夏越の大祓

一年の後半戦のスタート。
6月30日、地元の神社で、夏越大祓の神事に参加しました。

下の動画は、春日大社で行われた夏越大祓式の様子です。
大祓式は、6月と12月の末日の年に二回、半年間、知らず識らずのうちに犯した罪・穢れを祓うために、全国の神社で執り行われる神事です。

6月の末日に行われる大祓式を「夏越大祓」(なごしのおおはらえ)、12月の末日に行われる大祓式を「師走大祓」(しわすのおおはらえ)や「年越大祓」(としこしのおおはらえ)と呼びます。

大祓式は、もともとは、757年に施行された養老律令にその定めが記されていることから、遅くとも奈良時代、律令制の施行とともに始められたと考えられる国家的な儀式でした。

凡六月、十二月の晦日の大祓には、中臣は御祓麻(みはらへのぬさ)を上れ、東西の文部(ふびとべ)は、祓刀を上り、祓詞を読め、訖りなば、百官男女を祓所に聚め集へて、中臣は祓詞(はらいごと)を宣り、卜部は解除を為よ

(6月、12月の晦日の大祓には、中臣は御祓麻〔おおぬさ〕を奉ること。東西の文部は祓の刀を奉り、祓詞を読むこと。それが終わったならば、百官の男女は、祓所に集合すること。中臣は祓詞を宣すこと。卜部は解え除きをすること。)

(出典:「養老律令」第六 神祇令 18 大祓条、現代語は、官制大観 現代語訳「養老律令」より)

大祓式で奏上された祝詞の原文は、927年に編纂された律令制の施行細則を定めた格式の一つ「延喜式」の中に「六月晦大祓」として記されています。

六月晦大祓〔十二月も此に准へ〕

集侍はれる親王 諸王 諸臣 百官人等諸聞食せと宣る 天皇が朝廷に仕奉る 比礼挂くる伴男 手襁挂くる伴男 靫負ふ伴男 剱佩く伴男 伴男の八十伴男を始めて 官官に仕奉る人等の 過犯しけむ雑雑の罪を 今年の六月の晦の大祓に 祓給ひ清給ふ事を 諸聞食せと宣る

高天原に神留り坐す 皇親神漏岐神漏美の命以ちて 八百万の神等を 神集に集賜ひ 神議に議賜て 我が皇孫之尊は 豊葦原の水穂の国を 安国と平けく所知食と事依し奉き 如此依し奉し国中に荒振神達をば 神問しに問し賜ひ 神掃に掃賜ひて 語問し磐根樹の立草の垣葉をも語止て 天磐座放ち 天の八重雲を伊頭の千別に千別て 天降依し奉き 如此依さし奉し四方の国中と 大倭日高見之国を安国と定奉て 下津磐根に宮柱太敷立て 高天原に千木高知て 皇御孫之命の美頭の御舎仕奉て 天之御蔭日之御蔭と隠坐て 安国と平けく所知食む国中に成出む 天の益人等が 過犯けむ雑々の罪事は 天津罪と 畦放 溝埋 樋放 頻蒔 串刺 生剥 逆剥 屎戸 ここだくの罪を 天津罪と法別て 国津罪と 生膚断死膚断 白人胡久美 己が母犯罪己が子犯罪 母と子と犯罪子と母と犯罪 畜犯罪 昆虫の災 高津神の災 高津鳥の災 畜仆し蟲物為罪 ここだくの罪出でむ 如此出ば 天津宮事を以て 大中臣天津金木を本打切末打断て 千座の置座に置足はして 天津菅曾を本苅断末苅切て 八針に取辟て 天津祝詞の太祝詞事を宣れ

如此乃良ば 天津神は天磐門を押披て 天之八重雲を伊頭の千別に千別て所聞食む 国津神は高山乃末短山之末に登坐して 高山の伊穂理短山の伊穂理を撥別て所聞食む 如此所聞食てば 皇御孫之命の朝廷を始て 天下四方国には 罪と云ふ罪は不在と 科戸之風の天之八重雲を吹放事之如く 朝之御霧夕之御霧を朝風夕風の吹掃事之如く 大津辺に居る大船を 舳解放艫解放て大海原に押放事之如く 彼方之繁木が本を焼鎌の敏鎌以て打掃事之如く 遺る罪は不在と 祓賜ひ清賜事を 高山之末短山之末より 佐久那太理に落多支都速川の瀬に坐す瀬織津比咩と云神大海原に持出なむ 如此持出往ば 荒塩之塩の八百道の八塩道之塩の八百会に坐す速開都比咩と云神 持かか呑てむ 如此かか呑ては 気吹戸に坐す気吹主と云神 根国底之国に気吹放てむ 如此気吹放ては 根国底之国に坐す速佐須良比咩と云神 持さすらひ失てむ 如此失てば 今日より始て罪と云ふ罪は不在と 高天原に耳振立聞物と馬牽立て 今年の六月の晦日の 夕日之降の大祓に 祓給ひ清給ふ事を 諸聞食せと宣る 四国の卜部等 大川道に持退出て祓却と宣る

(出典: 『延喜式』 卷八 神祇八 祝詞)

この祝詞は、大内裏(宮城)の正門である朱雀門の前に朝廷の官僚たちが参集し、神祇伯(神祇官の長官)を務めた中臣氏が参集者に対して読み上げる宣言文であったため、「中臣祓」(なかとみのはらえ)とも呼ばれました。

国家的儀式としての大祓式は、律令制の解体と、応仁の乱がもたらした京都の混乱によって、明治期に復興されるまで中断しますが、大祓式で用いられた「六月晦大祓」の祝詞は、若干の修正が加えられて「大祓詞」(おおはらえのことば)と呼ばれ、私的な祈祷として、神職のみならず、僧侶や陰陽師によっても用いられ続けました。

