外国人労働者は移民か?

「1000万人移民計画」が掲げる「移民」の6つのカテゴリー。
安倍政権が推進する「外国人材」や留学生の積極的な受け入れ政策。

いまだに、

「安倍政権は『外国人労働者』を受け入れようとしているが、『移民』を受け入れようとしているわけではない」

と主張する人々がいます。

いまさらですが、改めて、「『外国人労働者』は『移民』ではない」とする安倍支持者の主張は正しいのか、基本的な事実を確認してみたいと思います。

2008年6月、自由民主党・外国人材交流推進議員連盟が、「1000万人移民計画」を掲げて当時の福田政権に提出した提言書、

人材開国!日本型移民政策の提言」。



この提言書の中に、「1000万人移民計画」を実現するために、日本が受け入れるべき「移民」の定義が、次の6つのカテゴリーに分類されて、具体的に列挙されています。

【日本が受け入れる移民のカテゴリー】

1 高度人材(大学卒業レベル)
2 熟練労働者(日本で職業訓練を受けた人材)
3 留学生
4 移民の家族(家族統合の権利保障)
5 人道的配慮を要する移民(難民、日本人妻等北朝鮮帰国者、その他日本が人道上受け入れを考慮すべき人々)
6 投資移民(富裕層)


(出典:自由民主党・外国人材交流推進議員連盟「人材開国!日本型移民政策の提言」2008年6月)
自民党の議連が作成したこの提言書の定義に従えば、高度人材外国人も、外国人研修生も、留学生も、高度人材外国人に帯同する両親も、すべて「移民」です。

以前、「『1000万人移民計画』は実行に移されている」という記事で、この「1000万人移民計画」は荒唐無稽な計画として廃棄されるどころか、国籍法改正、入管法改正、住民基本台帳法の改正、高度人材ポイント制の導入、外国人看護師・介護福祉士の受け入れ、大規模な留学生受け入れ、留学生の国内就職支援、TPP等の経済連携協定による移民受け入れなど、この提言書が掲げている移民受入政策の多くが、麻生政権、民主党政権、そして現在の安倍政権によって実行に移されていることを指摘しました。

改めて皆さんの注意を喚起したいのは、この「1000万人移民計画」が掲げる6つの「移民」のカテゴリーの中で、難民をのぞく5つのカテゴリーにおいて、安倍政権は、現在進行形で、受け入れ緩和政策を実行に移している事実です。

まず、安倍政権が今年2014年6月11日に成立させた「出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律案」は、

「1 高度人材外国人」
「3 留学生」
「4 移民の家族」
「6 投資移民」


という4つのカテゴリーの「移民」受け入れを緩和・促進するものでした。


(画像出典: 法務省)

さらに、安倍政権は、「外国人技能実習制度」について、来年度から東京五輪が開かれる2020年度までの時限措置として、

「2 熟練労働者(日本で職業訓練を受けた人材)」

が日本で働ける期間を現在の3年から5年に延長することを決定しました。(出典:毎日新聞「外国人技能実習制度:『優秀な実習生は最長5年に延長』」2014年6月10日)

また、2013年の6月には「留学生30万人計画」の実現を明記した「日本再興戦略(2013年版)」や「第2期教育振興基本計画」が閣議決定され、

「3 留学生」

を30万人に拡大すると共に、留学生の日本での就職あっせん支援を行うことが決定されました。
7 グローバル化等に対応する人材力の強化

世界に勝てる真のグローバル人材を育てるため、「教育再生実行会議」の提言を踏まえつつ、国際的な英語試験の活用、意欲と能力のある若者全員への留学機会の付与、及びグローバル化に対応した教育を牽引する学校群の形成を図ることにより、2020年までに日本人留学生を6万人(2010年)から12万人へ倍増させる。優秀な外国人留学生についても、2012年の14万人から2020年までに30万人に倍増させること(「留学生30万人計画」の実現)を目指す。

(出典:「日本再興戦略(2013年版)」2014年6月14日閣議決定)
竹中平蔵路線ばりばりのアベノミクス第三の矢の「成長戦略」の内容を策定した、この「日本再興戦略」は、先月6月24日、その改訂版「日本再興戦略改訂2014」が安倍政権によって閣議決定されましたが、この中でも、

