協同組合主義は、日本の伝統・風土に合致する
協同組合とは何か。
昨日、「農水史に残るJA幹部の勘違い発言に、小泉進次郎氏がぶち切れ!『農協改革は終わらない』と決意を新たにした」という産経新聞の記事を紹介しましたが、同じ記事を掲載したYahooニュースのコメント欄を拝見すると、案の定、農協を叩くと同時に、小泉進次郎を絶賛するコメントであふれかえっています。
自民党や、産経新聞の記事の目論見通りに、人々は踊らされています。
中でも、
「父の郵政民営化も凄いが、全農JAの改革はもっと大変かも?。進次郎....がんばれー」
というコメントには呆れてしまいます。
橋本行革から小泉行革(郵政民営化)に至る一連の構造改革が、明治時代以来、日本の国家建設を長く支えてきた財政投融資という伝統的な経済の仕組みを破壊し、実体経済から日本人のお金(血液)を吸い取って金融経済へと輸血し、国民経済を貧血状態に陥らせ、「失われた二十年」をまねくことになったという、その程度の認識にすら、ほとんどの日本人は辿り着いていません。
マスコミに煽られるまま、農協を叩いている人たちは、そもそも「協同組合」とは何なのか理解しているのでしょうか。
Wikipediaの記事が協同組合についてわかりやすくまとめていますので、引用してみたいと思います。
資本主義でもなく、社会主義でもなく、折衷的な「第三の道」を進もうとする協同組合主義は、共同体の自治管理によって農村経営が行われていた日本の伝統や風土に合致するものでした。そうであるからこそ、世界に先駆けて、すでに江戸時代から協同組合を形成しようとする試みが日本において為されていたのだと思います。
協同組合は、組合員の自主的な運営にゆだねられるべきものですから、仮に農協に改革すべき点があったとしても、それは、組合員の意志にゆだねるべきであり、政治が介入するようなことではありません。
協同組合主義が、日本の固有の伝統や風土に合致するものだからこそ、あらゆる領域において日本の産業を、グローバル化し、金融資本主義の体系の中に取り込みたい新自由主義者たちにとっては、協同組合はじゃまなものでしかありません。
新自由主義を信奉する自民党の国家破壊者たちが、農協を破壊し、協同組合という日本の伝統や風土に合致した農業経営のあり方を破壊して、日本の農業を株式会社化したり、グローバル化したりするようなことを許してはなりません。
小泉進次郎の、美辞麗句やパフォーマンスに騙されてはなりません。
mas***** | 2016/10/14 10:24
JAの職員と家族を養うことは、JA自身が考えて、工夫して、
やり繰りすべきことで、安易に生産者から手数料として徴収する
のは、違うと思う
nar***** | 2016/10/14 10:23
父の郵政民営化も凄いが、全農JAの改革はもっと大変かも?。進次郎....がんばれー
bil***** | 2016/10/14 10:41
そもそもJAは手数料とやらに見合った仕事してるの? って会話をした方が良いんじゃないか。
kou | 2016/10/14 10:26
>「手数料は切れない」とする神出氏の発言
手数料で儲けるビジネスモデルは古いですね。
そもそも本来は、農家があってこそ全農が成り立っているのに、
いつの間にか、
農家の上に立って農家からの利益を搾り取っているのが現状です。
bau***** | 2016/10/14 10:37
1割近い手数料は自分の感覚ではちょっと高すぎ。JAは手数料が妥当と考えているなら、その算出根拠を示して、率に見合った働きをしていることを示すべきだ。JA職員とその家族の生活のためって、進次郎が ブチ切れるのもわかる。
den***** | 2016/10/14 11:20
中々素晴らしい意見だと思います。
手数料を税金に置き換えると、公務員や議員にも言えることですね。
tan***** | 2016/10/14 10:29
小泉の言う通りじゃないか、組織を維持するために金を集金するなんて本末転倒も甚だしい。
そんなことだから日本農業がどんどん衰退していく。
食料自給率(これにも問題アリだが)を向上させたければここに踏み込まないと。
いい部分は残していいが、悪い部分はどんどん切り捨てるくらいでないとね。
scr***** | 2016/10/14 10:31
頑張れ進次郎。牙城を崩さなければ明日はない。
nao***** | 2016/10/14 12:22
進次郎さん頑張れ!
約一割って…!手数料が高過ぎてビックリしました!!!!
