愛国的中高年の再教育(3)
「日米同盟」の本当の意味。
このシリーズの最後は、国際政治アナリストの伊藤貫氏の講演を紹介しておわります。
いまだに「冷戦脳」を抱え、「日米同盟」を無邪気に信じ、安倍政権を支持しつづける「愛国的中高年」が知らないであろう次のような事実を伊藤貫氏は語っています。
1. アメリカの対日政策や米軍の日本駐留の基本コンセプトは、日本の封じ込めである。
2. 冷戦終結以降のアメリカの仮想敵国は、日本とドイツ。
3. 1972年、アメリカのニクソンとキッシンジャーと、中国の周恩来は、日本を封じ込めるための、3つの密約を結んでいた。
「日米同盟」の本質を何も知らない、「愛国的中高年」が大絶賛している安保法制の本当の意味も、「日本が自主防衛できないように押さえつけておく」ためのもの、自衛隊を米軍にひも付けて無害化するためのもの、日本を独立させないためのものです。
「知らぬが仏」とは、まさにこのことです。
なぜ、冷戦が終わったとたんに、アメリカにとっての仮想敵国が、日本とドイツになったのでしょうか。
理由は簡単です。
その理由を、WJFプロジェクトの2013年5月11日の記事、「対日包囲網と冷戦脳」から引用します。

(画像出典: 「歴史問題」と「構造改革」は連動している2014年01月08日)
第二次世界大戦の戦勝国としてのアメリカと中国が手を結び、「歴史問題」と「構造改革」によって、日本を挟み撃ちにしているのが、冷戦が終わった90年代以降、日本が置かれている状況なのですから、「歴史問題」によって日本を糾弾する「反日国家」中国がいくら嫌いだからといって、アメリカを救世主と信じて傾斜し、TPPや安保法制によって我が身ををどこまでも捧げ尽くしてしまえば、待っているのは、この二つの戦勝国、二つのグローバル国家による、日本の解体と蹂躙です。
参考記事:
洗脳された世代(2013年1月29日)
対日包囲網と「冷戦脳」(2013年5月11日)
「歴史問題」と「構造改革」は連動している(2014年01月08日)
歴史問題と構造改革(2013年5月8日)
いまだに「冷戦脳」を抱え、「日米同盟」を無邪気に信じ、安倍政権を支持しつづける「愛国的中高年」が知らないであろう次のような事実を伊藤貫氏は語っています。
1. アメリカの対日政策や米軍の日本駐留の基本コンセプトは、日本の封じ込めである。
2. 冷戦終結以降のアメリカの仮想敵国は、日本とドイツ。
3. 1972年、アメリカのニクソンとキッシンジャーと、中国の周恩来は、日本を封じ込めるための、3つの密約を結んでいた。
「日米同盟」の本質を何も知らない、「愛国的中高年」が大絶賛している安保法制の本当の意味も、「日本が自主防衛できないように押さえつけておく」ためのもの、自衛隊を米軍にひも付けて無害化するためのもの、日本を独立させないためのものです。
「知らぬが仏」とは、まさにこのことです。
「国際政治学の主流派と米対日基本政策と今後の世界2/4」(23:32〜)
最後に日米同盟の本質に関して私自身の個人的な経験を言いますと、私自身もアメリカ人のかなり多くの人に本当のアメリカの対日政策はこういうものだと聞かされた事があります。僕が滞米がながいから聞くんだと思います。外務省の友達に聞くと、こういう本音は聞いていないようですので、個人的エピソードとして話します。
1990年に沖縄海兵隊総司令官スタックポール将軍がワシントン・ポストとインタビューして『我々は日本の再軍備を認めない。米軍が日本に駐留しているのはビンのフタで押さえつけるためにいるんだ』と言って問題を起こしたのを覚えていらっしゃる方もいると思いますが、彼が言ったことは本当のことです。
