三橋貴明の遅すぎる気づき2

中学生でもわかる程度のことに今ごろ気づいた三橋貴明と、それを絶賛する三橋信者。
この記事は「三橋貴明の遅すぎる気づき」(2014年7月6日)の続編です。

三橋信者の一人であり、ニコニコ動画の生放送で活躍されているカツトシ氏が、チャンネル桜の討論での三橋貴明のある発言を、次のように絶賛しています。

先週のチャンネル桜の討論で三橋貴明さんが凄く良いことを言っていたので紹介したいと思います



三橋さんの発言を簡単にまとめると、要は「安倍さんが何か、アメリカやグローバルな金融資本や国内の改革派の連中に媚びたりおもねるような発言をした時に、今までは、色々な力関係を考慮したうえで、仕方なく発言しているのだろうと思ったが、もうそういうのは止めた。これからは、政治家が何かを発言したらそのまま受け取ることにする。」とのことです。

特に、何故そうするのか?という点が非常に重要で、何故なら「まず、第一に政治家が『本当に』何を考えているのかなど確認のしようがない。次に、安倍さんは本当はTPPや構造改革の危険性や株価最優先の経済政策の危険性に気づいていながら、あえて様々な事情を考慮して本音とは違った話をしているという希望的観測のもとに評論を続けたら、もしそうではなかった場合大変なことになる。一方で、もし本当に色々なことをしっかりと考慮に入れて発言をしていたとしても、「ああ、良かった安倍さんはちゃんと理解してたんだ」で済む」と。

これは全く正論だと思いますね。希望的観測のもとに、楽観的な未来予想をして危機対応が遅れれば、それは大惨事に繋がりかねないけれども、一方で、悲観的な予測をして、様々な危機を想定しておいた場合、予想が当たっても、最悪な事態を回避できるかもしれないし、予想が外れて思ったより良い方向へ向かった場合は、「ああ、良かったですね」で済ますことが出来る。

まあ、これは明らかに水島社長の「面従腹背論」や「大石内蔵助論」「日本人の底力論」に対する当てつけという嫌味だったんですけど、水島社長は気づいてくれたんですかね?(ちなみに、これらは全て、「俺は本気だしたらスゲーから!!」とか言ってるダメ男と全く同じレベルに聞こえるんですがどうですかね?ちなみに、私の知り合いで事あるごとに「俺は、本気になったら凄いから!!」とか「いつか皆俺の凄さがわかる時が来る!!」とか言ってた奴は、大学卒業後何年もフラフラした挙句現在また親の金で大学行ってます・・・果たしていつになったら彼の凄さを見せつけてくれるのか?今か今かと、かれこれ5年ほど待ち続けております)

(出典: 超個人的美学「希望的観測にすがりつくのをもう止める!!」2014年9月9日)

三橋貴明は、「希望的観測のもとに評論を続けたら、もしそうではなかった場合大変なことになる」ことにようやく気づき、その三橋貴明の気づきをカツトシ氏が「正論だ」と大絶賛しているわけですが、三橋貴明が最近やっと気づいた同じ趣旨のことを、WJFプロジェクトは、今から一年半前の2013年2月24日の記事で指摘し、TPPに関するマスコミ報道を「ミスリードだ」と言い張り、「希望的観測のもとに評論を続ける」三橋貴明を次のように批判していました。

ずっとTPPに反対してこられた三橋貴明氏。

同時に、安倍晋三を熱心に支持してきた三橋貴明氏が、下のような記事をブログに挙げています。

<<全ての新聞がミスリードすることで国民に誤解を与え主権に基づき選ばれた政府の手足を縛る。これが民主主義の危機でなくて何なのでしょう?

(出典: 三橋貴明ブログ「歪められる安倍総理のTPP発言」2013年2月24日)>>

記事の中で、三橋氏は、TPP交渉参加を伝えたマスコミ各社の記事は、安倍晋三氏による、日米首脳会談後の内外記者会見の言葉を反映していないという指摘を行っています。

政府間でTPP交渉参加にむけた様々な協議や作業が進行している中で、マスコミは、何も安倍氏の記者会見の言葉だけで記事を書く訳ではありません。実際に、菅義偉官房長官も次のように本日のNHKの番組の中で述べています。

<<TPP交渉参加、党内調整に自信 官房長官「問題ない」

安倍政権は週内にも環太平洋経済連携協定(TPP)交渉への参加を正式に表明する。菅義偉官房長官は24日のNHK番組で、日米首脳会談を踏まえたTPP交渉への参加について「そんなに長引かせる必要はない」と指摘。反対論がある自民党内の調整に関しても「全く問題ない。党内に理解いただけると思う」との見通しを示した。

