延長される悪夢
自民党総裁任期「連続3期9年」へ。
自民党総裁の任期が「連続3期9年」へと延長されることが決定され、2020年の東京オリンピックを安倍政権の下で迎えることが現実化してきました。
「日本文明の墓場」であるTPPの国会承認もまもなくなされようとしていますが、安倍晋三が、仮に9年間総理大臣の座に座り続けるとするならば、2012年12月の安倍政権発足以来まもなく4年になろうとしている現在、まだ行程の半分の段階にもきていないことになります。
WJFプロジェクトが、書きかけの小説『グローバリズムと神道』において、下の様に予想した通りの展開です。
「日本文明の墓場」であるTPPの国会承認もまもなくなされようとしていますが、安倍晋三が、仮に9年間総理大臣の座に座り続けるとするならば、2012年12月の安倍政権発足以来まもなく4年になろうとしている現在、まだ行程の半分の段階にもきていないことになります。
自民総裁任期延長 際立つ「安倍1強」1カ月余りで決着
自民党総裁の「連続3期9年」への任期延長は9月の議論開始からわずか1カ月余りで決着し、「安倍1強」の党内状況を際立たせた。2018年9月に2期目の総裁任期満了を迎える安倍晋三首相にとっては次期総裁選での3選出馬が可能となり、政権運営の幅が広がったが、経済再生など難題も抱える。
「一人も反対意見がなく議論は熟したと判断した。全会一致だ」。自民党の高村正彦副総裁は26日の「党・政治制度改革実行本部」総会後、記者団にこう強調した。
任期延長の党内議論は二階俊博幹事長が7月に安倍首相の任期延長容認を表明したのが発端。高村氏が実行本部を設置して党内議論を主導した。9月20日の初会合以降の役員会はわずか4回。その間、ほとんど異論は出なかった。
スピード決着したのは、安倍首相を脅かす対抗馬が見当たらない党内状況が背景だが、二階氏ら有力者がこぞって任期延長の流れを作る構図は異例だ。党内の権力争いを活性化につなげてきた自民党の伝統が揺らいだとも言える。首相経験者は「みんな、安倍首相にこびている。情けない」と漏らす。
安倍首相にとっては憲法改正の任期内実現や、2020年東京五輪・パラリンピックも見据えた政権運営も可能となる。高村氏が26日に示した任期見直し案では、少子高齢化など長期的課題に向けた「大胆な改革」の実現や国際社会での存在感向上などのメリットを指摘した。
もっとも安倍首相に「3期9年」の任期が保証されたわけではない。菅義偉官房長官は記者会見で「国政選挙での国民の審判というハードルを越える必要がある」と指摘した。
年明けの衆院解散がささやかれる中、次期衆院選の結果は安倍首相の求心力に直結する。3期目も19年夏に参院選が控える。直後の19年10月には消費税率10%への引き上げが予定され、「経済再生最優先」を掲げる政権がいかに効果的な対策を打ち出せるかが問われる。首相側近は「これまで圧勝してきた分、選挙で勝ち続けるのは大変だ。負ければあっという間に退陣論が出る」と話した。
(出典: 毎日新聞 2016年10月26日)
WJFプロジェクトが、書きかけの小説『グローバリズムと神道』において、下の様に予想した通りの展開です。
「明治の開国によって、我が国は、アジアで最初の近代化に成功し、大きな飛躍と発展を遂げました。あれから、ちょうど一五〇年が経過した三年前、我が国は、自由、民主主義、基本的人権、法の支配といった価値観を共有する環太平洋の国々と共に、公正で開かれた経済圏を作るため、TPP協定への批准を果たし、新しい百年への扉を開くことができました。わたくしは、日本の総理大臣として、二度目の東京オリンピックというこのグローバルなスポーツの祭典を通して、世界の皆さんと共に、我が国の新しい門出を祝うことができることを、心からうれしく思います。」
誇らしげな表情をたたえた、あの男の、以前にもましてむくみきった顔がテレビ画面いっぱいに映し出されたとき、私は、思わず目を背けずにはいられなかった。
二〇二〇年七月二十四日。
本日は、東京オリンピックの開会式の催行日。五輪開会に先立って、昨日行われた総理大臣会見の様子が再放送されていたのである。
そうだ。あの男は、自民党総裁公選規程の改定によって、政権発足から数えて八年が経過した二〇二〇年の今日も、総理大臣の椅子に座り続けている。
福島の汚染水は「アンダー・コントロール」の状態にあると、あの男が、世界中の人々を欺いて勝ち取った五輪招致。それは「勝ち取った」というよりは、国民の上に「降りかかった」、一つの災厄に他ならないことが明らかになるまで、多くの時間を要さなかった。
TPP批准から三年が経ち、私たちの国の風景はすっかり変わり果てた。もうどうにも後戻りのできない段階まで、この国の形は壊れている。私は、国の亡びを食い止めることのできなかった、敗れた国の、敗れた世代の一人である。
なぜ、こうなってしまったのか。
いつか、未来のどこかの時点で、私たちが犯した過ちを糺してくれる知恵と勇気のある人々が現れることを願って、私は、ここ数年におきた変化をつぶさに振り返り、書き記さずにはいられない。
たとえ、この手記が、地球外の知的生物に向けてパイオニア探査機と共に打ち上げられ,今も宇宙のどこかを漂うであろう、あの金属板のように、誰の目にもふれることのない独白に終わったとしても。
(出典: WJFプロジェクト「小説『グローバリズムと神道』(1)」2015年12月20日)