TPPに関する「愛国者たち」の言葉を振り返る

国民を破滅へと導いた「愛国者」たち。
TPPの国会承認が目前に迫る中、TPPや新自由主義に関する「愛国者」として知られる方たちの言葉を集めてみました。


今日はまじめにやる。

まあやっぱり世の中いろんな人がいますよね。動画のコメント欄なんかを見ているとそれが出ているんじゃないかと思います。もちろんいろいろな意見があっていいし、あるべきだと思うんですが、一応ですね、僕の動画であれば、できれば動画を見てからコメントしてほしい。

まれになんですが、これ動画見ないで言っているなという時があります。「こいつは安倍信者のネトウヨ」とかですね、僕は正直そこまで持ち上げたつもりはないんですけどね。誰にしてもそうですけど、手放しで何でも賛成できるなんてことはないんですよ。例えば、僕は今の安倍政権を支持しているんですが、これは賛同できないなっていう政策もあります。それはこれまでも言ってきたんですが、例えばTPPだったり、児童ポルノ禁止法改正案だったりです。ただね、そう言った面があるからといって全否定するほどではないんですね。支持できる部分と支持できない部分を総合的に考えて判断すべきであって、支持できる部分は支持する、支持できないものには声を上げる。これが国民の義務だと思うんですよ。僕は支持できる部分が多いからこそ今の安倍政権を支持しています。

一個だめなら全部だめという人もいるようなんですが、そんなこと言ったらね、日本にある政党、政治家全滅じゃないですか。なんすか、じゃあ一度ぶっ壊してですね、革命でもやるつもりですか。自分と100%同じ意見、こんな人いないんですよ。今僕の動画を見てくれている方も、おそらくそれぞれ意見があるでしょうから、ある部分では賛同できても、ある部分は賛同できないということがあると思います。僕はそれでいいと考えています。僕の言っていることが全て、なんて全く思ってませんし、時には間違った事もいうでしょう。にんげんだもの。

今ある選択肢というものを考えて見ると、野党があまりにも不甲斐ない。こうなると国民が自民党に寄って行くというのは、当たり前ですよね。しかし自民一辺倒になると、それはそれで危険をはらんでいるわけです。安倍政権にがんばってもらいたいというのはもちろんなんですが、野党にもがんばってもらいたいんです。そのためにも国民レベルで政治を盛り上げて行く必要があると考えています。これはね気長にやるしかないんですよ。

(出典: KAZUYAチャンネル「ひとつ意見が合わなかったら安倍政権不支持じゃないとダメですか?」2013年6月30日)


それにも関わらず、ネットなどでは安倍総裁や自民党が「増税」「TPP推進」と決めつけた書き込みをする人が後を絶ちません。ここまでしつこいと、一部の大手メディア同様に「自民党はTPPと増税推進だ」という既成事実化を図っているか、もしくは自民党の支持率を押し下げるためにやっているとしか思えないわけです。(あるいは双方かも知れませんが)

特に、メディアが上記二つの「反対」を率先して報道しようとはしませんので(渋々、という感じで報じます)、地方の方々の誤解が解けないのも無理もない話です。

この種の情報操作に対抗するには、こちらも「正しいこと」を繰り返し、繰り返し、語っていく必要があります。田母神さんが左翼の方々について仰っていらっしゃいましたが、「彼らの思想信条には全く賛成できない。しかし、彼らのあのしつこさ、粘り強さは尊敬に値する」という話でございます。実際、左翼というか「反日」な人たちの粘り強さは、まさに驚異的です。そういう意味で、ネットで繰り返し「自民党は増税推進」「自民党はTPP推進」というデマゴーグが語られるのも、当然なのかも知れません。やっているのが「彼ら」ならば。

(出典: 三橋貴明ブログ「正しいことを繰り返し語ろう」2012年10月25日)


3月15日に、新聞報道によると何度目になるか分からない「安倍首相、TPP交渉参加表明」があるとのことですが、一体、安倍総理は何回「交渉参加表明」とやらをやればいいんでしょうか。

散々に「交渉参加表明!」の見出しの記事を書いて、実は「政府関係者」と称する自民党推進派のミスリードだったり、経済産業省の飛ばしだったりを繰り返してきたわけですが、いい加減に日本の新聞やテレビも「学習」した方が良いのでは。

