事実は日の光のように慈雨のように降り注ぐ(3)

大衆心理操作の一手段としての「嫌韓」。
日本と韓国の間に「対称性の構図」を作り出そうとする、「嫌韓」の人々の行動パターンに疑問を抱く決定的な出来事が、2013年3月に「危機に瀕する日本第2巻: セックスと嘘と従軍慰安婦」を公開した約一ヶ月後に発生しました。

「日本海呼称問題署名事件」です。

当時、「反日」韓国人たちが、アメリカのホワイトハウスのホームページに設置されていたオンラインの請願システムを使って「日本海は東海と呼ばれるべきだ」という署名活動を展開しはじめました。

それに対抗して、今度は「嫌韓」日本人たちが、同じホワイトハウスの請願システムを使って、「日本海は日本海と呼ばれつづけるべきである」という署名活動を煽り、署名の数を競うという出来事が生じました。

WJFプロジェクトのブログにも、署名への参加を呼びかけるコメントが多く書き込まれました。

「嫌韓」日本人と「反日」韓国人が、鏡写しのような行動を取り始めたのを見て、WJFプロジェクトは、ただちに、そのような署名活動を支持しないことをブログで表明しました。

WJFプロジェクトは、日本海呼称問題に関するアメリカ大統領への請願を支持しません(2012年4月19日)

なぜ日本海呼称問題について「署名」をしてはならないのか(2012年4月21日)

署名運動に賛成しなかった直接の理由は、要約すれば次の二点です。

1. なぜ独立国の国民である日本人が、アメリカ人のために作られている請願システムを利用して、自分たちの国家元首ではないアメリカ大統領に請願するなどという、まるで韓国人とアメリカへの属国ぶりを競い合うような恥ずかしいことをしなければならないのか。独立国の国民としての矜持はないのか。

2. 韓国人の主張は、「『日本海』という呼称は、日本人が、彼らのナショナリズムに基づいてつけた名前であり、『日本海』という日本帝国主義の残滓にすぎない呼称を世界が用い続けることは、日本の侵略行為を容認することに等しい。日本海は東海という名前で呼ばれるべきである」というもの。

それに対して、日本政府は、「『日本海』という名前は、西洋人がつけたもので、日本人がつけたものではない。したがって日本人のナショナリズムと『日本海』という呼称は何の関係ないものである」と反論してきた。

それなのに、「嫌韓」日本人たちが熱心な署名活動を展開することによって、本来は日本人のナショナリズムとは無関係なはずの「日本海」という呼称が、日本人のナショナリズムと強烈に結びつくことになってしまい、わざわざ、日本側の反論を自ら否定し、韓国の主張をなぞることになってしまう。

日本海呼称問題に限らず、日韓の間に「対称性の構図」を作り出すと、必ず日本が損をするようにできています。

そのカラクリに関しては、「浅田真央選手を守れ」という記事のシリーズでも詳細に取り上げていますので、そちらもお読みいただければと思います。

当時は、「嫌韓」の人々は、話せばわかる人達だと思っていたので、私は諭すように下のように書きました。

なぜ今回の署名合戦が大変危険であると直感的に感じたかと言えば、もちろん、アメリカ人のための請願システムを濫用するということに対する抵抗感もありますが、それ以上に、日本が韓国との非対称性を保たなければならないときに、わたしたちの側から韓国のしていることをまねて韓国との見事なまでの対称性にはまりこんでしまっている点にあります。韓国が対称性を作りたくて作りたくてむずむずしているときに、日本人がわざわざ彼らと同じように署名をあつめて、彼らに対称性をお膳立てしてあげる。これでは彼らの思うつぼです。この署名合戦によって、韓国との対称性を作ってしまうと、この対称性は、日本海と東海の併記という対称性など、他のさまざまな対称性を誘引するきっかけになってしまいます。

(今回の署名活動のよびかけがまさか韓国の陰謀じゃないだろうなと当初疑ったのは、これがあまりに見事な対称性に日本を追い込むようにうまくできすぎている点です。いまでもちらりと疑ってるんですが・・・)

(出典: WJFプロジェクト「非対称的に攻めろ」2012年4月23日)

しかし、どんなに諭しても、「嫌韓」の人々は耳を貸さず、バカバカしい署名活動を煽り続けました。その後もホワイトハウスの請願システムを利用した第二弾、第三弾の署名活動が、立ち上げられていきました。

自民党の片山さつきや、三原じゅん子といった国会議員までもが、この馬鹿げた署名活動を煽ったので、私はツイッターで、片山さつきに対して、

「片山さつきは、恥を知れ」

と抗議をし、片山さつきから「失礼な人ね」という返事をもらう出来事も生じました。

失礼なのは、有権者を愚弄していた片山さつきの方であり、私が彼女を批判したのは、日本の国益に反するような無益な署名活動を煽ってでも、彼女が日韓の対立を政治利用していたからです。

署名行動は、選挙での投票行動に似ています。

2012年の春に、片山さつきに煽られてホワイトハウスに署名した「嫌韓」の人々の多くは、2012年の冬の衆院選で、自民党に投票したことでしょう。そして熱烈な安倍信者になっていったことでしょう。

人々を、自民党に投票させるための予行演習として、ホワイトハウスへの署名活動が利用されていた。

日本海呼称問題を利用して、「反日」と「嫌韓」の間に「対称性の構図」を作り出し、群衆を一方向に追い込んでいくということがなされていた。

「嫌韓」を煽って、自民党に支持を誘導するという大衆扇動があからさまに行われていた。

そのような姑息なカラクリがすけて見えたことも、WJFプロジェクトが、その署名活動を公然と批判しないわけにはいかなかった理由の一つでした。

(つづく)
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