トランプ・バブルの崩壊

期待と失望。
年頭に記した「2017: バブル崩壊の一年」という記事で、私は次のように指摘しました。

アメリカ大統領選でのトランプの勝利から始まった「トランプ相場」(株価や為替の急上昇)に、金融業界や投資家たちが沸き立っているようですが、彼らの楽観的な予測とは裏腹に、2007年から2008年にかけての深刻なバブル崩壊(リーマンショック)以降、長く継続されてきた量的緩和・低金利政策によって日経平均20000円、ダウ20000ドルに届かんまでに大きく膨らんだバブル経済は、熟しきった柿の実が枝から離れ落ちるように、大統領選後に急上昇したアメリカ長期金利と、昨年末にアメリカが行った2014年10月の量的緩和終了後二回目の金利引き上げ、あるいはFED(アメリカ連邦準備制度)が2017年中に予定している数回の引き上げを契機に、2017年、大きな下落へと転じることでしょう。

(中略)

また、大型減税と財政出動というトランプ政権の掲げる財政政策は、低金利での資金調達を前提とするため、FEDが今後も推し進めようとしている政策金利引き上げとは真っ向から対立します。

これらのジレンマが飽和に達するきざしは、1月20日のトランプ大統領就任前に、すでになんらかの形で表出するかもしれません。

(出典: WJFプロジェクト「2017: バブル崩壊の一年」2017年1月1日)


「これらのジレンマが飽和に達するきざしは、1月20日のトランプ大統領就任前に、すでになんらかの形で表出するかもしれません。」

この指摘の通り、11月初頭のアメリカ大統領選の投開票と共に始まった「トランプ相場」(株価・為替の急上昇)は、本日、ドル・円相場の大きな下落と、それを受けた日経平均株価の下落によって正式に終わりを迎えました。

きっかけとなったのは、昨夜の日本時間深夜1時から行われた、トランプ次期大統領の記者会見でした。
経済政策に関する具体案が示されず、利益相反やロシアのハッキング問題に関する弁明とメディアの糾弾に終始する会見内容に市場が失望し、記者会見の最中からドルが投げ売られ、一日で三円近いドルの下落を引き起こしました。

株や為替が低迷した2016年の暮れ、年末決算を控え運用成績の達成を急ぐ世界の投機筋が、大統領選を材料として利用して根拠のない上げ相場を仕掛けた。その仕掛けに世界の投資家たちが乗っかっていったのが「トランプ相場」の実体であったと考えられます。

経済評論家やアナリストたちは、そのような根拠のない上げ相場が、年明け後も続くかのように喧伝し、市場を扇動していましたが、トランプ自身の登場によって、「トランプ相場」が強化されるどころか、その虚妄さがあぶり出されて終焉を迎えたことは、皮肉なことであったと思います。

短い「トランプ相場」でしたが、今回の「トランプ相場」の終焉が、そのままリーマンショック以来の世界的な金融緩和によって膨らんだバブル経済の崩壊に直結するわけではありません。

注視しなくはならないのは、アメリカ連邦準備制度が年内に三回予定している、政策金利引き上げのタイミングです。
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No title

三橋貴明氏がトランプを引き合いに出し、彼の改革に同意していました。
確かにあまりにえげつないグローバル化や不法移民策については反対しませんが・・。他の面ではあまりに酷いと思います(トランプは超富裕層優遇政治です)。

トランプは地球温暖化を否定しており、オバマが廃止したキーストンパイプライン工事(多国籍企業です)に着手。
昨日は、全米の科学者たちによるトランプ批判デモが繰り広げられました。

他の右派の方がたの意見では社会主義や共産主義を憎悪し、また左派の方々は資本主義を憎悪する。
ですが、実のところそれらの社会が上手くいかなかったのは、思想云々ではなく代表者による国民への背信が大きい。

中国やソ連など。社会主義、共産主義という名を付けただけ、本来の「格差縮小」や「労働者救済」という主義主張を「悪用」しただけの国家でした。
実のところ、彼らは少数独裁政権そのもの(代表者である独裁者たちの欲によって国民を制圧していた)です。

国民を欺き、実は全く主義思想と違った独裁主義と権力(富と権力の独占で私腹を肥やす)と野心(賄賂とコネによる特権)と我欲(自分の優雅な生活さえ守ることが出来れば良い)だけの、代表者という表向きを持つ邪鬼になり果てただけです。

これは、アメリカの資本主義国家(自由民主国家)という表向きが、実は富裕層独裁国家だという事実にも当てはまります。
超富裕層の賄賂による小数独裁政権は、彼らにとって最も都合が良いものだからです。

右か左かという思想よりも、国の代表が我欲にまみれ、権力と特権の甘い汁を吸っているかどうかです。
(だからこそバーニー・サンダースの唱える民主社会国家はバランスが取れている。民主社会国家のデンマークは幸福度指数が世界一高く、他の社会保障や公共福祉が充実している国の国民も様々な恩恵を受けているのです)

例えばアメリカを一人の人間に喩えます。
アメリカという人間を健康体にしておくために、多くの正常な細胞(個々のアメリカ人)は潤滑油として日々慎ましく生きています。
例えばどちらかの膝が具合が悪かったとしましょう(生活保護や障害補助など)。
それでもその膝を庇うように、アメリカ全体が具合が悪くならないように(充実した社会保障や税金による国民への分配)、隅々まで血液や栄養を行き渡らせ健康を維持しているのです。
マクロファージやNK細胞などは、人間を蝕む異常細胞が突出するのを監視しています。