(出典: 三橋貴明ブログ「TPP交渉参加『表明』」問題」2013年3月13日)


デフレ対策や「戦後レジームからの脱却」のように、評価するべきところは、評価する。批判するべきところは、批判する。この種の「当たり前」の「是々非々の姿勢」を、日本国民は思い出す必要があると思います。

民主党政権の頃は、まともなことを何一つやろうとしませんでしたので、ひたすら批判していればよかったわけです。当時とは比較にならないほどまともな政権が誕生したわけですが、それにしても100%同意する必要はないというか、そんなことはできるはずがないのです。

(出典: 三橋貴明ブログ「長い、厳しい戦いが始まった」2013年3月16日)


いずれにせよ、安倍政権がTPP交渉参加を表明したからといって、「反安倍政権!」「反自民党!」などとやることは、バカげたことです。何しろ、交渉参加を表明した以上、「最悪の形」でのTPP参加を止められるのは、議会の多数派である自民党の国会議員しかいないのです。また、安倍政権はデフレ対策については、金融政策と財政政策のパッケージという正しい政策を推進しています。外交の立て直しについても、これは率直に評価するべきだと思います。

先日、青山繁晴氏、須田慎一郎氏と対談した際に、青山氏が、日本のマスコミについて、

「権力との対峙とは東洋的な表現で言えば「是々非々」です。その是々非々の姿勢がない。常に周りの空気だけを見て、社会の顔色をうかがい、べったりの擁護か、何でも非とするか、どちらかしかない」

と語っていらっしゃいました。

是々非々の姿勢を必要とするのは、日本のマスコミもそうですが、国民も同じであるように思えます。何でもかんでも100%賛同できる政権など有り得ず、評価するべきところは評価する。批判するべきところは批判する。自分の意見と少しでも外れると、他の部分を全て無視して「敵」扱いするのでは、少なくとも民主政治は成立しません。

というわけで、わたくしはTPPには反対しつつ、安倍政権は支持をし続けます。ある意味、日本国民は今こそ真の意味で「政治」について学ぶいい機会を得たようにも思えます。

(出典: 三橋貴明の「新」日本経済新聞「【三橋貴明】最悪を阻止するには?」 2013年3月18日)


泥の沼をかき分けている最中は、自分が進んでいるのか止まっているのか、あるいは後退しているのかさっぱり分かりません。進んでいるかどうかは、あくまで後で振り返ってみて、はじめて理解できるのです。

泥の沼をかき分けるのが面倒になった人たちは、例えば安倍政権の経済政策に構造改革的、新自由主義的な政策の匂いを感じた途端に、「安倍は売国奴だ!もう日本はダメだ!」と、全てを投げ出します。あるいは、「安倍ではダメだ! 日本を抜本的に改革するためには独裁者が必要だ!」などと、分けの分からないことを言い出すわけです。

(出典: 三橋貴明ブログ「泥の沼をかき分けて進め(前編)」2013年6月9日)



みなさん、こんばんは、直言極言の時間です。

今日はですね、先週の土曜日行いましたTPP問題、あらためまして、がんばれ日本は、安倍絶対支持、そしてTPP絶対阻止ということのお話をさせていただきたいと思います。今日はですね、まず討論についてお話したいと思います。討論の三時間目の時、東谷さんと私が、安倍さんの対応を巡って議論になりました。基本的に、TPPについての認識というのは、100%近いものであります。同じものであります。しかし、それを推進したというか、交渉に参加するということを表明した安倍首相をどう見るかということで、もう変えた方がいいというか、すぐにとは言わないが、あいまいなんですけども、この点について意見が違ったわけであります。あとから、関岡さんから社長と同じ考えですという電話連絡をいただきました。

つまり、現実の問題をどうするかということを考えなければ政治と言うものはやっていけない。学問としてはTPPの問題は非常に危険で、日本の国柄そのものを変えてしまう危険性をもった亡国最終兵器といっても間違いないことだと私も考えております。これは言志にお書きになっている中野剛志さんも同じ考えだと思います。東谷さん、中野さん、みんな同じです。私も同じです。ただ、私たちは、今自分が実際に生きている。そして暮らしている。そして日々、これは実存主義的な意味ではありませんけれども、日々決断をしながら、未来へ自分を投企していかなきゃいけない。日本も同じであります。そして安倍晋三という首相も、そういうことであります。

