嘘つきを支持し続けた日本人に降りかかった当然の報い

二枚舌がもたらす災禍。
再度、佐藤地ユネスコ大使の世界遺産委員会での発言の全文を掲載します。
Madame Chairperson,

Thank you for the opportunity to deliver this statement on behalf of the Government of Japan.

It is quite an honor for the Government of Japan that the “Outstanding Universal Value” of this property has been duly evaluated and that, with the support of all Members of the Committee, it has been inscribed on the World Heritage List by a consensus decision.

The Government of Japan respects the ICOMOS recommendation that was made from technical and expert perspectives. Especially, in developing the “interpretive strategy,” Japan will sincerely respond to the recommendation that the strategy allows “an understanding of the full history of each site.”

More specifically, Japan is prepared to take measures that allow an understanding that there were a large number of Koreans and others who were brought against their will and forced to work under harsh conditions in the 1940s at some of the sites, and that, during World War II, the Government of Japan also implemented its policy of requisition.

Japan is prepared to incorporate appropriate measures into the interpretive strategy to remember the victims such as the establishment of information center.

The Government of Japan expresses its deep appreciation to Chairperson Böhmer, all Members of the World Heritage Committee and everyone involved in the process for their understanding of the “Outstanding Universal Value” of the property, and for their kind cooperation towards its inscription.

議長、日本政府を代表して、この声明を発表する機会を与えてくださったことを感謝申し上げます。

この資産の「顕著な普遍的価値」が正しく評価され、委員会の全会一致により、コンセンサスに基づく決定がなされ、この資産が世界遺産リストに登録されたことは、日本政府にとって大きな名誉であります。

日本政府は、技術的・専門的見地からなされた国際記念物遺跡会議(ICOMOS)の勧告を尊重します。

とりわけ、「解釈戦略」の展開においては、日本は、「個々の施設の歴史の全貌の理解」が可能になるようにせよとの勧告に真摯に応えてまいります。

具体的には、日本は、いくつかの施設において、1940年代に、自分の意思に反して送致され、過酷な条件下で働くことを強制された多くの朝鮮人等が存在したこと、また、第二次世界大戦中に、日本政府が、徴用政策を実行したこと、これらの事実の理解を可能にする措置を取る準備ができています。

日本は、インフォメーションセンターの設立のような適切な措置を、犠牲者たちを記念するための「解釈戦略」の中に盛り込む準備ができています。


日本政府は、ベーマー議長と世界遺産委員会の全委員国、資産の「顕著な普遍的価値」を理解し、登録のために親切な協力を行うプロセスに関わったすべての方たちに心より感謝申しげます。

(上の動画の29:40〜)

佐藤地ユネスコ大使は、

「日本政府を代表して」

「具体的には、日本は、いくつかの施設において、1940年代に、自分の意思に反して過酷な条件下で働くことを強制された多くの朝鮮人等が存在したこと、また、第二次世界大戦中に、日本政府が、徴用政策を実行したこと、これらの事実の理解を可能にする措置を取る準備ができています。日本は、インフォメーションセンターの設立のような適切な措置を、犠牲者たちを記念するための「解釈戦略」の中に盛り込む準備ができています。」


と発言しています。

また、今回の世界遺産登録は、文化庁や外務省ではなく、「首相案件」として、安倍晋三直属の「官邸シフト」に切り替えて、官邸自体が主導になって、官邸の「ゴリ押し」によって、「首相サイドが必死に登録を目指」していたとの報道もなされています。

官邸主導異例のアピール 産業施設世界遺産へ

ものづくり大国ニッポンの原点を伝える「明治日本の産業革命遺産」は4日、国際記念物遺跡会議(イコモス)が登録を勧告したことで、世界文化遺産登録に向けて大幅に前進した。政府は従来の文化庁主導から安倍晋三首相直属の「官邸シフト」に切り替え、関係国に異例のアピール活動を展開してきた。登録の可否を審査する7月の国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界遺産委員会のメンバーに、反対を公言している韓国が加わっているためで、異論が出ても押し切れるよう外堀を埋める戦略だ。

◆首相の親書

今回の登録勧告でひとまず大きなハードルを越えた格好だが、本当の勝負は7月3~6日にドイツ・ボンで開かれる世界遺産委の会合だ。日本を含む21の委員国が審査に当たるが、関係国に対する働き掛けは異例なほど熱が入っている。

これまでは文化庁を窓口とし、イコモスの勧告から世界遺産委までの約6週間で関係国に登録を働き掛けた。しかし今回は「首相案件」(政府関係者)として、内閣官房が一貫して主導。政府として推薦を正式に決めた昨年1月から早くも本格的に動き始めた。

