中国は「領海侵犯」を犯したか

いいえ。
参院選前のこの時期、まるで中国の軍艦が「領海侵犯」を犯したような扇動がマスコミによってなされ、無知な人々がこの扇動を鵜呑みにしてしまっています。

『領海侵犯!シナ公船は、来て当然・・・』

尖閣諸島の接続水域での軍艦の侵入や、公船による領海侵犯など中国の挑発が相次いで発生していますが、これを不思議がる評論家が多過ぎます。理由は単純明白で、海保のサイトにアクセスすれば一目瞭然です。つまり尖閣諸島の日本の実行支配が安倍政権下で大幅に低下した結果、次のステージに移っただけなのです。

(出典: みぬさよりかずブログ「蓮舫と中国の日本侵略」2016年6月17日 )


中国海軍の艦船が日本の領海内を通航したのは事実です。

中国海軍の情報収集艦、鹿児島県沖の領海に侵入

防衛省は15日、中国海軍の情報収集艦1隻が同日未明、鹿児島県沖の領海に入ったと発表した。

中国の軍艦による日本領海への侵入が確認されたのは、2004年11月の原子力潜水艦による領海侵犯事件以来2回目。日本政府関係者によると、中国側は、国際法で認められている無害通航の認識を示しているという。政府は無害通航だったかどうかの分析を進めている。外務省は同日、在日中国大使館に「懸念」を伝えた。

中国軍艦は9日、沖縄県・尖閣諸島の接続水域に初めて進入し、政府は中国側に抗議したばかり。政府は今後も中国軍艦の活動が活発化すると見て警戒を強める方針だ。

防衛省の発表によると、15日午前3時30分頃、海上自衛隊のP3C哨戒機が、鹿児島県・口永良部島西の領海内を南東方向に進む中国海軍のドンディアオ級情報収集艦1隻を確認。その後、中国軍艦は午前5時頃に屋久島南の領海内から出て、南東方向に向かった。

(出典: 読売新聞 2016年6月15日)


しかし、「他国の艦船が日本の領海内を航行すること」=「領海侵犯」かといえば、決してそうではありません。

「船種基準」ではなく「行為基準」を採る国連海洋法条約のような国際法は、たとえ軍艦であっても、通告なく他国の領海内を「無害通航」する自由を認めているからです。

日本も、1996年に国連海洋法条約(海洋法に関する国際連合条約)に批准していますから、そもそも日本政府は、中国海軍に対して、日本の領海内を通航してはならないと言う権利を持っていません。

読売新聞を筆頭とするマスコミは、「侵入」なる言葉を使って、「無害通航」という概念を知らない国民の不安を煽るべきではありません。

無害通航

無害通航(むがいつうこう Innocent Passage)は、沿岸国の平和・秩序・安全を害さないことを条件として、沿岸国に事前に通告をすることなく沿岸国の領海を他国船舶が通航することであり、内陸国を含めすべての国の船舶は他国の領海において無害通航権を有する。一方で領海の沿岸国は、自国の領海内において主権に基づき領海使用の条件を定めたり航行を規制することができるが、他国の無害通航を妨害する結果とならないように一定の国際義務が課される。1958年に採択された領海条約第14条4項では、無害通航とは「沿岸国の平和、秩序又は安全を害しない」航行と定義され、1982年の国連海洋法条約の第19条第1項では、前記領海条約第14条第4項で定められた無害性に関する定義が踏襲されたほか、国連海洋法条約第19条第2項では無害とみなされない活動が具体的に列挙された。

(出典: Wikipedia「無害通航」)


領海侵犯

外国船舶の自国領海内における「無害通航権」は国連海洋法条約で認められており、或る国の領海内へ外国の軍艦や民間船舶が進入したことをもって、ただちに領海侵犯と解釈されることはない。これは、歴史的に海洋を介して諸国民が交易を活発に行っていたことから、海洋を諸国民共有の財産と考える思想が背景にあり、「領海」は、許可のない「進入」をもってただちに「侵犯」と解釈される「領土」や「領空」と、国際法上での定義で大きく異なるのである。