今まで縷々例を挙げながら、話してきました。たとえば、一つ、これも前に言ったと思いますけれども、ちょっと汚い言葉ですけれども、力のないか弱い女性が、とんでもない暴力大男にレイプされていると。俺の言うことを聞かなければ殺してしまうぞ。首も絞められた。そうしているとき、私たちはどうしたらいいか。普通は、横にいる人は、やめさせるように一緒になって女性の味方をして、やめさせるようにする。そんな犯罪やらせてはいけないわけです。ところが女性が、もう殺されるのはしょうがないから、こんな力のある男にレイプされてしまう、こういうのは仕方がない。命あっての物種だという形で、仕方なく首を絞められたあげくに、力を抜く。叫び声をあげるのをやめる。殺されるよりはということで。としたとき、横に立っていた、それを見ていた男が、「なんだお前は、本当はレイプが好きなんじゃないか。結局お前は売女なんだ。売女。しっかりしろ。操を守れ。」こういう言い方をして、怒りまくっていると、言うような例を前にもあげたわけであります。これが日本政府、安倍政権と、アメリカの政権という言い方にあまりに当てはめるのは乱暴かも分かりませんが、原理と現実、このことを私たちははっきり分けなければいけないということを言ってきたわけであります。

と同時に、もう一つですね、なぜオバマと安倍会談の中で熾烈な議論があったといわれていると言えば、アメリカの一つの選択が、今、世界戦略が再編されておりますけれども、一番今、アメリカが選択しようとしていること、中東からの撤退や、あるいはアジア、東アジアからの撤退、これは財政的な問題で、自分一人ではもうやりきれなくなってきている。そういう中で安倍さんに提示したのは、木曜日にもお話しましたが、お前がTPPに参加しなければ、私たちは、米国としては米中TPPというかですね、米国と中国でアジア支配、アジアあるいは世界の支配を考える。そういった枠組みを作ると。それでもいいのかと。米中でやってお前のところはとにかく無視して、徹底的にやっつけると。米中で、このアジアを支配していくような構造を作っていく。今、実際には、具体的には起こっているわけです。グァムの周辺の島を中国が買い取ったり、様々な形で、経済的な形、財務長官が習近平をすぐに訪れたり、そういう形のがっちりしたものが始まっているわけです。そういう中で、日本がどういう立場をとるか選択を求められたとき、安倍さんは、今言った、レイプされるだけではないという。今言った、だったらやれるならやってみなさいと。我々は核武装もする。自主防衛もする。もっと言えば、中国と一緒になってアメリカをアジアからたたき出すと、言ったようなことまで、私は議論として、まあたたき出すというのは大げさですけれども、あなたたちがアジアにいられなくなるようになりますよと。私たちにも選択があると。日米安保条約というものを本当にきちんと復活させる意思がなくて自分たちのためだけにやるなら我々は核武装もしなきゃいけない。自主防衛もしなきゃいけない。そして中国とも共に手を携えなきゃいけない。アメリカはアジアにいられなくなりますよ。それでもいいですか。いうような形でぶつかりあったはずです。

これは当然国際政治の中で、これはあまり言ってなかったんですけれども、あまりに短絡的にTPPの原理が悪い、良いというだけで言う方が多いんです。あえて今日言わせてもらっていますけれども、そういう熾烈な戦いがあった。そういう中で、安倍首相がこの中で言った、まあ決意表明の中で言った印象深い言葉がありました。国家百年の計。そしてもう一つはラストチャンス。まさに私も、アメリカと中国、こういうところから自立する日本がいわゆる独立不覊の国になっていく、戦後レジームを脱却する最後のチャンスだったと思います。もしこれを、今考えるとですね、これをまあ、参加する、交渉参加に表明をしなければ、今言った米中共同支配体制、そういった中で日本は財布として収奪され、そういういわゆる日本が、再び、ライジングサンになることはあり得なかった。そういう綱渡り的な状況だったと考えるわけであります。そういう中で、TPP交渉に参加するという形で、その後安倍さんが、絶えずどんな記者会見でも言っていたのが、TPPは六項目と聖域なき関税、関税自主権を守ると言いながら、もう一つはアジアとの枠組みを考えていく。安倍さんが今理想としている首相像というのは、おそらくおじいさんの岸信介だと思います。そういう意味では満州国の建設に関わった岸信介。そしてもう一つは大東亜共栄圏。そういうイメージ。アジアをもう一度共栄する大東亜共栄圏、いわゆる家族のようなそういったアジア民族の団結。それは中国とは対立しなければいけない。そういう中で、TPPのあえて交渉参加をえらんだのではないかと私は思います。