ところが、ある異常細胞が静かに周りの細胞に似せながら、反逆の機会を狙っていました。この細胞は非常に利己的で野心と我欲があり、自分に力があることを知っています。
異常細胞は密かに、周りの細胞たちではなく「自分だけ」に栄養を行き渡らせるように周囲の器官を洗脳し、周辺細胞を眠らせ(コネ、献金、賄賂、圧力)、また周囲を奴隷(収賄)としていきます。
そして更には、この異常細胞を支持して守る正常細胞が出現します(収賄議員や支持者など)

異常細胞はどんどん体から栄養と血液を自分の元にだけ集めて(非常に強い利己心、我欲)、肥大していきます。
非常に姑息であざとく、他の細胞には栄養も血液も行き渡らないように滞らせます(社会保障カット、公共機関の縮小)。
巨大なモンスターと化した異常細胞はついに不死となり(税金控除など都合の良い政策などによって)、自分の分身を他の器官に転移させて人間を蝕んでいきます。

一刻も早くこの異常細胞を小さくしたり、攻撃して取り除かなければいかなければならないはずなのに、アメリカという人間を守って戦うマクロファージやNK細胞、そして薬剤などの力が全く足りていません。

身体の表面には鎧を付けさせ(軍事増強)強く見せていますが、内側は酷く蝕まれている状態です。

アメリカという人間はこの異常細胞に侵され、蝕まれ、倒れ死に絶えるまで、しゃぶり尽くされるでしょうか。異常細胞自身も宿主を食い尽くすことで自分の首を絞めることになってもその我欲と強欲さによって、増殖し続けるでしょうか。

これは実際の人間が、がん細胞に侵された時に生じる過程と同じです。

中国や、他の大国の場合も、考えてみてください。
日本という国(人間)の健全さを守るための指標にもなるかもしれません。

アメリカはもはや、巨大癌細胞に侵されています。

No title

トランプを異常に持ち上げる日本人たちが多くて本当に不気味です。彼らはサクラか何かでしょうか?

トランプの掲げる政策

●法人税減税(税率を35%から15%に引き下げ)
●個人所得税の減税(現行の7段階の累進税率を12%、25%、33%に引き下げ)
●キャピタルゲイン並びに配当に対する減税延長(現行の0%、15%、20%の税率を維持)
●相続税の撤廃
●TPP撤廃発言のすぐ後、キーストンパイプライン工事を既に開始、二国間貿易協定開始。
●自分は合法脱税で全く税金を払っていないくせに国民の税金を利用してメキシコへ壁を作りはじめて国民を借金漬け、労働者たちが生活苦、医療費に苦しんでいるにもかかわらず労働者保護(オーナーの福利厚生徹底)や国民皆保険制度は考えない。
●共和党の非人道主義者やリバタリアンたちを自分のキャビネットに据える金権政治
●自分たちが散々戦争を作り出し軍費予算や軍滞在費用を「他国」へ要請する(そして戦争へ行くのは貧しく医療保障や学費補助が欲しい学の無い若者たち)。

どう見ても金持ちの、金持ちによる、金持ちのための姑息な優遇政策。
トランプは散々、ワシントンの「一部の金持ちと権力者」にだけ恩恵をもたらす政策の政権を非難しながら、実は、そういう最低で姑息な権力者を見逃すだけでなく、さらに、減税して儲けさせてあげるという政策に他なりません。

ヒラリー・クリントンが良かったなどとは口が裂けてもいいませんが、バーニー・サンダース率いるプログレッシブ議員たちが存在している民主党はまだマシです。

共和党員こそが、こぞって国民皆保険に反対して潰し、国民の税金を軍費へと異常に回し、議員全員がイラク戦争へ賛成し、公共福祉予算を削り、金持ち脱税ルールをこっそり作り上げ、金持ち優遇税金制度へと変えてきた経緯があります。

さらに共和党陣営はトランプをスキャンダルでいずれ追い出して、マイク・ペンス(最悪なリバタリアン)に挿げ替えようとしているという意見もあります。スキャンダルが無くても実権は共和党が握っています。マイク・ペンスが倒れた後にもまた次の悪玉が共和党には用意されています。

現在、その悪の親玉となったトランプが(スピーチは、スピーチライターによって書かれており、それに感動した日本人も多かったようですが)、労働者への発言をひるがえして、オーナーと金持ちに恩恵を与える政策へと早速切り替えています。

彼のキャビネットは、国民皆保険を圧力で潰して金持ち優遇策へ切り替えた共和党の裏ボスであるミッチ・マコネルの妻を運輸長官に。労働長官には「労働者は過剰に保護されている」として労働者最低賃金を更に下げるよう要請しながら労働者を排除してロボットへの切り替えに尽力してきたアンドリュー・バズダー。共和党へ家族総出で1億円以上の大口献金をしている教育長官デボス、そしてウォール街バンカーです。

トランプが金持ち(そして金持ちに雇用されている投資家たち)に不利となる国内政策や外交政策を行うとは全く思えません。

トランプは政府に勤めている者を排除する予定としていますが、それならば何故、共和党員たちを排除せずに、公共施設で低賃金で働いている者たちを排除しようとするのか。
彼の政治は邪悪です。
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