(出典: Wikipedia「領海侵犯」)


狡猾なまでに高度な戦略性をもった中国共産党が、なぜ、わざわざ選挙前のこの時期に、中国海軍に、日本の領海内の通航を行わせるのか。

また、それを受けて読売新聞のような日本のマスコミが、なぜ、中国海軍が「領海侵犯」を犯したかのような誤解を国民の間に広めようとするのか。

彼らは、その行為が、日本の世論や選挙結果にどのような影響を与えるか、手に取るように知悉しているはずです。

一見、中国と戦っているかのようなポーズを取る安倍自民党政権に日本人が傾斜していくことに、計算高い中国共産党が気づいていないはずがない。

彼らは、まさにそのことをねらって確信犯的に今回の出来事を引き起こしていると考えた方がよいと思います。

中国共産党が、自民党・安倍政権の長期化を期待する理由は、この三年間の安倍政権の政策を振り返れば、明白です。

中国人へ発給85%増 過去最高、外務省統計

外務省は6日、2015年の査証(ビザ)発給統計を公表した。中国人に対するビザ発給の件数が前年比約85%増の378万773件となり、過去最高を記録した。観光ビザ発給要件の緩和や円安を背景に、団体旅行客と個人旅行客のいずれも大幅に伸びた。すべての外国人を対象にしたビザ発給件数も前年比66%増の476万8286件で過去最高となった。

発給件数全体に占める中国人の割合は約8割と圧倒的多数。沖縄県・尖閣諸島を巡る日中対立の影響で12年と13年に減少がみられたが、2国間関係の回復傾向に伴い、ビザ件数も増加した。

(後略)

(出典: 毎日新聞 2016年6月6日)


ソニー、ANA、SBら大手98社が中国の「買収ターゲット」に

経営再建中の東芝が中国の家電大手「美的集団」と白物家電の事業売却について最終調整に入ったと報じられている。台湾企業の鴻海精密工業におるシャープ買収と同様、アベノミクスの円安誘導路線は皮肉にも、中国による日本企業の“爆買い”を促している。ドル建てであれば、日本企業の株価が割安になっているからだ。

その実態を調査しているシグマ・キャピタルのチーフエコノミスト、田代秀敏氏は今後、中国が「買収ターゲット」に定めるであろう日本企業98社を、独自調査でリストアップした。

実はそれらの企業は、すでに中国によって買い進められている可能性が高いという。

(後略)

(出典: Newsポストセブン 2016年3月28日)


消費税増税を筆頭とする国民の負担増、海外への無節操な税金のバラマキ、金融緩和が引き起こす物価高、外国人労働者の受け入れがもたらす賃金低下圧力、非正規雇用の増大、国民生活の不安定化によって国内消費を減退させれば、当然のことながら、従来、日本人相手にビジネスを行ってきたホテルや旅館の中には、経営が立ちゆかなくなり、閉業を余儀なくされるところも現れます。

全国売りホテル旅館NAVIというサイトを見ると、現在、多くのホテルや旅館が売りに出されていることがわかります。

このように、日本経済を苦境に陥れる状況を片方で作りながら、円安によって、中国人をはじめとする外国人が、国内の不動産物件を買いたたきやすい状況を合わせて用意する。

さらに、政府が、国内の不動産の海外投資家への売却を、国家的な「戦略」として積極的に後押しする。

これが、「中国と戦っている」ハズの安倍晋三が、この三年間に行ってきたことの実態です。


(出典: WJFプロジェクト「『爆買い』される日本の観光地」 2016年3月30日


アフリカ有数の産油国スーダンに90年代から投資を続けた結果、南部に集中する油田に最大の権益を持つようになった国、中国。

(ちなみに、自民党政権が長く継続してきた「対中ODA=日本国民の税金」が、中国によるアフリカ諸国への経済支援のお金として活用され、アフリカでの中国の権益確立を助けてきました。)