その苦渋の決断。そしてもう一つ。安倍さんは、自由主義的な面ももっております。私は農業とかそういうものに対して認識はちょっと自分とは違います。たとえばこういうことがあります。競争と言うもの、そして自立というものをまず求めて、そして競争する。怠け者は許さない。こういう一種の新自由主義のベースになるような、こういうものをもっていることも確かでありますが、私たちはそれを新自由主義者と既定してはいけないと思います。むしろ日本を主語とした保守政治家である。彼が何よりも基準にしているのは、日本を主語にしたという問題であります。つまり日本が主語になっている。イデオロギーが、いわゆるケインズ主義とか新自由主義とかさまざまな経済理論もあります。政治思想もあります。そういう中で彼がベースにしているのは日本を主語にした保守思想である。そういう政治家であるということを、忘れてはならないということであります。そういう中で、だからこそ、日本がもう一度、ライジングサンたる世界に冠たる強く美しい日本になるための大きな危機をチャンスに変えようとしていると私は考えるべきだと思います。

まあそれが信じられないとか、これは安倍信者だとか言っている連中は、もう勝手にしてなさいということしかありません。これはもう見解の相違でしかない。だったらどうなんだ、どうするんだと言えば、その人たちはほとんど答えられない。現実的に、今、今日、明日、決断していかなきゃいけない、そういう政治。このことに対してまったく答えられない、そのような政治思想はムダであります。単なる理論でしかない。我々は理論を言えば、核武装して、自主防衛して、自主憲法を制定してと、こういうことはいくらでも言えるわけです。じゃあどうやったらやれるのか。そこまで含んだ現実的な思想、あるいは方策戦略を提出しなければならないわけであります。そういう意味で、例えば、もう一つ例をあげれば、開国というのをやたらと言った人たちがいました、維新の人たちの中に。開国というものは苦渋の選択で選ばれた日本の明治維新。それによって大変な不平等条約を関税自主権を奪われるような不平等条約をやった。それでも開国をせざるをえなかった。この状況の中で、どうやって私たちは国の自主権を作り上げていくか。富国強兵という言葉の中に、我々は作っていったわけであります。それをやる汗と努力を忘れて、ただ、腕を組んでだめだ、だめだ、根性がない、売国奴だ。こんなことを言っている連中はまったくだめであります。残念ながら、ちょっと月曜日、これは私の大先輩で先生ですけれど、井尻先生が、安倍支持、またTPP反対だけれども、何か元気がございませんでした。体調の問題もあったかもわからないけれども、そういう問題ではなくて、私はやっぱり保守がしっかりと、なぜTPPに反対し、そしてなぜ安倍政権を支持するのか、このことをはっきりと打ち出さなければならないと思います。それが言えないなら、政治について言うことは、それこそ懐手でああだこうだ言っている連中と同じことになってしまう、ということであります。