江戸時代に、幕府の公認を得て神道の主流となった吉田神道では、「八部祓」という八つの重要な祝詞が用いられていましたが、「大祓詞」は「八部祓」の中心をなしていました。



現在は、大正3年内務省が制定したものが、神社本庁公式の「大祓詞」として、全国の神社の日々の朝拝や日供祭、月次祭、例大祭や、祈祷において用いられています。

大祓詞

高天原に神留まり坐す 皇親神漏岐神漏美の命以て 八百万神等を神集へに集へ給ひ 神議りに議り給ひて 我皇御孫命は 豊葦原瑞穂国を 安国と平けく知食せと 事依さし奉りき 此く依さし奉りし国内に 荒振神等をば 神問はしに問はし給ひ 神掃へに掃へ給ひて 言問ひし磐根木根 立草の片葉をも事止めて 天の磐座放ち 天の八重雲を 伊頭の千別に千別て 天降し依さし奉りき 此く依さし奉りし四方の国中と 大倭日高見の国を安国と定め奉りて 下津磐根に宮柱太敷き立て 高天原に千木高知りて 皇御孫命の瑞の御殿仕へ奉りて 天の御蔭日の御蔭と隠り坐して 安国と平けく知食さむ 国内に成り出む天の益人等が 過ち犯しけむ種種の罪事は 天津罪 国津罪 許許太久の罪出む 此く出ば天津宮事以ちて 天津金木を本打ち切り末打ち断ちて 千座の置座に置足はして 天津菅麻を本刈り断ち末刈り切りて 八針に取裂きて 天津祝詞の太祝詞事を宣れ

此く宣らば 天津神は天の磐戸を押披きて 天の八重雲を伊頭の千別に千別て聞食さむ 国津神は高山の末低山の末に登り坐て 高山の伊褒理低山の伊褒理を掻き別けて聞食さむ 此く聞食してば罪と言ふ罪は有らじと 科戸の風の天の八重雲を吹き放つ事の如く 朝の御霧夕の御霧を朝風夕風の吹き掃ふ事の如く 大津辺に居る大船を舳解き放ち艪解き放ちて大海原に押し放つ事の如く 彼方の繁木が本を焼鎌の利鎌以て打ち掃ふ事の如く 遺る罪は在らじと祓へ給ひ清め給ふ事を 高山の末低山の末より佐久那太理に落ち多岐つ 早川の瀬に坐す瀬織津比売と言ふ神 大海原に持出でなむ 此く持ち出で往なば 荒潮の潮の八百道の八潮道の潮の八百曾に坐す速開都比売と言ふ神 持ち加加呑みてむ 此く加加呑みてば 息吹戸に坐す息吹戸主と言ふ神 根国底国に息吹放ちてむ 此く息吹放ちてば 根国底国に坐す速佐須良比売と言ふ神 持ち佐須良比失ひてむ 此く佐須良比失ひてば 罪と言ふ罪は在らじと 祓へ給ひ清め給ふ事を 天津神国津神八百万の神等共に聞食せと白す

大祓詞は、前段と後段に分かれ、前段では皇祖である皇御孫命(すめみまのみこと・ニニギ)が、高天原から降臨し日本を統治するに至った神話の要約がなされ、後段では、罪が神々の働きによって、いかに効果的にそして徹底的に祓い清められるのか、これでもか、これでもかと畳み掛けるような説明がなされています。

「大祓詞」後段に登場する、瀬織津比売(せおりつひめ)、速開都比売(はやあきつひめ)、息吹戸主(いぶきどぬし)、速佐須良比売(はやさすらいひめ)の四柱の神々を「祓戸四神」といい、大きな神社では、神社の入り口に「祓戸四神」を祀る「祓戸神社」が設けられており、手水舎で身を清めたあと、「祓戸神社」に先にお参りをして心身を祓い清めた後、本殿にお参りするというのが正しいお参りの順序なのだそうです。

現在、全国の神社で行われている大祓式は、誰でも基本的に無料で参加することができます。(神社によって若干違いがあるようです。)

夏越大祓式で参集者がくぐる茅の輪は、7月の半ばごろまで多くの神社で設置されていますから、大祓式に参加できなかった方は、茅の輪くぐりにお近くの神社に参拝されてはいかがでしょうか。(神社によっては、7月の終わりや8月に入ってから、夏越大祓式を行うところもあるようです。)



古来から長く受け継がれてきた神事や言葉にあずかることのできる私たち日本人は、幸せだと思います。

大切に守り受け継いでいきたいと伝統であると思います。

大祓式の後、同じ日に違う神社でおみくじをひいたら、なんと全く同じ内容の大吉のおみくじを引きました。



吉兆です。

がんばります。
*
関連記事

コメントの投稿

非公開コメント

WJFプロジェクトについて
ご寄付のお願い
作品リスト
政治的立場
WJFプロジェクトは、日本の主権、伝統、国柄を守る保守的な観点から、安倍政権が推し進めるTPP参加、構造改革、規制緩和、憲法改正、安保法制、移民受入などのグローバル化政策に反対しています。
TPP交渉差止・違憲訴訟の会
YouTube
WJFプロジェクトの動画作品は以下のYouTubeのチャンネルでご覧になれます。

お知らせ
アクセス・カウンター


今日の一言
蓮舫の二重国籍問題のジレンマ

違う入り口を選んだハズなのに、ドアを開けると、同じ出口につながっている。
最新記事
コメント
<>+-
アーカイブ


RSSリンク
RSSリーダーに下のリンクを登録されると、ブログの記事やコメントの更新通知を受け取ることができます。