事実は日の光のように慈雨のように降り注ぐ(2)

俯瞰したがらない人々。
日韓の間に「対称性の構図」を執拗に描こうとする、「嫌韓」の人々の奇妙な行動パターンに気付いたのは、WJFプロジェクトを立ち上げてからさほど立っていない時期のことです。

WJFプロジェクトを立ち上げたのが、2011年の8月。

すぐに日韓のメディアにさかんに取り上げられて、「嫌韓の牙城」のようにみなされていたWJFプロジェクトでしたが、立ち上げから半年ぐらいを経て、「セックスと嘘と従軍慰安婦」という動画を制作していた時のこと。(最近、韓国のテレビ局の通報を受けて、YouTubeから削除されてしまった動画です。)

その時、わたしが一番悩んでいたのは、動画の締めくくりの部分。

いかに、

「あったか、なかったか」
「売春婦か、性奴隷か」


といった、単純な二項対立の図式に陥らずに、慰安婦問題を俯瞰的に総括するかという部分で、私はその時、かなり頭を悩ませていました。

領土問題ならば、日本の領土なのか、他国の領土なのか、二つに一つであり、中間はありません。

しかし、様々な状況下に置かれていた何万人もの人々が関わった慰安婦問題は、簡単に白黒がつく話ではありません。

「自分の意に反して強制された女性など一人も存在しなかった」

という主張は明らかに事実ではありませんし、かといって、

「すべての女性が、日本政府の命令によって強制された」

という主張も事実と異なります。

すると、慰安婦問題を、本当に誠意をもって世界に説明しようとすれば、

「あったか、なかったか」
「売春婦か、性奴隷か」


という二項対立を媒介する論理を見つけ出さなくてはなりません。

ところが周りを見回しても、誰もそのような俯瞰的なやり方で慰安婦問題を説明した人がいません。

「慰安婦は売春婦だ」

という極端な全称命題と、

「慰安婦は性奴隷だ」

という極端な全称命題の、どちらか好きな方を選んで、人々が二手に分かれてケンカをしている。

誰も、その真ん中に立って、問題を俯瞰しようとしていないことに気づきました。

くわえて、海外では、「性奴隷」という言葉を「売春婦」も含めて使用していますから、「売春婦か、性奴隷か」という、国内で展開されている議論は、海外の人にとっては全く意味のわからないものです。

参考にできる意見が何もないので、仕方がないので、自分で、二つの主張を媒介するための論理を考え出すしかないと思いました。

道なきところに、道を開くしかなかった。

最終的に、下のような形で、「一般的状況」と「個別的事例」に分けて慰安婦問題を整理することを思いつき、「慰安婦問題をわかりやすく俯瞰的に説明するやり方が見つかった」と喜んでいたのですが、「嫌韓」の人たちから批判を受けたのは、わたしが一番自信と達成感を感じていた、この部分でした。



彼らは、

「強制された慰安婦などいない。韓国人の元慰安婦たちは全員嘘つきである」

と、はっきりと表明しないことに不満を感じていたのです。

「韓国人の嘘を認めるのか」

とか、

「日本を弁護するふりをして、韓国人の味方をする偽装保守」

とすら言われました。

(つづく)
*
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匿名さん

国を問わず、借金の支払いや、詐欺や、その他の理由で、女性が売春業を強要される事例は、当時も現在も存在します。

下の動画をご覧になれば、そのような問題が現代のアメリカにも存在することがお分かりになります。

https://www.youtube.com/watch?v=kvGGUsdDjB0

そのような問題が「日本軍の慰安婦制度においてのみ存在した」と主張することも誤りですが、

そのような問題が「日本軍の慰安婦制度においてのみ存在しなかった」と主張することもまた、誤りです。

日本人の全員が、あなたのように、「日本軍の慰安婦制度には、一人たりとも自分の意思に反して慰安婦とされた女性は存在しなかった」などと、世界から一笑に付されるような、荒唐無稽な主張を立てていれば、おそらく韓国は目くじらを立てたりしません。世界の誰もそんな馬鹿馬鹿しい主張に耳を傾けたりはしないからです。

韓国がWJFプロジェクトの慰安婦動画をいやがっているとしたら、それは、世界の人たちが一笑に付すことができないような、俯瞰的でニュートラルな視点で、慰安婦問題を説明しているからです。

No title

「皆さんが話し合われていることは杞憂です。安心してください。この世界に、人類史上いまだかつて、雇用契約なるものは存在しませんでした。なぜなら、雇用契約と思われてきたものは、実は全て人身売買にすぎないからです。世界はみなさんが信じている以上に平和なのです。」

匿名さん

「人身売買」という言葉の意味をご存知なければ、ご自分で、辞書を引いたり、wikipediaを調べてみてください。次のように書いてあります。

人身売買(じんしんばいばい)とは、人間を金銭などを対価として売買する行為の事である。自ら身を売り出したり(借金の返済、親族に必要な金銭の用立てなど)[要出典]、親が子を、また奴隷状態にある人を売買する事もあるが、誘拐などの強制手段や甘言によって誘い出して移送する事も多い。人の密輸、ヒューマン・トラフィッキング(Human Trafficking)或いはトラフィッキング(Trafficking[1])ともいわれ、日本政府はこれを人身取引と表現している。(wikipediaより)

それとも、もし、本当に人身売買と通常の雇用形態の間になんの違いもないと思ってらっしゃるなら、ぜひ、国連人権委員会にでも出向き、「皆さんが話し合われていることは杞憂です。安心してください。この世界に、人類史上いまだかつて、人身売買なるものは存在しませんでした。なぜなら、人身売買と思われてきたものは、実は通常の雇用形態にすぎないからです。世界はみなさんが信じている以上に平和なのです。」と演説なさったらいかがでしょうか。世界から人身売買という概念を根絶した人物として、イグノーベル平和賞を受賞できるかもしれません。

No title

料理人(の雇用契約)は食を目的とした人身売買
芸人(の雇用契約)はお笑いを目的とした人身売買
スチュワーデス(の雇用契約)はサービスを目的とした人身売買
看護婦(の雇用契約)は看護を目的とした人身売買

あらゆる雇用契約とそれに基づく身体の拘束は人身売買。

No title

何となくですが、慰安婦問題に関心を持つ人々の間に、WJFさんが動画で述べられてるような見方が浸透して来てる気がします。

最近アメリカ政府が「慰安婦は性を目的とした人身売買。」と言ったとか。この発言の根底にもWJFさんの動画の影響が少なからずあるように思うのですが。

何だか、慰安婦問題の捉え方に変化が起きつつある気がします。
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