4月、ユネスコ政府代表部の元大使を内閣官房参与に任命し、態勢を強化。5月には岸田文雄外相がユネスコ事務局長と会談し、登録に期待を示した。委員国にもレセプションを開いて売り込むなど「文化庁が想像もしなかったような活動」(ユネスコ関係者)を繰り広げた。

この大型連休中も、委員国を訪問する閣僚は安倍首相の親書を携え、協力を要請。政府関係者は「官邸が外務省の尻をたたいている」と驚く。

◆官房長官裁定

「幕末には洋式艦船の建造技術を持たなかった日本が、半世紀余りで世界最高クラスの大型船を造るまでになった」。構成資産の一つ、三菱長崎造船所(長崎市)の果たした役割を地元自治体の担当者はこう説明する。

首相サイドが必死に登録を目指す背景には、国内選考段階で異例の「逆転劇」を演じたことがある。当初、最有力候補として衆目が一致していた「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」(長崎県、熊本県)を菅義偉官房長官の裁定で後回しにし、産業革命遺産が割り込む形になった。さらに推薦を初めて閣議の案件として格上げし、政府を挙げて登録を目指す姿勢をアピールした。ここまでして登録に失敗すれば、官邸の「ごり押し」批判が再燃しかねない。

産業革命遺産の23施設がある自治体に、安倍首相や盟友である麻生太郎財務相の地元が含まれていることも、政治色を強める一因となっている。

(出典: 佐賀新聞 2015年5月5日)

首相官邸は、政府代表に「いくつかの施設において、1940年代に、自分の意思に反して過酷な条件下で働くことを強制された多くの朝鮮人などが存在した」と国際会議の舞台で明確に発言させておきながら、

「我が国代表団の発言は強制労働を意味するものではまったくない」

(出典: 首相官邸内閣官房長官記者会見平成27年7月6日(月)午前)

と恥ずかしげもなく述べています。

このような二枚舌が世界に対して通用するわけがないことは、言うまでもありません。

通用しないどころか、日本の恥です。

今後、私たちがどんなに、「朝鮮人の強制労働はなかった」と世界に対して説明しようと、安倍政権が、国際会議の場所で政府代表に語らせた「多くの朝鮮人が過酷な条件下で働くことを強制された」という公式な発言を持ち出されれば、そこで話は終わりです。

しかも、登録されてしまった世界遺産は、負の遺産として、永遠に私たちと私たちの子孫に残されてしまいました。

明治産業革命遺産が「多くの朝鮮人が過去な条件下で働くことを強制された」場所として、世界遺産に登録された事実をもう消しようがありません。

「慰安婦たちが強制連行された」とは決して書かれておらず、あいまいな表現をとり、解釈の幅を残していた河野談話どころの話ではありません。

ところで、「働くことを強制された」と一方で語りながら、他方で「その発言は強制労働を意味しない」などと恥ずかしげもなく嘘をつくことのできる安倍政権の二枚舌は、私たちにある既視感を与えます。
オリンピック誘致の際に、福島第一原発の事故の影響に関して、

「(福島の)状況はコントロールされています」

「汚染水による影響は、福島第一原発の港湾内の0.3kmの範囲内で完全にブロックされています」

と安倍晋三が、国際社会に対して平然と嘘を述べた、あの発言です。

あの時、安倍晋三を支持する自称「保守」の人々は、安倍晋三が世界に対してついた嘘を、日本人として批判することなく、オリンピックの誘致の決定を、安倍外交の勝利としてひたすら賞賛していました。

安倍晋三の恥知らずな嘘を批判せず、オリンピック誘致成功という結果を賞賛することによって、日本人は、安倍晋三とともに、世界の人々に嘘をついたのです。

そして、あの時と同じように、今回、安倍政権は、「多くの朝鮮人が過酷な条件下で働くことを強制された」と国際社会に対して発言しながら、「あの発言は強制労働を意味しない」などと平然と述べる二枚舌を使って、「東洋のアウシュビッツ」というレッテルが貼られた負の世界遺産を日本にもたらすことに成功しました。

今では、安倍を支持してきた自称「保守」の人々ですら、安倍政権のこの挙動に腹を立てているわけですが、

日本人がオリンピック誘致の際に、安倍晋三の二枚舌をきちんと批判しなかったツケ

「ウソつかない!ぶれない!TPP断固反対!」というポスターを貼って選挙に勝っておきながら、TPP交渉に参加した自民党の嘘をきちんと糾弾しなかったツケ

良いことと悪いことの区別をきちんとつけなかったツケ

「嘘をついてはいけない」という人間として最も基本的な原理原則をおろそかにしたツケ

「嘘つきは泥棒のはじまり」という倫理感を喪失したツケ

嘘つきの総理大臣を平然と支持し続けたツケ


が、いまや、自分たちと、自分たちの子孫に降りかかってきたことを心すべきでしょう。

安倍晋三や自民党の嘘に平気で目をつぶってきた日本人に、安倍晋三や自民党の嘘を批判しないことによってその嘘に加担してきた日本人に、韓国人の嘘を責める資格はまったくないし、嘘をつくことに心の痛痒を感じない感覚の麻痺した国民には、それにふさわしい報いしか待ち受けていません。
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>縄文人

