アジアインフラ投資銀行について

世界史の、新しい「章」の始まり。
中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)について意見を求められたので、コメント欄に記したことを、記事に残しておきます。経済の専門家ではありませんので、一つのつぶやきとしてお読みください。

事実を列挙して、今後の展開を占ってみましょう。

・1978年の改革開放以降、中国の産業化(industrialization)と、アメリカの金融化(financialization)は、表裏一体の出来事として並行して進行した
・アメリカの工場の役割を担うことで、中国は巨大な外貨準備(ドル)を抱え込んだ
・アメリカの工場労働者たちは仕事を奪われ、格差が拡大し、アメリカの中間層が消滅した
・中国の沿岸都市部と、内陸部に、大きな経済格差を生んだ
・AIIBにより、オセロがひっくり返るように、ドルに代わって、人民元が世界の基軸通貨の地位に躍り出る
・中国は、工業化の成熟や内需の成長を待たずに、急速に金融化することにより、社会が不安定化する
・アメリカは、基軸通貨国としての特権を失い、貿易赤字と財政赤字によって破綻の危機に直面する
・ドルの破綻をソフトランディングさせる役割を、日本の円が担わされるだろう
・アメリカの弱体化は、輸出依存度の高い中国の産業にとっての市場の急速な縮小を意味するが、国内の産業構造を安定的に維持し、アメリカに代わる市場を得るために、中国は猛スピードで途上国の開発を進める必要が生まれる
・猛スピードで進められる途上国の開発は、人民元の基軸通貨化を促進するが、同時に、政情不安など、何かの要因で、途上国の開発スピードが停滞すると、中国が倒れるリスクも発生する
・世界は新しい「章」(19年)を迎えた

日本が、AIIBに参加すると、ドルが破綻に向かうため、好むと好まざるとに関わらず、AIIBに参加を許されないと思います。

アメリカの覇権の維持という名目のために、アメリカの秩序への日本の併呑も引き続き進められていきますが、遅かれ早かれ、アメリカは中国に白旗をあげるでしょう。日本がAIIBに参加を許されるのはその時です。

「対中包囲網」といって張り切っていた自称「保守」勢力は、中国の属国化を防ぐには、対米従属が必要と主張してきましたが、実際には、対米従属は、そのまま対中従属への道に接続されます。

「左翼」でもなく「右翼」でもない、「日本の根」に立脚した政治が必要だったことに、その時日本人は気づくでしょうか?

アメリカと心中するにせよ、新中華帝国の末席を汚すにせよ、日本にとってなかなか難しい未来が待っていますが、ピンチはチャンスでもあります。中国は、名実ともに、世界の覇者となった後に、どこかのタイミングで衰退と分裂に向かい、再び新しい秩序が生まれます。

そのときまでに、「日本」という国家の枠組みがどれだけ残っているかが問題となるでしょう。日本という国は消滅して、実質的には、単なる一地域の名称となっている可能性もあります。

下の記事も参照してください。

一極vs多極」(2013年1月15日)
日本的な精神、朝鮮的な精神、そしてグローバリズム」(2013年6月23日)
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ひふみさん

2011年頃の記事ですが下のような記事を見つけました。

世銀総裁の「修正金本位制」発言 と 世界主要国の中央銀行の金への急速なシフト-朝倉慶氏の記事への補足-
http://www.asyura2.com/11/hasan72/msg/616.html

ご指摘の通り、アメリカの力は、基軸通貨国としての特権に依存していますので、ドルが基軸通貨としての力を失う時、アメリカの力は音を立てて瓦解します。

このような大きな時代の変革のときには、日本は本来なら、堅い殻に閉じこもるようにして我が身を守らなければならないのですが、安倍政権による、アメリカに追随する政策は、アメリカ帝国の瓦解とともに、日本に大きな痛手をもたらす可能性があります。

確かに、ドルもユーロも破綻の淵にあり、管理通貨制度そのものが行き詰まりを見せる中、管理通貨制度に置き換わる新しい(古い?)通貨制度にラディカルな移行が行われるかもしれません。

ドル危機

意見を述べさせてください。
お話するのは、私が最近、漠然と、「これがこの世界の真実の姿なのかな」というものです。裏付けとなる検証作業がまだ浅いため、考えが偏りすぎているかもしれませんが、言わせてください。


私は、まもなくドルが崩壊するのだと考えます。
数年後、ではなく、秒読みが始まっているのだと思います。

21世紀に入ってからのアメリカが、これまでにもまして狂っているように見えるのは、
ドルがもう持たないところまで来ていたからで、リーマンショック以後は其れが輪をかけて異常に見えるのは、とうとう、ドルが崩壊する瞬間が目前まで迫ったからだと考えています。
余りにもご都合主義ででたらめなTPPもその流れです。
安倍総理の露骨な売国的な振る舞いその流れです。
チャンネル桜関係者も、『ドルが崩壊する』という前提でやっているんじゃないかと感じます。
何をやってもアメリカは助からない、と悟った彼らは、今、『時間稼ぎの茶番劇』をやっているのだと思います。
アメリカも、日本政府も、日本の自称保守達も、
日本国民の目からドル危機が差し迫っているという事実をそらしたいという点に関しては、利害が一致するのです。

日本は戦後、アメリカに中枢まで完全に支配されてしまいました。
アメリカに忠誠を誓った人々は、そのような状況下で何をするでしょうか?
私の考えでは、
『アメリカが滅ぶ前に、まず日本が滅ぶような態勢を作る』です。

