佐藤地ユネスコ大使の発言と安倍信者の反応
安倍晋三を神格化するためには手段を問わない人々。
佐藤地ユネスコ大使の世界遺産委員会での発言の全文を掲載します。
青山繁晴が、例によって例のごとく、具体的なソースを明示しないまま、「安倍さんは悪くない。安倍さんの周りが悪い」と、安倍晋三ひとりを聖域化するいつものやり口で、安倍晋三の擁護を図っています。
そして、こちらも例によって例のごとく、安倍信者たちが、青山繁晴による、このなんら裏付けのない発言を鵜呑みにしています。
青山繁晴は、外務省と現地組が慌ててしまい独走した結果、佐藤地ユネスコ大使が「多くの朝鮮人が労働を強制された」と口を滑らせたように述べていますが、この話がでたらめなことは簡単に見破ることができます。
佐藤地ユネスコ大使は、「各施設の歴史の全貌を知ることができるようにせよ」という「国際記念物遺跡会議(ICOMOS)の勧告に従う」という文脈の中で、「インフォメーションセンターの設置」という具体的措置に言及しつつ、朝鮮人の強制労働を認めているのですが、「国際記念物遺跡会議(ICOMOS)の勧告」なるものがいつなされたかといえば、今から遡ること、約一ヶ月半前の2015年5月23日のことです。
国際記念物遺跡会議(ICOMOS)の勧告に対する一ヶ月半の検討期間があり、しかも、「インフォメーションセンターの設置」などという具体策にまで言及していながら、官邸への照会なしに、現地の判断だけであのような発言を行うわけがないではないですか。
しかも、今回は、文化庁や外務省ではなく、「首相案件」として、安倍晋三直属の「官邸シフト」に切り替えて、官邸自体が主導になって、官邸の「ゴリ押し」によって、「首相サイドが必死に登録を目指し」ていたとの報道がなされています。
青山繁晴、水島総、三橋貴明などの「インチキな仕立て屋」たちは、安倍晋三を神格化するためには、手段を問わない人たちなので、よくよく注意が必要です。
あと、青山さん、「force to work」ではなく「forced to work」です。英語、おできにならないんですか?
Madame Chairperson,
Thank you for the opportunity to deliver this statement on behalf of the Government of Japan.
It is quite an honor for the Government of Japan that the “Outstanding Universal Value” of this property has been duly evaluated and that, with the support of all Members of the Committee, it has been inscribed on the World Heritage List by a consensus decision.
The Government of Japan respects the ICOMOS recommendation that was made from technical and expert perspectives. Especially, in developing the “interpretive strategy,” Japan will sincerely respond to the recommendation that the strategy allows “an understanding of the full history of each site.”
More specifically, Japan is prepared to take measures that allow an understanding that there were a large number of Koreans and others who were brought against their will and forced to work under harsh conditions in the 1940s at some of the sites, and that, during World War II, the Government of Japan also implemented its policy of requisition.
Japan is prepared to incorporate appropriate measures into the interpretive strategy to remember the victims such as the establishment of information center.
The Government of Japan expresses its deep appreciation to Chairperson Böhmer, all Members of the World Heritage Committee and everyone involved in the process for their understanding of the “Outstanding Universal Value” of the property, and for their kind cooperation towards its inscription.