当時僕はペンタゴンの日本部長と仲が良くて、彼をからかったんです。「なんで彼は変なこと言ったんだ。なんであんな本音を言ったんだ」と言ったら、舌打ちして「あんな間抜けなことをいうとは思っていなかった。本音をバラすようなことをワシントン・ポストに言うとは何事だ」と言っていました。1990年にアメリカの対日政策っていうのは1989年にベルリンの壁が壊れ、90年ソ連がポシャったのは明らかでしたから、ソ連の脅威から日本を守るためという理由付けはあまり機能しなくなったわけです。1990年になるとアメリカ政府は内部で対日政策を変えて、これからは日本を封じ込めることだけを重要な政策とすると変えた。2重封じ込めだったけど、ソ連がポシャったから日本を封じ込めることだけを目的にすると変えた。スタックポール将軍は正直に喋っちゃったわけです。91年に僕の友だちで連邦議会でかなり重要なポジションにいる外交政策のスタッフがいて、彼が僕に『当時のスコウクロフト安全保障補佐官が対日政策を変えたらしい』と。スコウクロフトは91年の時点で『日本は仮想敵国だから日本を封じ込めることがアメリカの対日政策の最も重要な事である』と連邦議会の重要議員に喋ったらしいんですね。僕の友だちはそれを聞いて僕に教えてくれたわけです。ちょうど同じような頃にワシントンに国防大学っていうのがあって、その下に国立戦争大学があるんですが、その大学はペンタゴンの少佐とか中佐レベルを集めて将軍になる前の最後の段階の教育をするところなんです。たまたま僕はそこの副学長のポールゴッドウィンというアジア関係の有名な学者と友達で、彼の要請で僕は国立戦争大学でゼミとか講義をしてたんです。ゴッドウィンとも仲良くなったんですが、ある日彼とお昼ごはん食べていたら、ゴッドウィン先生もアメリカの対日政策の基礎的コンセプトは封じ込めであると僕にハッキリ言いました。
それから92年にペンタゴンはディフェンスプランニングガイダンスを作って、次の三月にワシントン・ポストとニューヨーク・タイムズにリークされたんですが、これを見ると90年代のアメリカの主要な仮想敵国はソ連ではなくて、ドイツと日本となっているわけですね。ディフェンスプランニングガイダンスの文章はother advanced industrial nations がregional leadershipを取れないようにするという表現なんです。もちろんその当時の中国とソ連はother advanced industrial nations とは言えない。誰が考えても日本とドイツです。日本とドイツが自主防衛できないように押さえつけておく。さらに例え地域的であれリーダーシップが取れない状態にしておくて言うのがアメリカの政策である1992年の二月のディフェンスプランニングガイダンスはハッキリと言っているわけです。ここで日本を封じ込めておくというのがはっきりしたわけです。そのあと94年にペンタゴンの日本部長をやっていたポール・ジェアランという男と彼のオフィスで2時間ほど議論したんですが、彼も露骨にアメリカは日本を独立国として認めない。おまえたちを独立させないために米軍は駐留しているのであると僕に面と向かって言ってくれたので、非常に面白かった。それ以外にも以前カーター政権の国務省の次官補をやっていたビル・メインズとかジョンソン政権からフォード政権まで国務省のアジア局の次官補代理をやっていたロバートバーネットと非常に仲が良くて、彼の家には何十回も遊びに行っていたんですが、この二人からも日本が独立国になることを認めないと直接言われました。
最後に日米同盟は本質的にどういうものかというので重要な事を付け加えさせて頂きますが、1972年2月にニクソンとキッシンジャーが北京に行って、周恩来と対日政策の協議をしています。そのとき、この3人は日本に対する3つの取り決めをしました。もちろん日本には黙っているので、米中政府間における対日政策に関する密約ですね。その1つ目が東アジア地域に於いて、日本だけは核を持たせない。2つ目が米軍は日本での駐留を維持する。目的は日本が独立するのを阻止するためである。3つ目は日本が台湾、朝鮮問題で真の発言権を持つことを米中は認めないというのが3つの密約なんです。