首相は25日の自民党役員会や公明党との会談で首脳会談の結果を報告し、交渉参加への一任を取り付ける考えだ。農業への影響を懸念する自民党内には慎重論や反対論があるが、菅長官は「聖域なき関税撤廃が前提の交渉には参加しないことが基本だった。その前提がなくなった」と指摘。党内調整に自信を示した。

TPPは年内の妥結を目指して各国が交渉を進めている。交渉参加は政府の権限でもあり、法案や条約のような厳密な党内手続き、党議決定の必要はない。法案の国会提出や条約の国会承認を反対派が阻止するための党総務会などの舞台も、交渉参加の表明にあたっては考えにくい。こうした事情も踏まえ、菅長官は党内調整と一任取り付けに自信を示したとみられる。

(出典:日本経済新聞 2013年2月24日)>>

三橋氏は、「自民党VS民主党」「安倍政権VSマスコミ」「TPP推進派VSTPP反対派」などの善悪二元論を展開することが大好きな方ですが、今の差し迫った状況下で、世論を「安倍さんをマスコミから守ろう」とする不毛な方向に誘導するべきではありません。

彼が本当にTPP交渉参加を阻止したいと腹の底から願っているならば、マスコミの記事は「飛ばし」だというような安易な楽観論を国民の間に蔓延させるようなことは、決してあってはならないはずです。

仮に記事が飛ばしであっても、「TPP交渉参加決定」の報道が現実になされたときに、国民が口をつぐめば、それは、日本政府やアメリカ政府に対し、日本国民はTPP交渉参加を容認したという誤ったメッセージを伝えることになります。国民の強い反対の声がなければ、日本政府がTPP交渉参加に踏み切りやすい環境を用意してしまうことになります。

今、TPP交渉参加を阻止するために最も必要なのは、国民の反対の声です。TPP交渉に日本を参加させようとする内外からの極めて強い圧力が加わる中、この圧力を押し返すことのできるのは、ある意味、アメリカや政府を震え上がらせるほどの、国民の怒りの声しかありません。

そして、危惧しなければならないのは、「安倍政権はTPPに参加しない」「記事は飛ばしだ」という思い込みが蔓延したまま、反対の声が国民の間に十分に広がらないことです。

(中略)

2月26日追記: TPPに関する新しい記事に対して

三橋貴明ブログ「泥の沼をかき分けて進む」2013年2月26日

彼は相変わらず、「自民党(善)VS民主党(悪)」という単純な善悪二元論を展開し、安倍政権は泥の中を「前に進んでいる」と言っていますが、問題はどの方向に向かって前に進んでいるかです。TPPや道州制による、日本の国家解体や、グローバル秩序への日本の組み込み、といったような新自由主義的な野望の実現に向かって前に進むぐらいであれば、後ずさりした方がはるかにましです。

彼は安倍政権は「現在の日本にとって最も理想の政権」と呼んでいますが、安倍政権が道州制を公約に掲げているという問題を一度でも言及し批判したことはあるのでしょうか。「現在の日本にとって最も理想の政権」がどうして、このようなものを公約にいれるのでしょうか。公約に道州制が入れられている一点のみからしても、安倍政権の新自由主義的な本質は明らかなのですが、どうして彼は気づかないフリをしつづけてるのでしょうか。

(みなさんに気づいていただきたいのは、かなり組織的に、安倍政権の極めて過激な新自由主義的側面を、意図的に隠蔽しようという情報工作のようなものが行われています。なぜか、あらゆる「保守」論客があえてこの点を無視し、語ろうとしません。三橋氏がどう意図的にこれに関係しているかは不明ですが、「不自然だ」ということは感じ取っていただきたいと思います。)

(出典: WJFプロジェクト旧ブログ「三橋貴明氏は何がしたいのか」2013年2月24日)

三橋貴明という人物のおかしさは、「希望的観測のもとに評論を続けたら、もしそうではなかった場合大変なことになる」という、中学生でも分かる程度の当たり前のことを、すでに「大変なことになってしまった」後になって、しかも、そのような事態を招いた自分の過去の言論に関するなんの謝罪も行わないまま、まるで深遠な真理にでも気づいた賢者のような態度で、世の中に対して語ることのできるずうずうしさです。

三橋貴明が、上のような「気づき」に、自分が「TPPに関する報道はマスコミのミスリード」と言い続けたあげくに、安倍晋三が実際にTPP交渉参加を行った段階で、あるいは、遅くとも昨年の参院選前に至っていたならば、私も彼をここまで非難しなかったでしょう。