(出典: Yahooニュース2016年10月14日)
自民党や、産経新聞の記事の目論見通りに、人々は踊らされています。
中でも、
「父の郵政民営化も凄いが、全農JAの改革はもっと大変かも?。進次郎....がんばれー」
というコメントには呆れてしまいます。
橋本行革から小泉行革(郵政民営化)に至る一連の構造改革が、明治時代以来、日本の国家建設を長く支えてきた財政投融資という伝統的な経済の仕組みを破壊し、実体経済から日本人のお金(血液)を吸い取って金融経済へと輸血し、国民経済を貧血状態に陥らせ、「失われた二十年」をまねくことになったという、その程度の認識にすら、ほとんどの日本人は辿り着いていません。
マスコミに煽られるまま、農協を叩いている人たちは、そもそも「協同組合」とは何なのか理解しているのでしょうか。
Wikipediaの記事が協同組合についてわかりやすくまとめていますので、引用してみたいと思います。
協同組合
協同組合(きょうどうくみあい)は、共通する目的のために個人あるいは中小企業者等が集まり、組合員となって事業体を設立して共同で所有し、民主的な管理運営を行っていく非営利の相互扶助組織。連帯経済の主要な担い手である。
世界の協同組合
1491年、世界で初めての協同組合であるThe Shore Porters Societyがスコットランドのアバディーンに設立された。
江戸時代の天保年間(1830-44年)に、農村指導者の大原幽学の創案で下総国香取郡長部村(現・千葉県旭市長部)で「先祖株(せんぞかぶ)組合」という農村救済の仕組みが作られた。先祖株とは出資金(土地)で、運用益により破産した農家を救済するなど、農村の荒廃を防ぐ策がとられ、農業協同組合の原形で「世界初」の協同組合ともいわれる。だが、幕府の弾圧で組合は解散、幽学は自決に追い込まれた。
1844年、最初の近代的な協同組合とされる消費組合ロッチデール先駆者協同組合がイギリスのマンチェスターの郊外で設立された。
1895年、イギリスのロンドンで、国際協同組合同盟 (the International Co-operative Alliance: ICA) が設立された。2011年8月現在、本部はスイスにあり、94カ国の254団体が加盟し、傘下の協同組合の総組合員人数が10億人を超える世界最大の非政府組織 (NGO) となっている。
ドイツ農村では金融を主とする信用組合が発達し、留学中これを見た平田東助は感銘を受け、日本の報徳社の事例とあわせて、産業組合法を作成した。
歴史的文脈での「協同組合主義」
上記の通り、日本では1900年に産業組合法が制定され、強い影響力を持つ大企業に対して零細企業の保護や連帯を進める政策が展開された。そのため、ここに活動の基礎を置く「協同組合主義」は、大資本の意向が最優先となる資本主義や労働者(戦前の「無産者」)の権利を拡大する社会主義とは異なる「第三の道」として提唱され、特に第二次世界大戦で敗北した直後、1940年代後半の日本では山本実彦を委員長とした日本協同党と協同民主党、そしてこれを継いだ国民協同党への流れとして続いた。これは資本主義を掲げる保守政党の日本自由党や民主党、社会主義・共産主義の実現を求める革新政党の日本社会党や日本共産党とは一線を画した中道政治勢力として機能した。日本協同党は多くの議員が公職追放対象者となって大きな打撃を受けたが、全国各地で結成された地域政党からの合流によって協同主義勢力は発言力を維持し、1947年から1948年までの片山内閣と芦田内閣では、国民協同党は社会党や民主党と組んだ三党連立内閣の与党となった。
その後、保守勢力の改編が続く中で国民協同党は呑み込まれ、最終的には船田中など多くのメンバーが1955年の保守合同で成立した自由民主党に参加して「協同組合主義」の主張は姿を消したが、国民協同党の委員長(党首)として片山内閣の逓信大臣を経験した三木武夫は自民党で三木派を率い、最左派の非主流派として保守傍流に置かれながらも、1974年に自由民主党総裁・内閣総理大臣となって三木内閣を組閣した。三木は首相として市場を独占する大企業の分割を含む独占禁止法改正を目指し、大幅な修正や曲折を経て社会党を含む野党の支持により同法案を衆議院で通過させたが、参議院では自民党内の反発を抑えられずに廃案になり、党内孤立による三木の影響力低下の一因となった。ただし、1976年の下野後も含め、三木の政治哲学には「協同組合主義」がずっとあったという指摘が妻の睦子、さらに政治路線では三木とは異なる中曽根康弘などからなされている。
(出典: Wikipedia「協同組合)
資本主義でもなく、社会主義でもなく、折衷的な「第三の道」を進もうとする協同組合主義は、共同体の自治管理によって農村経営が行われていた日本の伝統や風土に合致するものでした。そうであるからこそ、世界に先駆けて、すでに江戸時代から協同組合を形成しようとする試みが日本において為されていたのだと思います。
さらにもう一つ重要なことは、幕府や藩は本来は軍事機構であって、武士は村や町の政治を行ったことがなかったこと。村や町の政治は、村や町という政治組織・生活共同体が担ってきた。従って幕府や藩には、村や町を統治するための知識も経験も不足しており、民政統治や農政などのさまざまな産業政策はなかった。幕府や藩は、それぞれの場所でそれぞれの時代に起きた具体的な出来事に対処する個別の方針を出したに過ぎない。以上の事から、江戸時代は国(=幕府)の農業政策と言うようなものはなく、藩や村落が共同体自主管理により自らが農業政策を決定し、実施する時代であった。まさに、本当の民主の時代であったといえるのでは無いだろうか。
(出典: 新しい「農」のかたち「【コラム】江戸時代の農業政策」)
協同組合は、組合員の自主的な運営にゆだねられるべきものですから、仮に農協に改革すべき点があったとしても、それは、組合員の意志にゆだねるべきであり、政治が介入するようなことではありません。
協同組合主義が、日本の固有の伝統や風土に合致するものだからこそ、あらゆる領域において日本の産業を、グローバル化し、金融資本主義の体系の中に取り込みたい新自由主義者たちにとっては、協同組合はじゃまなものでしかありません。
新自由主義を信奉する自民党の国家破壊者たちが、農協を破壊し、協同組合という日本の伝統や風土に合致した農業経営のあり方を破壊して、日本の農業を株式会社化したり、グローバル化したりするようなことを許してはなりません。
小泉進次郎の、美辞麗句やパフォーマンスに騙されてはなりません。
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