議長、日本政府を代表して、この声明を発表する機会を与えてくださったことを感謝申し上げます。
この資産の「顕著な普遍的価値」が正しく評価され、委員会の全会一致により、コンセンサスに基づく決定がなされ、この資産が世界遺産リストに登録されたことは、日本政府にとって大きな名誉であります。
日本政府は、技術的・専門的見地からなされた国際記念物遺跡会議(ICOMOS)の勧告を尊重します。
とりわけ、「解釈戦略」の展開においては、日本は、「個々の施設の歴史の全貌の理解」が可能になるようにせよとの勧告に真摯に応えてまいります。
具体的には、日本は、いくつかの施設において、1940年代に、自分の意思に反して送致され、過酷な条件下で働くことを強制された多くの朝鮮人等が存在したこと、また、第二次世界大戦中に、日本政府が、徴用政策を実行したこと、これらの事実の理解を可能にする措置を取る準備ができています。
日本は、インフォメーションセンターの設立のような適切な措置を、犠牲者たちを記念するための「解釈戦略」の中に盛り込む準備ができています。
日本政府は、ベーマー議長と世界遺産委員会の全委員国、資産の「顕著な普遍的価値」を理解し、登録のために親切な協力を行うプロセスに関わったすべての方たちに心より感謝申しげます。
(上の動画の29:40〜)
青山繁晴が、例によって例のごとく、具体的なソースを明示しないまま、「安倍さんは悪くない。安倍さんの周りが悪い」と、安倍晋三ひとりを聖域化するいつものやり口で、安倍晋三の擁護を図っています。
異例
▼この地味ブログとしては、異例の書き込みをあえてします。
早い朝に、現政権の中枢のなかの中枢とお会いし、議論しました。ぼくとしては世界遺産をめぐる日本のおかしな妥協について直に、徹底批判し、歴史の真実を回復するための新しい努力を強く求めました。
▼それに対する答えのなかに、重大な情報が幾つかありました。
(1)日本のユネスコ大使らが現地で行ったスピーチは、外務省が作成し、総理はその中身を把握せず岸田外相を信任していた。
官邸から外務省への指示は「登録されないという最悪の結果は避けよ」というだけであり、「force to work」という言葉を使ったのは、外務省と現地組の事実上の独断だった。
政権はこれを「大きな過誤」と判断しており、真実の回復に努めよという(この早朝の)話を国民の声とも受け止め、対応を考えたい。厳しく考える。
(2)外務省と現地組には、実は、公表されていない重大なミスがもうひとつあった。
それは現地の土壇場で、「登録は1910年までの話だから韓国の反論と時代が違う」という主張を、韓国側の新しいある主張によって覆されそうになったことだ。これで外務省と現地組が慌ててしまい、独走が起きてしまった。
(出典: On the road~青山繁晴の道すがらエッセイ~ 2015年7月7日)
そして、こちらも例によって例のごとく、安倍信者たちが、青山繁晴による、このなんら裏付けのない発言を鵜呑みにしています。
青山さんによればユネスコ大使らのスピーチは外務省作成、総理は中身把握せず岸田外相を信任。「force to work」は外務省と現地組の事実上の独断。政権はこれを「大きな過誤」と判断。外務省と現地組には未公表のもう一つの重大ミス。http://t.co/SDx5SPZbuC
— くっくり (@boyakuri) 2015, 7月 7
青山繁晴氏 #世界遺産
・日本のユネスコ大使スピーチは外務省が作成
・総理はその中身を把握せず岸田外相を信任
「force to work」は外務省と現地組の事実上の独断
・外務省と現地組がパニック
・政権はこれを「大きな過誤」と判断
http://t.co/3DyhgiyBO9
— bemybaby (@archilys) 2015, 7月 7
青山繁晴は、外務省と現地組が慌ててしまい独走した結果、佐藤地ユネスコ大使が「多くの朝鮮人が労働を強制された」と口を滑らせたように述べていますが、この話がでたらめなことは簡単に見破ることができます。
佐藤地ユネスコ大使は、「各施設の歴史の全貌を知ることができるようにせよ」という「国際記念物遺跡会議(ICOMOS)の勧告に従う」という文脈の中で、「インフォメーションセンターの設置」という具体的措置に言及しつつ、朝鮮人の強制労働を認めているのですが、「国際記念物遺跡会議(ICOMOS)の勧告」なるものがいつなされたかといえば、今から遡ること、約一ヶ月半前の2015年5月23日のことです。
