平然と偽りを述べる才能
チャンネル桜の討論を見て感じた疑問。
田母神事務所横領疑惑に関するチャンネル桜の討論を、みなさんはご覧になりましたか。
動画を飛ばしながら視聴して、私が一点興味を惹かれたのは、三橋貴明が、2010年の参院選出馬に関する個人的経験を吐露した部分でした。
私が奇妙に感じたのは、「政治家のバックアップもなく」選挙を戦い、「(さかき漣以外には)、選挙後に誰一人残らなかった」「誰も助けてくれなかった」と述べている三橋貴明が、参院選のわずか約半年後(7ヶ月半後)に中小企業経営者のために開いたセミナー「経済動向塾」の講師に、安倍晋三や麻生太郎などの総理経験者を始めとする錚々たる政治家や言論人の名前が挙げられていることです。

(出典: 三橋貴明の経済動向塾)
2ch出身の一介の中小企業診断士の開くセミナーに、安倍や麻生といった総理経験者が登壇するということ自体が尋常ならざることなのですが、自民党の有力政治家たちと、かくも親密な関係をもち、なおかつ無所属ではなく自民党公認の比例候補として出馬しておきながら、「何のバックアップもなく、政治家のバックもなく」選挙を戦ったとか、約半年後(7ヶ月半後)に、総理経験者ら著名人が彼のセミナーに登壇するという手厚い協力を被っていながら、「選挙後に(さかき漣以外には)誰一人残らなかった」とか「誰も助けてくれなかった」とか「想像を絶する地獄だった」と真顔で言いのける三橋貴明。
総理経験者が支えてくれるような身分や立場を指して「誰も助けてくれない想像を絶する地獄」と言い得るならば、そのような厚遇に与れないほとんどの国民の生活はもっと「地獄」です。
上のような事実を知らなければ、この人物が真剣な表情で語る言葉を人々はそのまま信じてしまうことでしょう。
平凡な普通の人間であれば、人々の前で嘘をつけば、顔が引きつったり、声が上ずったり、どうしても表情に現れてしまうものですが、世の中には、事実と異なることを平然とした顔で述べることができるという特異な能力をもつ人間も存在するのです。
それにしても、一中小企業診断士でありながら、安倍や麻生という総理経験者と懇意の関係をもつ三橋貴明という人物は一体なんなのだろう。
この関係はどこから生じたものなのだろう。
安倍や麻生と、長年親しく付き合いながら、本当に安倍や麻生が新自由主義の政治家であるということが三橋貴明にはわからなかったのだろうか。経済評論家を標榜しながら、本当にその程度の事実認識すらできずに、「麻生太郎は平成の高橋是清だ」とか「安倍さんや自民党に新自由主義者のレッテルを張るのは反日左翼」と言い切っていたのだろうか、と改めて不思議に思います。
動画を飛ばしながら視聴して、私が一点興味を惹かれたのは、三橋貴明が、2010年の参院選出馬に関する個人的経験を吐露した部分でした。
私、2010年に参議院選挙出ました。自民党から全国比例で、本当に何のバックアップもなく、政治家のバックもなく出たんですけれどやっぱり(「選挙ゴロ」が)来ました。本当に悲惨な目に遭いました。結局落ちたわけなんですけれど。 落ちたらですね、本当に悲惨なんですよ、選挙ってのは。私はですね、正直言うと、全財産がなくなって、借金が残りました。借金だけが残ったと言ってもいいんですよね。私はもう政治家の芽がないなというように判断されたんでしょう。周りにいっぱい人がいたんですけれど、ぶぁーっと蜘蛛の子を散らすように逃げていきました。見事なまでに。お金がなかったんで。借金しか残っていないやつといてもしょうがないと。さかき漣だけが残ってくれまして、一緒にがんばってくれて、ほんとに他は誰も助けてくれなかったんです、あのとき。借金はその後ふたりで数年間働いて返したんですけれど、あのような選挙にまけた後の地獄は想像を絶しますから、みなさん想像がつかないと思うんですよね。
(一時間目: 17分41秒〜)
私が奇妙に感じたのは、「政治家のバックアップもなく」選挙を戦い、「(さかき漣以外には)、選挙後に誰一人残らなかった」「誰も助けてくれなかった」と述べている三橋貴明が、参院選のわずか約半年後(7ヶ月半後)に中小企業経営者のために開いたセミナー「経済動向塾」の講師に、安倍晋三や麻生太郎などの総理経験者を始めとする錚々たる政治家や言論人の名前が挙げられていることです。

(出典: 三橋貴明の経済動向塾)
2ch出身の一介の中小企業診断士の開くセミナーに、安倍や麻生といった総理経験者が登壇するということ自体が尋常ならざることなのですが、自民党の有力政治家たちと、かくも親密な関係をもち、なおかつ無所属ではなく自民党公認の比例候補として出馬しておきながら、「何のバックアップもなく、政治家のバックもなく」選挙を戦ったとか、約半年後(7ヶ月半後)に、総理経験者ら著名人が彼のセミナーに登壇するという手厚い協力を被っていながら、「選挙後に(さかき漣以外には)誰一人残らなかった」とか「誰も助けてくれなかった」とか「想像を絶する地獄だった」と真顔で言いのける三橋貴明。
総理経験者が支えてくれるような身分や立場を指して「誰も助けてくれない想像を絶する地獄」と言い得るならば、そのような厚遇に与れないほとんどの国民の生活はもっと「地獄」です。
上のような事実を知らなければ、この人物が真剣な表情で語る言葉を人々はそのまま信じてしまうことでしょう。
平凡な普通の人間であれば、人々の前で嘘をつけば、顔が引きつったり、声が上ずったり、どうしても表情に現れてしまうものですが、世の中には、事実と異なることを平然とした顔で述べることができるという特異な能力をもつ人間も存在するのです。
それにしても、一中小企業診断士でありながら、安倍や麻生という総理経験者と懇意の関係をもつ三橋貴明という人物は一体なんなのだろう。
この関係はどこから生じたものなのだろう。
安倍や麻生と、長年親しく付き合いながら、本当に安倍や麻生が新自由主義の政治家であるということが三橋貴明にはわからなかったのだろうか。経済評論家を標榜しながら、本当にその程度の事実認識すらできずに、「麻生太郎は平成の高橋是清だ」とか「安倍さんや自民党に新自由主義者のレッテルを張るのは反日左翼」と言い切っていたのだろうか、と改めて不思議に思います。
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