縄文人はすごいですよね。

(引用)
韓国での考古調査の結果、紀元前五千年から「半島で暮らし始めた人」たちは、「日本から移り住んだ縄文人」とその「子孫」だったことは明らかです。そして、父祖の地である日本とのあいだを行き来していた。それが「海峡を超えた交流」の実態なのです。海洋民族である縄文人は自由に海を往来していました。彼らは船を操るのに長けており、長崎県多良見町の「伊木力遺跡(いきりきいせき)」から出土した外海用の舟は、縄文人が外洋を渡る技術を持っていたことを物語っています。

「最初に半島に住み始めた人々は日本からやって来た縄文人だった。」という考古学上の推論は、形態人類学によっても裏付けられたのです。

七千年前、すなわち前五千年ころにやってきて「新石器時代」「櫛文土器文化」を築き、「三千年以上」の長きにわたり「韓半島の主人公」だった人々はどこから来たのか。さらに、四千年前、すなわち前二千年ころやってきて「半島人の直接の先祖」になった人々は、どこからやって来たのでしょう。


<最近、相次いで日本列島から縄文時代の人々が渡っていたことを示す痕跡が見つかっている。「東三洞貝塚(とうさんどうかいづか・韓国釜山影島の東岸にある貝塚)」では大量の「縄文土器」と「九州産」の「黒曜石(黒耀石)こくようせき」が出土した。そこに出土する縄文土器は縄文人がやって来た確かな証拠品といえる。>

何とこの時代、「人々は日本から半島に進出していた」のです。

http://www.geocities.jp/windows_user2013/korean_history01.htm

inputerよ

うまくやるも何も、我田引水の明治産業革命遺産を、官邸がゴリ押しして、朝鮮人の強制労働を認めてまでも、無理やり世界遺産に登録させるようなバカな真似は、安倍以外に誰もやりません。

安倍政権がこれまで行ってきた数々の売国政策が、過去のいかなる政権の行った政策と比べても、比較にならないほどひどいものであることは、中学生以上の知性の持ち主なら誰でもわかることです。

これ以上、どれだけひどいことをされたら、「安倍がまし」なのではなく「安倍は最悪」なのだという単純な事実に気がつくのですか?

今、どうしても世界遺産に登録させなくてはならない場所があるとするならば、それは、軍艦島などではなく、三代丸山遺跡を含めた東北の縄文遺跡群です。東北の復興にもなるし、縄文文明の世界史的な意義のためにです。人類史上、ほぼ最初に土器を作ったのは、縄文人です。縄文土器のデザインの秀逸さは、世界のあらゆる土器の中で群を抜いています。そのような重要な遺跡が世界遺産になっていないことの方がおかしい。

いかに、現在、我が国において「地祇的な原理」がおろそかに扱われているかのよい例です。

No title

それでも安倍を支持し続ける馬鹿な自民党信者
いまだに自民党が一番ましなどと言ってるんだから頭が終わってる

では安倍総理以外なら

もっと上手くやったのか

この問に答えられる人は少ないだろう
何故ならまともな政治家は日本に数えるほどしかおらず、
また、それらは総じて力がない
馬鹿とキチガイで回しているような状況が、
一体いつから続いているのか

その馬鹿とキチガイの子供がまた政治家になり、
また失敗しては繰り返す

No title

池田信夫などの安倍信者ではない人達や、その周りにいる人達の今回の反応を見ると、「悪気があった訳ではないだろうが、馬鹿だからこうなってしまった」と言っていますね。果たしてそうでしょうか?安倍政権が発足すると同時に、「侵略の定義は定まっていない」と発言し、世界に「右翼」、「歴史修正主義者」の印象を持たせ、重ねる様に「強制連行された慰安婦の証拠はない」と発言し、より一層その印象を濃くしだ。おまけには731番の戦闘機に乗ってみせるなど、馬鹿でも避ける様なことを平然とやり、安倍晋三を筆頭として、安倍政権は完全に「右翼」、「歴史修正主義者」として世界に認識された。そこに慰安婦の嘆き、そして強制労働認定発言が来れば効果絶大だ。私にはわざとやっているようにしか思えない。
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