私たちは日本を主語とした保守国民運動を展開していく、そういう中で、先日も紹介しましたが、典型的な安倍さんの決意を示す言葉があります。これは防衛大学の卒業生に向けた贈る言葉、この中の言葉であります。終わりの方に彼は言っております。黄色い部分であります。「今日、この場所から、それぞれの現場に踏み出す諸君に、最後にこの言葉を贈りたいと思います。批評するだけの人間に価値はありません。真に誠に賞賛しなければならないのは泥と汗と血で顔を汚し、実際に現場に立つ者です。勇敢に努力する者であり、努力の結果としての過ちやいたらなさを持ち合わせた者です。批評するだけの人間に価値はありません。」安倍さんの周りには、たくさんの文化人がおります、ブレーンもおるでしょう。しかし、彼が非常に冷徹にあれこれはやしたてる文化人たちを見ているのは、批評するだけの人間に価値はありませんということです。実際にこの混迷する世界の中で、戦国時代とも言えるこういう中で、政治を行い、日本を守り、日本を発展させていく、そういった責務をおった首相から、これは自分の言葉だと考えていいと思います。これはセオドア・ルーズベルト、言うことでありまして、この言葉を米西戦争に義勇軍として参加したルーズベルト大統領、セオドア・ルーズベルト大統領の言葉であります。大変な親日家であったとも聞いています。こういう言葉。「批評する人間、批評するだけの人間に価値はない。真に賞賛しなければならないのは、泥と、汗と、血で顔を汚し、実際に現場に立つ者です。勇敢に努力する者であり、努力の結果としての過ちやいたらなさを持ち合わせた者です。」自分のことでしょう、これはね。第一次安倍内閣の時、こういう形でほんとうにどん底に落ちた人間が、そのことを自分から言うわけにはいかない。こういうことに託して、青年たちに、青年将校たちに託して、諸君とともに私はあると言っておりました。これがTPPの本質であると私はあらためまして安倍政権支持、TPP絶対反対、こういうことこそ、日本を本当に戦後レジームの道を歩んでいく大道であると自信を持ってみなさんにお話を申し上げたいと思います。今日は長くなりましたが以上であります。

(出典: チャンネル桜「【直言極言】安倍支持とTPP絶対反対」2013年3月22日)


弁護士、衆院議員・稲田朋美 普天間のツケをTPPで払うな

TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)議論が沸騰している。

TPPは全てのモノの関税を原則即時撤廃し、サービス、貿易、投資、労働などを自由化することを目標とし、現在9カ国が交渉中だ。当然ながら、交渉参加国それぞれに思惑がある。例えば、米国は、アジア太平洋地域への輸出と国内雇用の拡大、地域でのリーダーシップの強化を狙っている。

≪なし崩し的な譲歩必至の交渉≫

では、日本の戦略は何なのか。イメージ先行で抽象的な決め付けではなく、冷静かつ戦略的な見極めと判断が必要だ。「バスに乗り遅れるな」と推進派は言うが、バスは乗り遅れるかどうかよりも、「行き先」が重要である。「行き先」が分からない、しかも間違いに気づいても途中下車できないバスに国民を乗せてはならない。

TPPが、将来の日本の国柄に重大な影響を及ぼすことは明らかで、交渉に参加するなら、国会での十分な議論が不可欠だ。だが、どうやら衆院予算委員会で1日だけ集中審議し、12日からのAPEC(アジア太平洋経済協力会議)首脳会合で野田佳彦首相が交渉参加を表明するらしい。外務委員会で玄葉光一郎外相に質(ただ)したが、参加決定手続きは未定、最終的には首相判断という曖昧答弁だった。

もともと、民主党は、昨年の参院選のマニフェスト(政権公約)でも全くTPPに言及せず、菅直人前首相の昨年10月の所信表明で突如浮上してきた。しかも、今に至るまで、交渉参加の原則的な方針すら決まっていない。コメにかける関税をどうするのか。輸入食品、医薬品、化粧品の安全基準はどうなるのか。海外の弁護士や外国人労働者の規制なくして、国民の生活や雇用は大丈夫なのか。

農業をスケープゴートに議論を矮小(わいしょう)化せず、ISD条項(投資家と国家間の紛争条項)による司法権、立法権の侵害の問題や最大の非関税障壁とされる国語は守れるのかという文明の危機の問題として議論しなければならない。正確な情報も発信されず、交渉に参加すべしとか、ルールを作るとか、途中で脱退できるのできないの、と抽象的な議論に終始しているようでは、全てをなし崩し的に譲歩することになるのがオチである。