1972年にできた密約ですが、現在でもこのみっつの約束は有効です。ですから中国とアメリカは北朝鮮が核弾頭をどんどん増やしているのは知っているんですが、それに対して実際に止めることはしないわけですね。だけど日本にだけは持たせたくないということで共通の理解があります。それから日本政府が朝鮮半島の問題とか台湾問題で独自の動きをしようとすると、中国だけではなく、アメリカも必ず抑えに出てきます。それは1972年の密約があるからです。僕は国務省とCIAのアジア政策担当の官僚からこのみっつの約束は今でも有効であるという内容の説明を受けています。ようするにアメリカは日本をそういう状態に置いているわけです。この説明はお分かりのように、たとえば京都大学の高坂先生が説明していた日米同盟とはだいぶ違うわけですが、リアリストのロジックでいくと、日米関係の本質っていうのはこういうのが本質であるというのがお分かりいただけると思います。
(出典: 文字起こしのテキストはjapanloverのブログからお借りしました)
なぜ、冷戦が終わったとたんに、アメリカにとっての仮想敵国が、日本とドイツになったのでしょうか。
理由は簡単です。
その理由を、WJFプロジェクトの2013年5月11日の記事、「対日包囲網と冷戦脳」から引用します。
冷戦の意味は、第二次世界大戦の戦勝国同士が争ったということです。
したがって、冷戦が終結したということの意味は、当然、第二次世界大戦の戦勝国がふたたび手を取り合うということに他なりません。
戦勝国が仲直りをすれば、アメリカが日本を豊かな同盟国として維持する必要性はもはやなくなります。むしろアメリカをしのぐほどの勢いをつけた日本の経済力はアメリカにとって邪魔なものにすらなっていました。
また、東西の壁が取り除かれたということは、東側に温存されていた安い労働力や未開拓の市場が、西側の資本によって利用可能になるという、グローバル化の時代の到来を意味しました。
冷戦時代の「自由主義vs社会主義」という二極的な構図から、世界の一元化をめざすグローバル化を推進する勢力と、多様な文化や国家の枠組みを維持しようとする勢力との「一極vs多極」という争いの構図に、転じていきました。
こうして、アメリカのアジア戦略は、1948年までの戦略に近い形へと戻っていき、1990年代クリントン政権は、日本を飛び越えて、ふたたび中国に接近していきました。
そして、日本は、同盟国としてよりも、敗戦国としての本来の立ち位置に押し戻されていきました。
このような情勢変化の結果、90年代以降、二つのことが日本を襲いました。
歴史問題と構造改革という記事で述べましたが、
一つは、中国や韓国による「反日プロパガンダ」が激化しました。
もう一つは、アメリカから日本の弱体化を目指した「構造改革」の要求が厳しく日本に突き付けられるようになりました。
(出典: 対日包囲網と冷戦脳 2013年5月11日)

(画像出典: 「歴史問題」と「構造改革」は連動している2014年01月08日)
第二次世界大戦の戦勝国としてのアメリカと中国が手を結び、「歴史問題」と「構造改革」によって、日本を挟み撃ちにしているのが、冷戦が終わった90年代以降、日本が置かれている状況なのですから、「歴史問題」によって日本を糾弾する「反日国家」中国がいくら嫌いだからといって、アメリカを救世主と信じて傾斜し、TPPや安保法制によって我が身ををどこまでも捧げ尽くしてしまえば、待っているのは、この二つの戦勝国、二つのグローバル国家による、日本の解体と蹂躙です。
参考記事:
洗脳された世代(2013年1月29日)
対日包囲網と「冷戦脳」(2013年5月11日)
「歴史問題」と「構造改革」は連動している(2014年01月08日)
歴史問題と構造改革(2013年5月8日)

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