1 高度人材(大学卒業レベル)
2 熟練労働者(日本で職業訓練を受けた人材)
3 留学生
4 移民の家族(家族統合の権利保障)
6 投資移民(富裕層)


という、「1000万人移民計画」の中で列挙されていた6つの「移民」のカテゴリーの中の5つにおいて、その積極的な受け入れ方針が、再確認されています。
iii)外国人材の活用

(高度外国人材の活用)

1 高度外国人材受入環境の整備

人材の獲得競争が激化する中、日本経済の更なる活性化を図り、競争力を高めていくためには、優秀な人材を我が国に呼び込み、定着させることが重要である。
このため、外国人の日本に対する理解の醸成や、留学生の受入れ拡大・国内企業への就職支援、JETプログラム終了者の国内での活躍促進、外国人研究者の受入れ拡大、企業のグローバル化の推進などの施策や、高度外国人材の受入れから就労環境及び生活環境の改善に係る課題の洗い出しや解決策について、年度中を目途に具体策の検討を進め、2015年度から省庁横断的な取組を実施する。施策の検討の過程で、直ちに全国的に整備することが困難な課題があれば、国家戦略特区等を活用して先行的に実施し、ニーズ・効果の検証を行うことを検討する。
とりわけ、高度外国人材の「卵」たる留学生の国内企業(特に中小企業)への就職拡大のため、関係省庁の連携の下、情報の共有等を進めマッチング機能を充実させるとともに、先進的な企業の情報発信等を行う機会を設ける。また、外国人研究者の受入れ拡大を図るため、優秀な若手研究者の海外との間の戦略的な派遣・招へいや、国内外に研究拠点を構築すること等により国際的なネットワークを強化する。
高度外国人材の定着促進のため、「高度人材ポイント制」について内外における効果的な周知を図るとともに、実際に利用する外国人材の視点に立った分かり易いものとなるよう手続等の見直しを行う。

(外国人技能実習制度の見直し)

また、外国人技能実習制度については、その適正化を図るとともに、海外における人材需要等の実態を踏まえた必要な見直しを以下のとおり進める。

2 外国人技能実習制度の抜本的な見直し
国際貢献を目的とするという趣旨を徹底するため、制度の適正化を図るとともに、対象職種の拡大、技能実習期間の延長、受入れ枠の拡大など外国人技能実習制度の抜本的な見直しを行い、所要の法案を提出する。
・外国人技能実習制度の管理監督体制の抜本的強化技能実習制度については、賃金未払いや長時間労働等の不正事案の
発生も踏まえ、関係省庁の連携による全体として一貫した国内の管理運用体制の確立、送出し国との政府間取り決めの作成、監理団体に対する外部役員設置又は外部監査の義務化、新たな法律に基づく制度管理運用機関の設置など、管理監督の在り方を年内を目途に抜本的に見直し、2015年度中の新制度への移行を目指す。あわせて、業界所管庁による指導監督の充実を図るとともに、関係機関から成る地域協議会(仮称)の設置により、問題事案の情報共有を円滑に行う体制を整備する。
・対象職種の拡大現在は技能実習制度の対象とされていないものの、国内外で人材需要が高まることが見込まれる分野・職種のうち、制度趣旨を踏まえ、移転すべき技能として適当なものについて、随時対象職種に追加していく。その際、介護分野については、既存の経済連携協定に基づく介護福祉士候補者の受入れ、及び、検討が進められている介護福祉士資格を取得した留学生に就労を認めることとの関係について整理し、また、日本語要件等の質の担保等のサービス業特有の観点を踏まえつつ、年内を目途に検討し、結論を得る。また、全国一律での対応を要する職種のほか、地域毎の産業特性を踏まえた職種の追加も検討する。
・実習期間の延長(3年→5年)技能実習制度では、実習生に対し、最大3年間の滞在を認めている が、監理団体及び受入れ企業が一定の明確な条件を充たし、優良であることが認められる場合、技能等のレベルの高い実習生に対し、一旦帰国の後、最大2年間の実習を認めることとし、2015年度中の施行に向けて、所要の制度的措置を講ずる。
・受入れ枠の拡大団体監理型の技能実習制度では、原則受入れ企業の常勤職員数50人 以下の場合は3人、100人以下の場合は6人等として、技能実習生の受入れを認めているが、監理団体、受入れ企業の監理の適正化に向けたインセンティブの一環として、監理団体及び受入れ企業が一定の明確な条件を充たし、優良であることが認められる場合、受入れ枠数の拡大を認める。このため、2015年度中の施行に向けて、所要の制度的措置を講ずる。