ところが、三橋貴明は、参院選後に安倍政権が何を実行に移すのか、2013年6月の時点で安倍政権が具体的にかつ明確に宣言していたのにも関わらず、「泥の中をかき分けるように進め」と言って安倍政権に支持を煽ったあげく、それから一年も経って、ようやく上のような当たり前のことに気づいたフリをする。

私が理解できないのは、すでに何もかも手遅れになり、「大変なことになってしまった」後になって、このような「気づき」を平然と語る三橋貴明の、「大変なことになってしまった」事態を招いた責任を不問に付したまま、「三橋さんは正論を語っている」「三橋さんはさすがだ」といって三橋貴明を絶賛する、カツトシ氏を始めとする三橋信者の馬鹿さ加減です。

カツトシ氏ら三橋信者たちの主張のパターンは、

「水島総という言論人は愚かだ。それにひきかえ、三橋貴明さんはすばらしい。」
「倉山満という言論人は愚かだ。それにひきかえ、三橋貴明さんはすばらしい。」

というように、極端にだめな例と対比することで、あたかも三橋貴明が正しいかのようにみせかける善悪二元論を反復することなのですが、「インチキな仕立て屋」たちが、表面上、どんなに対立し分裂しているようにふるまっても、(水島と三橋が本当に対立しているなら、そもそもチャンネル桜の討論に三橋が招かれるはずがありません)、それら言論人の特定の一人を絶賛することで、安倍政権を支持するよう世の中を煽動した勢力の影響力は、温存されることになります。
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No title

>中学生でも分かる程度の当たり前のことを、すでに「大変なことになってしまった」後になって、しかも、そのような事態を招いた自分の過去の言論に関するなんの謝罪も行わないまま、まるで深遠な真理にでも気づいた賢者のような態度で、世の中に対して語る

空虚な追従は無意味でしょうが、的確かつ辛辣な批判に溜飲が下がります。
いつも愛読させていただいております。
これからも末長く続けていただけたら幸甚です

政治に希望的観測は御法度です

政治に「希望的観測」は御法度ですね。

希望的観測に頼っている時点で、悪い予想がついているからです。
そうじゃなければ「希望的観測」で政治を語る必要なんてありません。

スレチ失礼しますm(__)m

【拡散希望】
従軍慰安婦の存在を証言する讀賣新聞
http://6305.teacup.com/mappen/bbs/11503

従軍慰安婦「誤報」記事で朝日新聞を叩く読売新聞。
しかし、太平洋戦争中、同社の従軍記者が、
騙されてビルマへ連行された朝鮮人慰安婦と出会った記録が残っています。

「読売新聞の従軍記者 小俣行男氏の記録」
 http://www.twitlonger.com/show/n_1s510jl

慰安婦問題を世界中に広げたのは安倍
http://whocontrolstheworld.seesaa.net/article/294948944.html

慰安婦謝罪と統一教会
http://wondrousjapanforever.cocolog-nifty.com/blog/2013/07/post-02e1.html

mk30さん

>事実、皇室典範問題で決定的対立していた小林よしのり氏と 討論したこともあります。

小林よしのり氏は、その後、チャンネル桜の番組を降りて、討論番組にも出演はされていないはずです。

チャンネル桜の討論で、違う意見を述べている論者が、必ずしも対立しあっているわけではない証拠に、しばらく前に、チャンネル桜の討論番組に出演し、安倍政権を痛烈に批判していた佐藤健志という文筆家のブログがあります。

佐藤健志の安倍政権に対する批判に、水島総が、目を白黒させていた姿が印象的でしたが、実は佐藤健志氏に、討論の中で安倍政権の批判を行うことを依頼したのは、チャンネル桜側だったのだそうです。

http://kenjisato1966.com/残念司会を擁護する!-part3/

そして、佐藤健志氏は、水島総は、「少女のような純情可憐さ」で、安倍晋三を愛しているのだと水島総を擁護しています。

http://kenjisato1966.com/残念司会を擁護する!-part4/

佐藤健志氏も、「構造改革を批判しながら、構造改革実行政権に支持を煽った大衆心理操作の存在は認めない」という、昨今の「保守」の人々の中に見られるようになった言論の一つの型を踏襲しています。

参考記事: 「大衆心理操作」の問題から目をそらすために「構造改革」を批判する人々
http://wondrousjapanforever.blog.fc2.com/blog-entry-474.html


WJF様。

別に水島氏を擁護するわけではありませんが、

≫水島と三橋が本当に対立しているなら、そもそもチャンネル桜の討論に
三橋が招かれるはずがありません

上記文はWJFさまの思い込みではないでしょうか?
対立しているからこそ討論する、という見方もあります。
事実、皇室典範問題で決定的対立していた小林よしのり氏と
討論したこともあります。
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