード針を落としたところ、昭和天皇の声が再生されたということです。
(出典: NHKニュース 2015年7月13日)
宮内庁:玉音放送原盤、8月1日に初公表
同庁によると、玉音放送の原盤は「御物(ぎょぶつ)」(皇室の所蔵品)として缶に入れて保管されていた。天皇、皇后両陛下の意向もあり昨年末、専門家に依頼して針を落とし、デジタル録音した。現在テレビなどで流されている音声は複製されたものだという。
(出典: 毎日新聞 2015年7月9日)
下の動画で、今回初めて公開された玉音放送の原盤音声を聞くことができます。
下の絵画は、白川一郎画伯によって昭和46年に描かれた「最後の御前会議」。

下の写真が、今回宮内庁が公開した、現在の「御文庫付属庫」の様子を撮影した写真の一枚です。

この玉音放送の原盤レコードに関しては、終戦の御聖断を受け入れられず、放送を阻止するためレコードを奪おうと陸軍の一部がクーデータを企てた「宮城事件」を描いた、1967年の大変緊迫感のある映画「日本のいちばん長い日」が有名です。
この映画は、最近、原田眞人監督によってリメイクされ、8月8日から全国で上映されるそうです。
戦後70年のこの機会に、玉音放送での昭和天皇のお言葉を、現代語訳を通して、改めて噛みしめましょう。
私は深く世界の大勢と日本の現状に鑑み、非常の措置をもって時局を収拾しようと思い、忠実で善良な国民に告げる。
私は政府に米国、英国、中国、ソ連の4カ国に対しそのポツダム宣言を受諾することを通告させた。
そもそも、国民の安全確保を図り、世界の国々と共に栄え、喜びを共にすることは、天皇家の祖先から残された規範であり、私も深く心にとめ、そう努めてきた。先に、米英2カ国に宣戦を布告した理由も、帝国の自存と東亜が安定することを願ってのことであり、他国の主権を排除し、領土を侵すようなことは、もちろん私の意思ではなかった。
しかしながら、戦争はすでに4年を経て、わが陸海軍将兵の勇敢な戦闘や、官僚たちの勤勉な努力、国民の無私の努力は、それぞれ最善を尽くしたにもかかわらず、戦局は必ずしも好転せず、世界の情勢も日本に不利に働いている。
それだけでなく、敵は新たに残虐な爆弾(原子爆弾)を使用して、罪のない人々を殺傷し、その被害ははかり知れない。それでもなお戦争を継続すれば、ついにわが民族の滅亡を招くだけでなく、人類の文明をも破壊してしまうだろう。そのような事態になれば、私はどうしてわが子ともいえる多くの国民を守り、代々の天皇の霊に謝罪することができようか。これが、私が政府にポツダム宣言に応じるようにさせた理由である。
私は日本とともに終始、東亜の解放に協力してきた友好国に対して、遺憾の意を表さざるを得ない。
国民で、戦場で死亡し、職場で殉職し、思いがけない最期を遂げた者、またその遺族のことを考えると、身が引き裂かれる思いがする。さらに戦場で負傷し、戦災に遭い、家や仕事を失った者の生活については、私が深く心配するところである。思うに、これから日本の受けるであろう苦難は尋常ではない。あなたたち国民の本心も私はよく知っている。しかし、私はこれからの運命について耐え難いことを耐え、忍び難いことを忍んで、将来のために平和な世の中を切り開こうと願っている。
私は、ここにこうして国体を護持して、忠実で善良な国民の偽りのない心を信じ、常にあなた方国民と共にある。もし激情にかられてむやみに事をこじらせ、あるいは同胞同士が排斥し合って国家を混乱に陥らせて、国家の方針を誤って世界から信用を失うようなことを私はもっとも戒めたい。国を挙げて一つの家族のように、子孫ともどもかたく神の国日本の不滅を信じ、道は遠く責任は重大であることを自覚し、総力を将来の建設のために傾け、道義心と志をかたく持ち、日本の栄光を再び輝かせるよう、世界の動きに遅れないよう努力すべきだ。あなた方国民は私のそのような考えをよく理解してほしい。
(出典: 毎日新聞 2015年8月2日公益財団法人郷学研修所・安岡正篤記念館監修)