アメリカが滅んで日本が生き残ると、後ろ盾を失った自分たちは間違いなく、売国奴として日本人によって、吊るされるからです。
それらの人々は、本当の言葉通り、『命がない』と思います。
だから、民主主義を無視して強引にやりたいことを推し進めたり、移民を受け入れたりして、ぐちゃぐちゃにして、証拠を隠滅するのです。

TPP加盟国が急激にアメリカ経済と距離を起き始めたのも、AIIBにEU諸国などがアメリカのメンツを潰す形で相次いで参加を決めたのも、いよいよドルの余命が僅かしか無いからだと考えます。


元は、基軸通貨にはなれません。
外貨を元に変えることはできても、元を外貨に変えることが出来ません。
元はブラック通貨。ブラックボックスです。
そんなデタラメな通貨は、世界の基軸になれません。
基軸通貨は、自国の通貨以上に使い勝手が良いから基軸通貨なのです。
幾重にも制約がかかっている元は、そういう立場には立てません。

元は基軸通貨にはなれないのですが、そのかわりに、AIIB加盟国は膨大な金を持っています。
AIIBとは、金本位制へ移行するための、ドルなき世界経済を安定させるための、臨時同盟的なものだと考えます。
おそらく、次の時代の世界の主要プレーヤーの中にUSAという国はありません。
ソ連が崩壊してロシアとなったように、アメリカも国そのものが政変で変わるように思います。

私は、元が基軸通貨になるのではなく、世界経済から『基軸通貨は無くなり、金本位制へ移行する』のだと思います。
金本位制にしてしまえば、そもそもドルは不要なのです。
もちろん、元もです。

2012年ごろ、ドイツがアメリカに預けていた金をドイツに戻すように要請しました。
2013年には674トンの金を2020年までにドイツに返すことが決定しました。
世界で最も貪欲に金を買いあさっているのは中国で、最終的に1万トンの金の保有を目指しているようです。
AIIBに参加を決めた国の中に、世界の金保有上位8カ国があります。

残る2カ国はアメリカと日本なのですが、日本の金はアメリカに預けてあります。
沢山もらったお年玉をお母さんに預ける子どもと同じ構図です。
名義は日本のものですが、これは、事実上撒き上げられた、返してもらえない金です。
ですから事実上、日本政府ははほとんど金を持ちません。
(民間は多少の金を持っています)

そして、当のアメリカ政府は、実際には金をほとんど失っているのではないかと言われています。
金に困って、とっくの昔に売却してしまった。
だから、金庫の中は空っぽだ。
と言われています。
(だから、ドイツに返せと言われても、すぐには返せず、2020年まで時間をかけて分割で返すのです)

日本のお先は、真っ暗です。

ドルが崩壊した時、米軍は機能不全に陥るでしょう。
給与も出ない。兵器の整備も不十分。自分が命を落としても、年金が支払われる保証もない。そもそも、祖国は余りにでたらめだった。命をかけて守るような、大層な国ではなかったと痛感させられて、一人ひとりの兵士にとっては、戦争どころでは無いでしょう。
ふざけんな馬鹿野郎。俺が大統領をぶっ殺してやりたいところだぜ!!
みたいな状態になるでしょう。

それは、核の傘が完全に失われることを意味します。
そして、近い将来、高い確率で世界を味方につけた中国に、尖閣を、あるいは沖縄を盗られる事を意味します。

一つだけ、希望があるとすれば、中国経済も、アメリカ経済と同じ病で、早晩死ぬ、という事です。

Re: youtube動画削除につきまして

>削除されたということは、反日にとってマズイ動画であったということです。どうか、日本のために、再アップ宜しくお願い致します。陰ながら応援しております。

応援のお言葉、ありがとうございます。近日中に再アップいたします。

No title

そういう視点もあるのですね。

私も日本がAIIBに参加するの反対です。

アジア開発銀行の後追いのような感じで、似たようなことをしてる感じ。
日本が50年前に始めたことを真似してるだけ。

日本外交はアメリカの後追いですから、アメリカ次第でしょうかね。

No title

皆さん、5年くらい中国に住んでみれば?
賄賂、買収、違反、嘘、裏切りは当たり前
本当の彼等がよ~~~~くわかるよ

nonBankQさん

>世界中から出資者を募っているが、AIIBは単なる中国内の投資銀行の一つに過ぎない。要は、国の中央銀行のような通貨発行権を持つ銀行とちがい、共産党政府が出資し経営権を握る、投資銀行の一つでしかないということです。

AIIBによって、今後人民元が影響力を増していくのに、通貨発行権の有無は全く関係ありません。

>おれおれ詐欺の銀行版といいということを出資国が知り、地団太を踏む日がまちがいなく訪れるでしょう。

中国や韓国が絡むと、客観的に物事をみられなくなる「保守」の方が多いようですが、もっとニュートラルに見たほうがいいと思います。

No title

世界中から出資者を募っているが、AIIBは単なる中国内の投資銀行の一つに過ぎない。要は、国の中央銀行のような通貨発行権を持つ銀行とちがい、共産党政府が出資し経営権を握る、投資銀行の一つでしかないということです。

おれおれ詐欺の銀行版といいということを出資国が知り、地団太を踏む日がまちがいなく訪れるでしょう。

その前に、中国が倒産するでしょうけど。



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