経済アナリストたちのでたらめな予測

世の中、インチキな人々ばかり。
今年の年頭、経済アナリストたちは次の様なことを述べていました。

2017年は1ドル130円まで円安が進む可能性
日経平均は2015年の高値2万0952円突破も


(前略)

では利上げ回数とドル円の関係はどうか。年間に2回程度の利上げであれば、ドル高は大きく進まないだろう。2015年半ばにつけたドル高の高値である1ドル125円が円安の目安になるだろう。筆者が想定するように、もしFRBが3回以上の利上げを行えば、さらなるドル高円安をもたらし1ドル130円前後まで円安が進むと予想する。

日本株についてはどうか。日本が2%のインフレを安定的に実現して、完全にデフレから脱却するまで、ドル円相場と日本株市場の連動性が高い場面は続くだろう。このため、2017年に、日本株がどの程度上昇するかは、円安がどの程度進むかに依存する。

すでに、日本経済は2015年末を大底に緩やかながら回復に転じている。米国経済の復調と中国経済の安定、そして円高に歯止めがかかったこともあり2016年央から企業業績は回復に転じている。

今後1ドル120円台まで円安が進む過程で、2017年度の日本企業の利益は2ケタ以上の増益に上振れるだろう。それを織り込む格好で、株高が続くとみられ、日経平均で2万円の大台を早晩回復すると予想する。そしてドル円と同様の2015年のピークであった高値2万0952円は、2017年内に超える可能性が高い。筆者が予想するように、FRBの利上げが3回となれば、日本株の上振れ余地はさらに高まるだろう。

(出典: 東洋経済2017年01月02日)


上の記事の著者、「マーケット・ストラテジスト」の村上尚己氏のプロフィールには次の様に書かれています。

マーケット・ストラテジスト
むらかみ・なおき アライアンス・バーンスタイン(AB)株式会社マーケット・ストラテジスト。東京大学経済学部卒業。生命保険会社、シンクタンク、外資証券で国内外の経済・金融市場の分析に従事。2003年からゴールドマン・サックス証券でシニアエコノミストとして、日本経済の予測全般を担当、2008年マネックス証券 チーフ・エコノミスト、2014年5月から現職。2008年のリーマンショック後、かなりはやくから米国株の復活を予測。その文脈の中で、日本株の復活もズバリ予測。2016年も大統領選前からドル高への回帰を予想、的中させた。


ゴールドマンサックスや、マネックス証券のアナリストとして活躍されてきた、大変立派な経歴の方なのですが、この方は、「もしFRBが3回以上の利上げを行えば、さらなるドル高円安をもたらし1ドル130円前後まで円安が進む」と予測していました。

では、経済の門外漢である私がどのように述べていたかといえば、年頭私は次のように、上の方とは正反対に、ドル円相場は1ドル100円を割り株価は下がっていくという意見を述べていました。

アメリカ大統領選でのトランプの勝利から始まった「トランプ相場」(株価や為替の急上昇)に、金融業界や投資家たちが沸き立っているようですが、彼らの楽観的な予測とは裏腹に、2007年から2008年にかけての深刻なバブル崩壊(リーマンショック)以降、長く継続されてきた量的緩和・低金利政策によって日経平均20000円、ダウ20000ドルに届かんまでに大きく膨らんだバブル経済は、熟しきった柿の実が枝から離れ落ちるように、大統領選後に急上昇したアメリカ長期金利と、昨年末にアメリカが行った2014年10月の量的緩和終了後二回目の金利引き上げ、あるいはFED(アメリカ連邦準備制度)が2017年中に予定している数回の引き上げを契機に、2017年、大きな下落へと転じることでしょう。実際に、2015年の12月に行われたFEDによる9年ぶりの利上げは、中国の景気失速やBrexitと相まって、2016年の前半に、ドル安・株安を引き起こしました。

安倍支持を煽り立てた政治評論家もまったくいい加減ですが、昨年12月のFEDの金利引き上げ後も、株高・ドル高という景気の楽観論を煽り立てている経済評論家も相当いい加減であり、彼らは、拡大する日米の金利差がドル高をひきおこし、ドル高が株高を引き起こすと主張するのですが、リーマンショック後の景気回復と株価の上昇が、長期的なゼロ金利・金融緩和政策によってもたれされたものであるという単純な事実を無視しています。

(中略)

株価は暴落し、アメリカは再び、金利引き下げどころか量的緩和をも復活させなくてはならなくなり、ドル・円相場が再び100円を割る、円高・ドル安の時代がやってきます。

リーマンショック後の世界的な金融緩和と景気回復の流れを前提とし、その中に組み込まれていたアベノミクスは、その前提を失って完全に崩壊し、安倍政権の支持率も大きく低下することでしょう。

(出典: WJFプロジェクト「2017: バブル崩壊の一年」2017年1月1日)


さて、あれから三ヶ月が経過した今、為替相場や、株価はどうなっているでしょうか。

FRBは、村上尚己氏が1ドル130円到達の条件とした、年内三回の利上げ計画を明らかにし、今年の3月15日に年内一回目(リーマンショック後通算で三回目)の利上げを行いましたが、ドル円相場は1ドル130円を目指して上昇するどころか、1月3日に118円台の高値をつけたあと下落を続け、現在は108円台まで円高・ドル安が進んでいます。100円割れも時間の問題です。



日経平均株価も、2015年の高値を更新できず、2万円を回復できないまま下落に転じています。



アメリカのダウ平均株価もリーマンショック後、FRBの金融緩和によってひたすら上昇を続けてきましたが、遂に天井を打って、下落に転じているように見えます。まだ「バブル崩壊」と呼ぶような急速な下落には至っていませんが、トランプ政権への期待の剥落と地政学的なリスクの高まりにより株価は確実に下落していきます。また、金融政策の正常化(金融緩和の終了)を目指すFRBが予定している政策金利引き上げとバランスシート縮小も、為替相場や株価の下落に拍車をかけることでしょう。



アメリカの政策金利引き上げによってドル円相場が上昇すると予測していたアナリストが多いのですが、金利引き上げは経済の失速と株価の下落を引き起こすため、(あるいは市場が株価の下落を見込むため)、株式市場から安全資産である債券市場への資金の移動を引き起こします。すると国債価格が上昇し長期金利が下落するため、ドル円相場はそれに引きずられて下落します。為替相場は政策金利引き上げの期待に対しては上昇しますが、実際に金利引き上げが行われたとたんに下落するのです。ドル円相場が下落すれば、ドル円相場と強い相関性を持つ日経平均株価もそれに引きずられて下落していきます。

「アメリカの政策金利が引き上げられるから、1ドル130円に達し、日経平均が2万円を超える」

なぜ、このようなでたらめな予測を述べる人々が、経済アナリストとして世の中で大手を振っているのか、首をかしげずにはいられません。

プロの「マーケット・ストラテジスト」が、私のような経済の門外漢に、株や為替の予想で負けていてどうするのでしょうか。
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