2015年5月23日、韓国・朝鮮日報によると、日本政府がユネスコの世界遺産登録を推進していることに関連し、ユネスコ傘下の国際記念物遺跡会議(ICOMOS)が、「歴史の全貌を知ることができるような解釈を準備するように」と日本政府に勧告したことがわかった。
日本政府は1850年代から1910年までに九州に建設された炭鉱、港湾、製鉄所など、23カ所の世界遺産登録の準備を進めている。これについてICOMOSは、先日、フランスのパリで開催された会議で上述の勧告を作成し、日本政府に伝達した。
韓国外交部の崔鍾文(チェ・ジョンムン)ユネスコ協力代表は、「日本は産業革命の成果だけでなく、その背後で行われた強制徴用も率直に認めて通知しなければならない、という韓国側の主張が受け入れられた」と述べた。ICOMOSは日本政府に、2017年11月までにこの勧告の結果を提出するよう要請している。
(出典: livedoornews 2015年5月24日)
国際記念物遺跡会議(ICOMOS)の勧告に対する一ヶ月半の検討期間があり、しかも、「インフォメーションセンターの設置」などという具体策にまで言及していながら、官邸への照会なしに、現地の判断だけであのような発言を行うわけがないではないですか。
しかも、今回は、文化庁や外務省ではなく、「首相案件」として、安倍晋三直属の「官邸シフト」に切り替えて、官邸自体が主導になって、官邸の「ゴリ押し」によって、「首相サイドが必死に登録を目指し」ていたとの報道がなされています。
官邸主導異例のアピール 産業施設世界遺産へ
ものづくり大国ニッポンの原点を伝える「明治日本の産業革命遺産」は4日、国際記念物遺跡会議(イコモス)が登録を勧告したことで、世界文化遺産登録に向けて大幅に前進した。政府は従来の文化庁主導から安倍晋三首相直属の「官邸シフト」に切り替え、関係国に異例のアピール活動を展開してきた。登録の可否を審査する7月の国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界遺産委員会のメンバーに、反対を公言している韓国が加わっているためで、異論が出ても押し切れるよう外堀を埋める戦略だ。
◆首相の親書
今回の登録勧告でひとまず大きなハードルを越えた格好だが、本当の勝負は7月3~6日にドイツ・ボンで開かれる世界遺産委の会合だ。日本を含む21の委員国が審査に当たるが、関係国に対する働き掛けは異例なほど熱が入っている。
これまでは文化庁を窓口とし、イコモスの勧告から世界遺産委までの約6週間で関係国に登録を働き掛けた。しかし今回は「首相案件」(政府関係者)として、内閣官房が一貫して主導。政府として推薦を正式に決めた昨年1月から早くも本格的に動き始めた。
4月、ユネスコ政府代表部の元大使を内閣官房参与に任命し、態勢を強化。5月には岸田文雄外相がユネスコ事務局長と会談し、登録に期待を示した。委員国にもレセプションを開いて売り込むなど「文化庁が想像もしなかったような活動」(ユネスコ関係者)を繰り広げた。
この大型連休中も、委員国を訪問する閣僚は安倍首相の親書を携え、協力を要請。政府関係者は「官邸が外務省の尻をたたいている」と驚く。
◆官房長官裁定
「幕末には洋式艦船の建造技術を持たなかった日本が、半世紀余りで世界最高クラスの大型船を造るまでになった」。構成資産の一つ、三菱長崎造船所(長崎市)の果たした役割を地元自治体の担当者はこう説明する。
首相サイドが必死に登録を目指す背景には、国内選考段階で異例の「逆転劇」を演じたことがある。当初、最有力候補として衆目が一致していた「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」(長崎県、熊本県)を菅義偉官房長官の裁定で後回しにし、産業革命遺産が割り込む形になった。さらに推薦を初めて閣議の案件として格上げし、政府を挙げて登録を目指す姿勢をアピールした。ここまでして登録に失敗すれば、官邸の「ごり押し」批判が再燃しかねない。
産業革命遺産の23施設がある自治体に、安倍首相や盟友である麻生太郎財務相の地元が含まれていることも、政治色を強める一因となっている。
(出典: 佐賀新聞 2015年5月5日)
青山繁晴、水島総、三橋貴明などの「インチキな仕立て屋」たちは、安倍晋三を神格化するためには、手段を問わない人たちなので、よくよく注意が必要です。
あと、青山さん、「force to work」ではなく「forced to work」です。英語、おできにならないんですか?

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