(持続的成長の観点から緊急に対応が必要な分野における新たな就労制度の検討)

加えて、女性の活躍推進や必要な人材を国内で確保していくための施策を進めるとともに、既に国内において労働力不足が顕在化している分野における状況も踏まえつつ、以下のとおり取組を進める。

3 製造業における海外子会社等従業員の国内受入れ
我が国製造業の海外展開が加速し、産業の空洞化が懸念される状況において、国内拠点をマザー工場として海外拠点と役割分担する生産活動の実現及びこれを前提とした研究開発や設備投資を可能にするための制度を整備することを検討する。
このため、当該企業及び子会社等が、同等の技能を有する日本人と同等の賃金を支払う場合に、新製品開発等特定の専門技術を修得する必要性に応じ、当該企業グループ内で短期間転勤の上、技術等の修得をすることにつき、事業所管大臣の関与の下、外国人従業員の我が国への受入れを柔軟に認めることとし、年度内に具体的な制度設計を行う。

4 女性の活躍推進、家事支援ニーズへの対応のための外国人家事支援人材の活用【後掲】
(「5.立地競争力の更なる強化」「5-1.『国家戦略特区』の実現/公共施設等運営権等の民間開放(PPP/PFIの活用拡大)、空港・港湾など産業インフラの整備/都市の競争力の向上」中、「ii)国家戦略特区の加速的な推進」において記載。)

5介護分野の国家資格を取得した外国人留学生の活躍支援等
我が国で学ぶ外国人留学生が、日本の高等教育機関を卒業し、介護福祉士等の特定の国家資格等を取得した場合、引き続き国内で活躍できるよう、在留資格の拡充を含め、就労を認めること等について年内を目途に制度設計等を行う。

(出典:「日本再興戦略改訂2014」2014年6月24日閣議決定)
このように、安倍政権が受け入れを進める外国人が、「1000万人移民計画」が定義する「移民」であることは明らかなのですが、彼らが「日本再興戦略改訂2014」に付している但し書きは笑止千万なものです。
(中長期的な検討等)

さらに、中長期的な外国人材の受入れの在り方については、移民政策と誤解されないように配慮し、かつ国民的なコンセンサスを形成しつつ、総合的な検討を進めていく。

(出典:「日本再興戦略改訂2014」2014年6月24日閣議決定)
「移民」を受け入れながらも、国民に「移民」と気づかれないように配慮しようと、あからさまに手の内を明かしているわけです。



自民党の提言書自体が、外国人労働者を「移民」と位置づけているのに、「移民に反対」などとテレビの大衆番組で発言しながら、安倍政権は着々と、「高度人材外国人」「外国人研修生」「留学生」などの受け入れ拡大を実行に移しています。

安倍政権や自民党が目指すのは、「日本人口の10%を移民が占める『移民国家』」、つまり「1000万人移民計画」の実現です。
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No title


【 集団的自衛権が閣議決定された日に、中高生に自衛隊募集のはがき・封筒が届いたまとめ 】

http://togetter.com/li/687701

【 高3生に自衛隊の募集案内が、個人宛に続々と届く 】

http://matome.naver.jp/odai/2140429499827623501

『 【赤紙】ツイッターで「自衛隊募集の案内が来た」と話題に!集団的自衛権容認を合図に一斉配布されている模様! 』

http://saigaijyouhou.com/blog-entry-3019.html


中3の子にも、「自衛隊募集の案内」が来たそうです。

安倍信者の子供や孫にも、来ているのでしょうか?

それでも、「安倍ちゃんを守ろう」と言い続けるのでしょうか?

興味深いところですww
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