あなたはこの話を信じますか

「アメリカを含む人類は、普通に『中国共産党の属民』と化すことになるでしょう。」
諸法の佛法なる時節、すなはち迷悟あり、修行あり、生あり、死あり、佛あり、衆生あり。萬法ともにわれにあらざる時節、まどひなくさとりなく、佛なく、衆生なく、生なく、滅なし。佛道もとより豐儉より跳出せるゆゑに、生滅あり、迷悟あり、生佛あり。しかもかくのごとくなりといへども、花は愛惜にちり、草は棄嫌におふるのみなり。

(出典: 道元禅師『正法眼蔵』)


道元禅師のように、一言一句もゆるがせにせず、20年以上の歳月をかけ、精神を研ぎ澄まして細心の注意をもって書かれた、世界の遺産とも言うべき格調の高い文章を残す人間もいれば、三橋貴明のように自民党という特定集団の利益のために、日々でたらめなホラ話を並べて人々を欺く人間もいる。

人間は、どこまでも気高くあろうと努めることもできれば、どこまでも卑劣で俗悪な存在に成り下がることもできる生き物のようです。

繰り返しますが、最初にエクサスケールの領域にたどり着いた国に、「二番」以降の国は永遠に追いつけません。このままでは、中国共産党が人類で最初にエクサスケールの領域に辿りつく可能性があるのです。

アメリカを含む人類は、普通に「中国共産党の属民」と化すことになるでしょう。分かりやすい書き方をすると、中国共産党に支配されたマトリクスの世界です。

スーパーコンピューターの能力は、国力です。

中国共産党は、そんなことは理解しているからこそ、スパコンの開発に10兆円を超す資金を注ぎ込み、留学生をアメリカに送り込み、優秀な人材を自国に戻し、スパコンの開発に従事させているのです。

さあ、どうしますか?

日本は、本当に素敵な国です。わたくしは、この素晴らしい日本以外で暮らすことなど、全く考えたことがありません。この素晴らしい日本に対し「反日活動」をしている連中は、全員、国外に出て行けばいいのにと本気で思っています。

とはいえ、今まで「素晴らしい日本」だったからと言って、これからもそうであるなど、誰も保証してくれません。素晴らしい日本を「素晴らしい」ままで維持するためには、戦わなければならないのです。 

現時点では、日本国が最初に「エクサスケールの領域」に辿りつく可能性は残っています。

これ以上、くどくどと書く気はありませんが、いずれにせよ現在の我が国は「日本は強い」「中国はダメ」などと、単純化された国粋主義に染まっていられる状況ではないという「現実」をお知らせし、本エントリーを締めたいと思います。

さあ、どうしますか?

(出典: 三橋貴明ブログ「人類の危機とエクサスケールの領域」2016年6月23日)


「さあ、どうしますか?」「さあ、どうしますか?」と読者の決断を煽りながら、三橋貴明が述べていることは、つまりこうです。

アベノミクスの一環として「第四次産業革命」を推進する安倍自民党に参院選で投票せず、「二番じゃダメなんですか」という考えに甘んじる野党に投票すれば、中国のスパコンが最初に「エクサスケールの領域」に到達する事態を許すことになる。中国が最初にエクサスケールコンピュータの開発に成功すれば、中国共産党に全世界を支配され、残りの人類は永遠にその支配を覆すことができなくなると、SFチックなホラ話で、読者を脅しているのです。

アメリカを含む人類は、普通に「中国共産党の属民」と化すことになるでしょう。


三橋も今回はずいぶん大風呂敷を広げたものだと呆れるばかりですが、このばかばかしい与太話が嘘であることぐらい、子どもでも分かります。

三橋の主張によれば、スパコンで「エクサスケールの領域」に到達した国が世界を支配するそうですが、仮に、日本が最初に「エクサスケールコンピュータ」の開発に成功し、「世界を支配」することになったとしましょう。

しかし、そのことをもって、二番目以降の国々のスパコンが、後追いで「エクサスケールの領域」に到達することを阻止できるかといえば、それが不可能なことは、核兵器の開発に最初に成功したアメリカが、その後、ソ連や中国が後追いで核兵器を開発することを阻止できなかった例を思い出せば、簡単に理解できます。

最初の開発に成功すれば、永遠に世界を支配できるようになる技術革新など、この世には存在しないのです。

技術革新の歴史とは、ブレークスルーの歴史であるのと同時に、新しく生み出された技術が広く拡散され、陳腐化していく歴史でもあるからです。

繰り返しますが、最初にエクサスケールの領域にたどり着いた国に、「二番」以降の国は永遠に追いつけません。


と述べる三橋貴明は、明らかに嘘をついています。

また、「エクサスケールの領域」に中国のスパコンが最初に到達すれば、中国が世界を支配するかといえば、この指摘も全く荒唐無稽なホラ話です。

中国がエクサスケール・コンピュータの開発に成功するほど、中国国内で「第四次産業革命」が進展すれば、まず第一に考えられるのは、供給力が過剰となり大量の失業者が中国国内に発生するという事態です。すると、中国の政情は不安定化し、世界を支配するどころの話ではなくなってしまいます。