≪取り返しつかぬ外交の失政≫

民主党は小泉構造改革による格差拡大を批判して政権を取った。それがなぜTPP推進なのか。壊滅的な打撃を受ける農業についても、平成21年の衆院選などで、自民党の規模拡大農政は零細農家を切り捨てると批判し、戸別補償で全農家を救うと豪語して農村票を取り込み、政権交代を果たした。TPPによる自由貿易と競争力強化そして規模拡大を核とする農業構造改革を訴える資格はない。

さらに、普天間の失政の埋め合わせにTPPを利用することは国益を大きく損なう。子ども手当、戸別補償、高校授業料無償化、高速道路無料化の、いわゆる4Kに代表される大衆迎合的な財源なきばらまきは、自民党が政権を奪還して、やめればすむ。だが、外交の失政は取り返しがつかない。

民主党政権の最大の失政は普天間と尖閣だ。普天間飛行場の県外移転というできもしない公約で日米関係をがたがたにし、尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件での弱腰外交で世界中から足元を見られている。閣僚は竹島も北方領土も「不法占拠」と言えなくなった。韓国は竹島に次々に構造物を造り、ロシアは大統領が北方領土を訪問したが、日本はまともに抗議すらできない。こんな民主党に国益がかかる外交を任せておけようか。

≪日本独自の対外発信の放棄だ≫

TPPは米国の輸出拡大と雇用創出のためにある。普天間で怒らせた米国のご機嫌を取るために交渉に入るとすれば、政権維持のために国を売る暴挙だ。これ以上の失政の上塗りはやめるべきだ。

日本は中国でも米国でもない「道義大国」として独自の価値観を世界に発信する責務がある。だから、日米同盟は重要だが、「中国を囲い込む」という理由で、米国に同化するわけにはいかない。米国で今、大きな社会問題になっているウォール街占拠デモは、米国の強欲資本主義の歪(ゆが)みによるもので、ある種の共感を覚える。

日本は一握りの極端に裕福な人と多数の貧しい人の国ではなく、額に汗し努力した人が報われる、頑張りながら報われなかった人も助ける社会を目指すべきだ。日本型資本主義は、富を創出し、社会を豊かにした人が豊かになるものでなければならない。コンピューターを駆使した不公正な株取引や法の不備をついて巨額の富を得ることが称賛されることなく、「不道徳」と指弾される国である。

日本は「儲(もう)けたもの勝ち」「何でもあり」を是正し、カジノ資本主義を正す責務がある。TPP参加は、そういう役割を自ら放棄することになる。なぜなら、TPPは米国の基準を日本が受け入れ、日本における米国の利益を守ることにつながるからだ。それは、日本が日本でなくなること、日本が目指すべき理想を放棄することにほかならない。TPPバスの終着駅は、日本文明の墓場なのだ。(いなだ ともみ)

(出典: 産経新聞2011年11月7日)



「考えは変わっておりません、状況が変わっただけでございます。」

(出典: 2013年5月15日参議院予算委員会での稲田朋美の答弁)


小泉元総理と安倍総理は同じと言った竹中平蔵氏

先日、京都で竹中平蔵氏の講演会があり、「原子力政策以外は小泉元総理と安倍総理は同じ」と竹中氏は発言したそうです。これが本当なら由々しき事です。そもそも竹中氏は小泉内閣の構造改革の司令塔として新自由主義路線を牽引してきた人物です。言わば自民党が下野した最大の原因を作り出した人です。そのため、未だに党内では竹中氏に対しては厳しい批判の声が聞かれています。

その竹中氏が、第二次安倍政権が発足するや、産業競争力会議の委員として総理に政策提言する立場になることには大勢の方が心配していました。私もその一人で、安倍総理に対して、新自由主義的政策とそれを主唱してきた竹中氏の登用を避けるべきとの諫言も敢えてしてきたのです。

総理は、竹中氏の非登用は拒まれましたが、新自由主義ではなく「瑞穂の国の資本主義」を目指すとし、アメリカ型の新自由主義とは一線を画すと明言されたので、私たちは政策の行方を見守ってきたのです。しかし、当の本人である竹中氏が小泉元総理と安倍総理が同じと言うに至っては何をか言わんやです。

(西田昌司: 機関紙showyou第79号「安倍内閣に死角はないか」2014年7月25日)
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