スーダンの油田への投資と開発のために、イスラム過激派の温床ともなっている北部スーダンから、南部スーダンを切り離したいと願ったアメリカ。

この二つの大国が結託して、南スーダンを分離独立させ、国連安保理は南スーダン独立の前日にPKO派遣をただちに決定、日本政府にも自衛隊の派遣を要請。

国連は、あたかも南スーダンの平和と安定を願う中立な国際機関であるかのように振舞っていますが、南スーダンでの国連の活動には、油田開発を円滑に行いたい米中の意図が深く関与しています。

最近、可決成立した安保法制には、「改正PKO協力法」が含まれているため、PKO活動における武器使用条件が緩和されていますので、中国軍も参加しているUNMISS(国際連合南スーダン派遣団)を自衛隊が警護しなくてはならなくなりました。

安保法制の目的は、世界情勢を見渡せない、自称「保守」の人々が信じたように、日米が共同で「中国の脅威に対抗するためのもの」などではありません。

国家のための軍隊ではなく、企業の傭兵としての軍隊。

「軍と企業の同時関与」のための「安保法制」なのであり、それを牽引するのは、世界中に、共同で権益の網の目を広げてきた米中の二大強国です。


南スーダンは、まさにその「象徴」にすぎないのです。

(出典: WJFプロジェクト「南スーダンで米中の駒として利用される自衛隊」2015年09月24日 )


TPPを推進する人々の中には、「TPPは日米による中国包囲網だ」と述べる人々がいますが、これが事実でないことは、上のAPECに関する記事で報じられた通り、TPPが将来、中国を含めた形で、FTAAPへと拡大されていくことが、アメリカ、中国、日本など世界各国の首脳たちによって、既に織り込み済みであることからして明らかです。

(中略)

このように、安倍晋三は、中国と対峙するどころか、日本と中国が一体となる未来の実現を目指して、習近平と仲良く手を取り合って、驀進中です。

FTAAPが実現するということは、巨視的には、アメリカと中国の統合(チャイメリカ)が実現するということであり、日本を含めたアジア、太平洋圏の各国が、この「ワン・ワールド」にすっぽりと組み込まれていくことを意味します。

安倍信者たちは、「中国海軍が攻めてくるから安保法制が必要だ」「安保法制なしでは日本は中国に飲み込まれる」などと騒いでいますが、軍など一切使うことなく、日本は、米中が一体となって作り出す新しい世界の秩序に、羊のようにおとなしく組み込まれることが、すでに決定されています。


(出典: WJFプロジェクト「安倍晋三は中国と戦っていない」2015年8月7日)


アメリカと「中華」は、対立するどころか、今後ますます融和を深めていきます。そして、「日本が嫌い」という勢力と、「『国家』という枠組みが邪魔」と考える勢力は、混然と一つになって日本を包囲していきます。「国家」という枠組みを解体させていこうとする圧力は、これまで以上に強く加わっていきます。

その圧力に抗して、日本を守っていくには、私たちは上の二つの意味で確固たる「愛国者」でなくてはなりません。

従って、「中国が脅威だから、日米同盟を深めよう」という考えでは、これからの日本を守り続けていくことはできません。

アメリカにも「中華」にも傾斜しない、第三の道を進もうとする政党や政治家が今後立ちあがらなくてはなりません。第三の道とは、日本人が自らのもっている高いポテンシャルと日本文明の独自性に気づき、自分たちの高いポテンシャルを十分に発揮して自力で国を守り、国家として自立していく道です。そのためには、もっともっと多くの国民がそういう認識に変わっていかなくてはならないと思います。

(出典: WJFプロジェクト「愛国者の二つの意味」2013年1月31日)


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