グローバリズムと神道(28)

第二の天孫降臨。
ヤマト王権は、高天原から皇孫ニニギが降臨したとされる土地、九州に存在した勢力が、出雲王朝という先行王朝を併呑して、大和(奈良)に樹立した王権であると考えられています。

そして、ヤマト王権が、記紀編纂による神話の整備と並行して導入した律令体制とは、日本に合わせてローカライズされてはいたものの、つまるところ、日本の唐化(中国化)であり、当時のグローバル化でした。

高天原と呼ばれる「天神」たちの祖地が、天上ではなく、地上のどこかに比定されるとすると、それはひょっとすると、弥生人たちの祖地と言われる中国南部など、彼らが日本列島に渡ってくる以前の中国大陸のどこかであったかもしれず、「天神」たちが築いたヤマト王権とは、神代の昔に、中国大陸から渡ってきた勢力が、長い時間をかけて、日本を中国化(グローバル化)させていった体制であったと考えることもできます。

しかし、日本の歴史はそこでは終わりませんでした。「天神」の勢力に国を譲って、「根の国・底の国」へと下り、「非政治」の権威として祀られたオオクニヌシを筆頭とする「地祇」たちの勢力は、律令体制の下で、「天神」たちの「政治」の権威を恭しく受け入れながらも、いったんは唐化された日本の政治体制や文化を、やはり長い時間をかけて、日本らしいものに変質させていきました。そして、平安時代の終わりとともに、「天神」たちの末裔が政治の実権を握る時代は終わり、「地祇」たちの勢力(武士や地方勢力)が政治を司る、封建制の時代がやってきたのでした。

このように、日本神話を、実際の日本の歴史に重ね合わせて見るとき、戦後とはどのような時代と解釈できるのでしょうか。

ひょっとすると、1945年8月30日に、厚木海軍飛行場に降り立ったマッカーサーは、第二のニニギであったかもしれず、



戦後、「政治」の権威を奪われ、象徴天皇として「非政治」の権威とされた昭和天皇は、国譲りを迫られた第二のオオクニヌシであったかもしれず、



マッカーサーらの祖国アメリカは、第二の高天原ということができるのかもしれず、



ヤマト王権という、第一の「天神」体制が、日本の唐化を推し進めたように、

戦後体制という、第二の「天神」体制は、日本のアメリカ化を推し進めてきた。

その中で、私たち、第一の「天神」と「地祇」たちの末裔は、どうふるまっていけばいいのか。

8世紀初めの律令体制の確立(日本の唐化)という桁外れの構造改革から、12世紀末の封建制への移行の時期まで、「地祇」たちが、500年もかけてじわじわと律令体制を蚕食し切り崩していったように、仮に一端、TPP参加などによって、日本のアメリカ化(日本のグローバル化)が完成したとしても、そこで話は終わらず、そこから何百年も書けたレジスタンスが始まるかもしれないのです。


(写真: 2011年宝島社の新聞全面広告)

アメリカが、第二の「天神」として、日本を支配する立場に立ったとすると、第一の「天神」である天皇も、「地祇」たる国民も、すべて、「非政治」の側に回ったと言うことですから、戦後は、「天神」も「地祇」も併せて、政治的な力を奪われた「地祇」となったのだということもできます。

「政治」が「政治」を糾し得る時代は過ぎ去りました。

一つの「政治」が、他の「政治」に置き換わる、「政権交代」と呼ばれる小手先の療法によっては、現代の日本の政治の病根は根治できません。

「あれがだめだからこれ、これがだめだからあれ」という既成のカタログからの取捨選択によっては、もはや日本はどうにも救われません。

必要なのは、どの陣営であれ「政治」そのものが、「非政治」の広さと深みと「根底」から、圧倒的な力で、批判され、否定され、粛正され、解体され、新しく塗り替えられていくことです。

(出典: WJFプロジェクト「『非政治』に『政治』を圧倒せしめよ」2014年10月10日)

国家を消滅させようと「陰謀」を企むパワフルな人々がいるならば、私たちも国家をあらしめようとする「陰謀」を企めばよい。そのレジスタンスが千年も二千年も継続されることになろうとも、私たちは強い「希望」と「意志」をもって戦い続ければよい。その「希望」と「意志」を、ひとつの物語として、生まれくる新しい日本人たちに語り継いでいけばよい。

(出典: WJFプロジェクト「事実と幻想」2013年8月28日)

「天神」も「地祇」も、戦後は、政治的な力を奪われた「地祇」となっていたとすると、「左翼」と「右翼」の両陣営に分かれて不毛な戦いを戦ってきた戦後の日本人は、一体何をしていたのか、という問いが改めて浮上します。

(つづく)
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AAAさん

>神話に書かれていることが現実の歴史と照応しているかのごとく考えるのは適切ではないと思いますよ。


戦前は神話と歴史が同一視されており、津田左右吉のような日本神話を批判的に読み解こうとする歴史家は弾圧を受けました。

戦前の反動から、戦後は、「左翼」の歴史家たちが、神話と歴史を完全に切り離し、神話を現実の歴史とは無関係な作り話と考えました。

しかし、最近は再び、日本神話と、実際の歴史の間に、何か有機的なつながりがあるという見方が復権しています。

戦前のように神話と現実の歴史を完全に同一視するのも誤りですが、神話と現実の歴史が完全に無関係であると考えるのもまた誤りであると思います。

現に、かつては、神話上の空想上の存在だろうと考えられていた出雲王朝は、いくつかの遺跡の発見によって、その実在が確実視されています。

>皇室の出自を大陸由来のものとするのも不愉快です。
>少なくとも、皇室に敬意を持つべき保守派の態度ではないかと。


日本人は、日本列島に先住していた縄文人と、あとから大陸から渡ってきた弥生人を祖先に持ちます。日本人が、大陸から渡ってきた弥生人を祖先に持つことは、日本人の血が汚れているということを意味するのでしょうか?

皇孫は、文字通り、空(高天原)から降りてきたと信じないと、皇室に敬意を欠くことになるのでしょうか。

神話を穢さないでください

神話に書かれていることが現実の歴史と照応しているかのごとく考えるのは適切ではないと思いますよ。
皇室の出自を大陸由来のものとするのも不愉快です。
少なくとも、皇室に敬意を持つべき保守派の態度ではないかと。

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WJF様

【三橋貴明】田母神俊雄事務所に求める6つの説明[桜H27/2/27]
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私は漫画の世界に迷い込んでしまったのでしょうか。
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WJF様、教えて下さい。

三橋貴明とは、一体、何なのですか?
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