戦後70年にあたり、天皇皇后両陛下が、玉音放送の原盤音声の国民への公開を希望された。
この、天皇皇后両陛下のご意志が、昨今の安保法制の議論と無関係であるとは思われません。
かねてより、天皇陛下は、現在の日本国憲法に、深く思いを寄せられていることで知られています。
80年の道のりを振り返って,特に印象に残っている出来事という質問ですが,やはり最も印象に残っているのは先の戦争のことです。私が学齢に達した時には中国との戦争が始まっており,その翌年の12月8日から,中国のほかに新たに米国,英国,オランダとの戦争が始まりました。終戦を迎えたのは小学校の最後の年でした。この戦争による日本人の犠牲者は約310万人と言われています。前途に様々な夢を持って生きていた多くの人々が,若くして命を失ったことを思うと,本当に痛ましい限りです。
戦後,連合国軍の占領下にあった日本は,平和と民主主義を,守るべき大切なものとして,日本国憲法を作り,様々な改革を行って,今日の日本を築きました。戦争で荒廃した国土を立て直し,かつ,改善していくために当時の我が国の人々の払った努力に対し,深い感謝の気持ちを抱いています。また,当時の知日派の米国人の協力も忘れてはならないことと思います。戦後60年を超す歳月を経,今日,日本には東日本大震災のような大きな災害に対しても,人と人との絆きずなを大切にし,冷静に事に対処し,復興に向かって尽力する人々が育っていることを,本当に心強く思っています。
(出典: 宮内庁「天皇陛下お誕生日に際し(平成25年)」2013年12月18日 )
天皇陛下は、日本国憲法が定める象徴天皇制は、伝統的な天皇のあり方に深く合致しているというお考えをもっておられます。
時代にふさわしい新たな皇室のありようについての質問ですが,私は即位以来,昭和天皇を始め,過去の天皇の歩んできた道に度々に思いを致し,また,日本国憲法にある「天皇は,日本国の象徴であり日本国民統合の象徴」であるという規定に心を致しつつ,国民の期待にこたえられるよう願ってきました。象徴とはどうあるべきかということはいつも私の念頭を離れず,その望ましい在り方を求めて今日に至っています。なお大日本帝国憲法下の天皇の在り方と日本国憲法下の天皇の在り方を比べれば,日本国憲法下の天皇の在り方の方が天皇の長い歴史で見た場合,伝統的な天皇の在り方に沿うものと思います。
(出典: 宮内庁「天皇皇后両陛下御結婚満50年に際して(平成21年)」2009年4月8日 )
日本国憲法は、GHQの関与によって定められたという特殊な成立事情を持ちながらも、日本の伝統的なあり方に合致しているのは、象徴天皇制だけではありません。
日本国憲法第9条は、自衛隊の海外派兵を禁じていますが、古代や豊臣秀吉の時代に朝鮮に出兵した例を除けば、日本は、明治維新まで、専守防衛と他国に対する徹底した不干渉の姿勢を貫き、海外に軍隊を送ることはありませんでした。
日本は戦後になって初めて「平和国家」になったわけではなく、明治維新まで、もともと「平和国家」だったのです。
明治維新以降、大日本帝國は、さかんに海外に軍隊を送るようになりましたが、そうせざるをえない状況があったとはいえ、日本の長い伝統に背く行為であったことも、私たちは再認識しなくてはなりません。
日本国憲法第9条は、「海外に軍隊を送らない」という伝統に、日本が立ち返り、その伝統に沿って生きることを可能にしました。
他国の紛争にいたずらに首を突っ込んで巻き込まれる危険性から、日本を守ってきました。
今回、憲法解釈を変更して、海外に軍隊を送るようになれば、私たちは再び、我が国の伝統に背いた生き方を強いられるようになるでしょう。
日本国憲法を守ろうという天皇陛下のご意志に背いて、アメリカの指図の通りに解釈改憲を推し進める安倍政権と、それを支持する人々よ。
あなたがたは、日本の伝統と、天皇陛下に背く逆賊です。

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