なぜ、「○○よ」と呼びかけるのか(13)

「言霊」と「言挙げ」(2)
なぜ日本では、人々が政治に無関心なのか。

なぜ日本では、民主主義がうまく機能しないと嘆かれることが多いのか。

なぜ日本では、自民党による一党独裁のような体制が長く続いているのか。

政治に無関心な「非政治的」な日本の社会的・文化的な土壌の中で、「政治」的な声を挙げたり、「政治」的な理念を実現していくことは、どのようにして可能なのか。

万葉集における、「言霊」と「言挙げ」という二つの概念の関係を考察することによって、これらの問いに対する答えが明らかになるに違いありません。

なぜならば、「言霊」と「言挙げ」の関係を問うことは、「述語優勢」的な文化と「主語優勢」的な文化の関係を問うことに他ならず、明治維新以降に日本に持ち込まれた「民主主義」や「立憲政治」や「政党政治」という近代的な政治システムが、欧米という明らかに「主語優勢」的な文化の中で育まれたものである一方で、明治維新による欧米化以前の日本は当然のこととして、現代の日本もいまだ、「述語優勢」的な社会の特質を失っていないからです。

「言霊」と「言挙げ」の関係を問うことは、「非政治」と「政治」の関係を問うことに他なりません。

私たちは、議論の出発点においては、「言霊」と「言挙げ」を対立概念であると仮定して議論を始めましたが、やがて、この二つが、単純な対立概念ではなく、もう少し入り組んだ関係によって結ばれていることも、やがて明らかになっていくことでしょう。

さて、私たちは、「言霊」は「述語優勢」的な日本語の特質に関わる概念であり、「言挙げ」は日本語の特質に逆らうような「主語優勢」的な言語の用い方を表した概念であると推定しましたが、この推定の妥当性を検証・評価するために、あらためて、「主語」と「述語」の基本的な機能や、「主語優勢」的な言語や社会と「述語優勢」的な言語や社会の特質をおさらいしておきたいと思います。

「主語」と「述語」の働きを整理する上で役に立つのは、下の様な生物進化の系統図です。下の図は「ヘッケルの系統樹」と呼ばれるものであり、チャールズ・ダーウィンの進化論に啓発されたドイツ人の生物学者エルンスト・ヘッケルによって1840年に描かれたものです。



言語的特質 機能 語りの内容 志向性 社会的特質
言霊 「述語優勢」的 包摂作用 過去からの伝承 周辺・辺縁(隈・熊・神)を志向 「非政治」的
言挙げ 「主語優勢」的 分節作用 現在の個人的願望 中心を志向 「政治」的


上掲の図や表の説明は次回行います。
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右翼も左翼も、日本人の全てが政治へ関心や知識をもち、彼らが「正しい」と信じる政治的立場につくべきだと信じている。 しかし、「政治」は常に、断片的なもの、特殊化されたもの、偏向したものに留まり、「縄文から現代に至る日本人の歴史的あゆみの全体」を包摂するような政治的立場は生まれようがない。 「非政治」が「政治」を包摂することはできても、逆はありえないからである。 ならば、日本人の全て(あるいは大多数)が、ある特定の政治的立場や政党に傾斜することは、そのこと自体が、日本の姿を大きく歪めることになるだろう。
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