すぐれた見解

人工国家の膨張と圧縮。
三橋貴明ブログのコメント欄で、めずらしく秀逸なコメントを見つけた。

「グローバリズム」がだめだからといって、「反・グローバリズム」に傾斜すればよいというわけではない、という私の考えと同じ見解をわかりやすい言葉で説明している。

51. 無題

考え中の事で、説得の為の書き下しなく申します。

グローバリズムと反グローバリズムという捉え方を、
人工国家の膨張と圧縮と捉え直す必要を感じます。
また、人工国家との対義を自然国家と捉えております。
(自然国家とは、国家自ずから然りという意味です。
人工国家とに人の工す国家という意味です。
人工の語に偽の含意はありません。)

この他にも以下のような対比を感じております。

人工国家/自然国家
有意識国家/無意識国家
治安国家/天嶮国家
自覚国家/無自覚国家
人為国家/天然国家
相対国家/孤立国家
防人災国家/防天災国家

日本がどちらだと完全に振り分けられるものでなく、
どちらの要素をより強く持つのかと見取るつもりです。
日本は自然国家要素を強く持つ国と思っております。

EUになろうとすることを膨張、
フランスに戻ろうとすることを圧縮
と捉えるならば、
日本はどちらにも当てはまらず
人工国家の膨張と圧縮に巻き込まれて、
ほころび始めている自然国家と捉えられるように思います。

人工国家の膨張と圧縮の争いの中には、
自然国家としての形を維持する動機付けや、
どうやって、どのようにそれを実現するかに、同じ答えは無いように思います。

日本の現在はグローバリズムの周回遅れと表現すべきでなく、
人工国家要素の吟味を史上有数の緊迫で求められる準自然国家と捉えるべきと思います。

ブログ中、反グローバリズムと呼ばれる勢力が形成されない理由は、
自然国家と二律背反になり得る
一般に民族と呼ばれる集団の自覚や、軍事力均衡による安全保障といった
人工国家寄りの要素の吸収を、その保守にも必要とするからのように思います。

nobo4ru 2017-05-22 00:43:01

(出典: 三橋貴明ブログ「全体主義への道」2017年5月21日)


「グローバリズム」とは「人工国家の膨張」であり、「反・グローバリズム」とは「人工国家の圧縮」であり、両者の本質は同じものであるという見解は、卓越している。

どちらも日本人が選ぶべき道ではないのだ。

過度なグローバリズムと過度なナショナリズム、人工国家の膨張と圧縮、共通しているのは、いずれの側にも「肥大化した政治」が存在しているということだ。

「人工」という言葉の意味は「政治の肥大化」に他ならない。「政治」とは人為の極致であるからだ。

私たちが気をつけなければならないのは、政治の肥大化とその横暴を目の前にして、私たち自身も、政治的に肥大化した存在に変わらなくてはならないと錯覚してしまうことだ。

右翼にせよ、左翼にせよ、多くの政治運動は、「政治の肥大化」によって自滅していく。

「非政治」をなおざりにして、私たちが過度に政治化してしまえば、「非政治」から乖離した、地に足のつかないものになる。

それどころか、大衆が過度に政治化すれば、国家が、政治的に肥大化していくことを大衆自らが助けることにもなろう。

ナチス下のドイツで起きたのはまさにそれだ。

それでは元も子もない。

「政治」に対して「政治」をぶつけ合わすのではなく、「政治」に対しては「非政治」をもって対峙しなくてはならない。

あくまで、「非政治」の中から、政治的な声を発しなくてはならない。

だから、日本人の多くが、政治に無関心であったり、ノンポリ(=「非政治」)であることは、決して悲観すべきことではなく、そのこと自体が大きな意味と力をもつときがくると私は思う。

水戸黄門にしろ、遠山の金さんにしろ、暴れん坊将軍にしろ、時代劇のヒーローは、「政治」と「非政治」の媒介者として描かれることが多い。

歴史的事実として、遠山金四郎は、「非政治」と乖離した天保の改革を推進した、まさに「政治の肥大化」そのものであった老中水野忠邦に対峙したのだという。

(参照: NHK「先人たちの底力 知恵泉『遠山金四郎 一件落着!苦手な上司対処法』」)

真に「政治」を論じ「政治」に携わる資格をもつのは、「政治」と「非政治」の媒介の仕方を知る者だけなのだろう。
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No title

>「政治」に対して「政治」をぶつけ合わすのではなく
わかってないようですね
政治に対しては政治をぶつけて倒すんですよ
政治に参加しないでどうやって相手を倒すんですか?

>「非政治」をなおざりにして、私たちが過度に政治化してしまえば
過度に政治化ってなんですか
まともな政党を支持して選挙に行くだけですが?
四六時中政治をチェックする政治マニアになれなんて言ってませんよ?
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