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4. 未来性あふれる偉大な国家
アメリカの領土拡張とインディアン掃討を正当化した「マニフェスト・ディスティニー」というスローガンは、ジョン・オサリヴァンというジャーナリストによって発案されたと言われている。

ジョン・オサリヴァンは、インディアンの大量虐殺を自らの手で行い、インディアン強制移住法を推進した、第七代アメリカ大統領アンドリュー・ジャクソンの熱烈な信奉者であった。

ちなみに、アメリカ民主党は、アンドリュー・ジャクソンによって創設されたが、日本に対して宣戦布告を行った第32代大統領フランクリン・ルーズベルトも、同じ民主党の人であった。

1830年に、ジャクソン政権がインディアン強制移住法を可決成立させた9年後、ジョン・オサリヴァンは、ジャクソン流民主主義を讃えた、『未来性あふれる偉大な国家』と題する次のような文章を認めている。

『未来性あふれる偉大な国家』

アメリカ国民が他の多くの国々に起源を持ち、かつ、アメリカ独立宣言がもっぱら人類平等の原則に依拠しているという事実は、我々が他のいかなる国々からも隔絶された立場に置かれていることを端的に示している。実際に、我々は、他の国の過去の歴史とわずかなつながりしかもたないし、ましてや、それが栄光であるにせよ、悪行であるにせよ、我々が、古き時代のあらゆる因習と関わりを持たないのはなおさらのことである。

それどころか、わが国の誕生は、新しい歴史の幕開けなのであり、我々を過去から切り離し、未来にのみ結びつける、いまだかつて試みられたことのない政治制度の形成と進展なのである。

そして、これまでのところ、道徳的、政治的、公民的生活における天賦人権のまったき発展に関して、わが国が、未来性あふれる偉大な国家となるべく運命づけられていることを、我々は自信をもって想定しうるのである。

わが国がかく運命づけられているのは、わが国の国家形成が依拠する、完全にして普遍的な平等性の原則が、その運命を決定づけているからに他ならない。

この平等性の原則は、物質世界のあらゆる働きを支配すると同時に、魂に意識される法や道徳の自明の命令として、人間の人間に対する義務と、またその結果である、人間の人間としての権利を、正確に定義づけている。

加えて、あらゆる国々の信頼に足る歴史書は、国家の繁栄と偉大さと安泰とが、その政治制度の民主的な平等性に比例するものである例をふんだんに提示している。

いかに多くの国々が、少数派の平等な権利が、多数派の専制にふみにじられることによって、没落と衰退を招いてきたことだろう。また、多数派の利益が、少数派の貴族階級のために犠牲にさせられてきただろうか。あるいは、万人の権利と利益が、たった一人の君主のために断念させられてきたことだろうか。

この三つの政治形態は、過ぎ去った時代において、あまりに頻繁に、またあまりに広汎に姿を現したものであるため、彼らの歴史は、来たるべき時代においても、類似した政治形態を生み出すことしかできないであろう。類似した原因は、類似した結果しかもたらさないからである。歴史に学ぶ真の哲学者ならば、平等性の原則、あるいは特権性の原則が、それぞれ不可避の結果を招くものであることを、容易に理解するであろう。

平等性の原則は、生産的である。なぜならそれは自然で正しいものだからである。特権性の原則は、社会にとって破壊的である。なぜならそれは不自然で悪しきものだからである。

人類の自由と、文明と、改良に味方する者の中で誰が、古代の君主制と貴族制を振り返って、過去にそれらが存在していたことを嘆かずにいられようか。博愛主義者の中で誰が、君主制と貴族制によって多数派の上に加えられてきた抑圧と残虐と不正に思いを致し、道徳的な恐怖心を抱かずに、過去の回想から目を覚ますことができようか。

アメリカは、よりよい行為のために運命づけられている。

アメリカが、人間性と、あらゆる国々の抑圧された人々と、良心の権利と、個人の参政権の擁護のための戦い以外に、戦場の記憶を持たないことは、比類のない栄光である。

我々の歴史書には、皇帝や王や貴族や、英雄という名で呼ばれた人の姿をした悪魔によって欺かれた数十万の犠牲者たちが、互いに殺し合うように駆り立てられていく大量虐殺のシーンは描かれていない。

わが国には、我々の祖国と自由を守ろうとする愛国者は存在しても、王冠や王位を求める者は存在しない。

アメリカ国民は、支配の座につこうとする一個の人間の邪悪な野心によって扇動させられ、ある土地の人口を激減させたり、荒廃を広げたりしたことは、いまだかつてないのである。

(後略)

(出典: The Great Nation of Futurity (1839) by John L. O'Sullivan)


19世紀において、すでに、インディアンの大量虐殺に手を染めていたアメリカは、20世紀を通じて、世界の各所で虐殺が繰り広げられていく未来を先取りした、「未来性にあふれる偉大な国」であったし、20世紀にナチス・ドイツによってユダヤ人が、時期を同じくして、アメリカ政府によって日系アメリカ人が、強制収容所に押し込められる100年以上前に、インディアンのための強制収容所を設置していたアメリカという国は、確かに、未来を先取りする「未来性にあふれる偉大な国」であったし、日本軍によってアメリカ軍捕虜が、42kmの行程を3日間徒歩で移動させられたといって不平を言う「バターン死の行進」と呼ばれた出来事の100年以上前に、インディアンたちが、1,900 kmもの行程を徒歩で強制的に移動させられた歴史をもつアメリカという国は、確かに、未来を先取りする「未来性にあふれる偉大な国」であった。

インディアンの大量虐殺が行われて間もない時期に、インディアンの大量殺戮に携わった超本人であるジャクソン大統領を「英雄」と呼んで賛美しながら、「わが国の歴史には『英雄』と呼ばれる、人の姿をした悪魔によって、大衆が虐殺へと駆り立てられていく場面は描かれていない」と言ってはばからず、「マニフェスト・ディスティニー」というプロパガンダで大衆を扇動したジャーナリズムを、19世紀においてすでにもっていたアメリカという国は、20世紀において、「リメンバー・パールハーバー」というあからさまなプロバガンダによって、当初は嫌戦感情を抱いていたアメリカ国民を、日本先住民の大量殺戮へと駆り立てていく未来を先取りした、「未来性にあふれる偉大な国」だったのである。

「未来性にあふれる偉大な国」による、「マニフェスト・ディスティニー」という19世紀の大衆扇動は、「リメンバー・パールハーバー」という20世紀の大衆扇動へと一直線につながっていた。
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