三橋貴明自身、今年の1月25日の時点では、「第四次産業革命」によって供給力が極端に高まれば、失業者が大量発生する「ハイパーデフレーション」の時代に突入し、エクサスケールコンピュータによって安全保障を担う国家の役割すら「不要」になると、現在と全く逆のことを述べていました。

「前」特異点の時代において、供給能力が極端に高まり、「ハイパーデフレーション」の時代が到来したとき、果たして我々の生活やビジネスはどのように変わるのか。国防は? 防災は? 医療は? 食料安全保障は?

例えば、エクサスケールコンピューターが実現し(します)、小型核融合炉の実用化が早まった場合、冗談抜きで世界は「エネルギーフリー(無料)」の時代に突入します(すでにロッキードマーチンやMITが開発を進めています)。エネルギー以外の各生産能力も極端に高まり、コモディティがあふれかえる世の中になったとします。そうなれば、「安全保障」を担う共同体としての国家の役割は縮小し、あるいは「不要」になるかも知れません。

(出典: 三橋貴明ブログ「シンギュラリティ(技術的特異点)」2016年1月25日)


エクサスケールコンピューターによって国家が不要になるだろうという半年前の三橋の指摘が正しいならば、エクサスケールコンピューターの開発は、中国共産党の世界支配につながるどころか、中国共産党にとっての自死行為ですから、彼らにどんどんやらせればよいということになります。

消費税増税延期が発表された今年6月1日の安倍総理記者会見の前日、三橋貴明は、「第四次産業革命によって日本がデフレから脱却できる好機を迎えている」などと述べ、「第四次産業革命によって『ハイパーデフレーション』の時代が到来する」という半年前の自分の言葉と真逆のことを既に言い始めていました。

参考記事: 「国語の時間: 情報リテラシーの実践演習(3): 解答編」(2016年6月5日)

このように、選挙が近づくと、平気で、それまで自分が述べていたことと正反対のことを言い出してはばからないのが、三橋貴明という言論人の顕著な特徴です。

そもそも、中国による世界支配を心配する以前の問題として、三橋貴明によれば、中国経済はとっくに崩壊しているはずなのですが、その話はどうなったのでしょうか。

今、日本に必要なのは、文明の暴走、資本の暴走にこれまで以上に拍車をかけるどころか、逆に、ブレーキをかけ、自然と合致したゆるやかなスピードで文明が進展していく、長期間持続可能な、伝統的な日本型の社会を取り戻すことです。

縄文文明は、一万年も続いた文明であり、同一文明がそんなにも長く持続した例は、世界史の中で他に例がありませんし、青森県にある縄文時代の遺跡である三内丸山遺跡は、縄文時代の人々が1500年もの間、同一集落で暮らし続けていた痕跡ですが、同一の集落や都市が1500年も維持されていた例も、世界史の中でも極めてまれです。縄文人たちは、太古の昔にそのような奇跡を、日本列島の上ですでに成し遂げていたのです。

この素晴らしい日本に対し「反日活動」をしている連中は、全員、国外に出て行けばいいのにと本気で思っています。


と三橋は言いますが、「この素晴らしい日本に対し『反日活動』をしている連中」の筆頭にあげなければならないのは、TPPや移民という亡国政策をこの三年間飽くまでも推進し、これからも推進しようとしている安倍自民党であるはずです。

「全員、国外に出て行け」と言うのであれば、三橋貴明は、安倍の悪政に加担してきた自民党の全議員と自分自身に対して、真っ先に「全員、国外に出て行け」と言うべきです。

三橋貴明の望み通り、野党という貴重な抵抗勢力を国外に追放してしまえば、待ち受けているのは自民党の独裁です。

自民党の独裁が続く限り、これからも、日本の国家破壊はとめどもなく続いていきます。

三橋貴明やチャンネル桜を中心とする「インチキな仕立て屋」たちは、三年前の参院選のときにも、

尖閣諸島が危ない→戦争の危険性が高まっている→日米同盟を強化しなくてはならない→日米同盟のためならTPP交渉参加もやむをえない→自民党に投票せよ


という論法を使い、中国脅威論を煽り立てることによって、安倍政権の支持へと人々を誘導しました。

どうして、三橋貴明は、選挙前のこの時期に再び、三年前と同じ手法を繰り返そうとするのでしょうか。

こういう事実を目にしても、いまだに「三橋先生はさすがだ」「三橋先生が最後の希望だ」と言い続けている人たちは、三橋貴明という人物の正体が、本当に理解できないのでしょうか。
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