蛙が茹で上がるまでの30年

日本没落の現代史。
変化はすぐには訪れない。

何が起きているのか国民が気づかない間に、変化はゆっくりと、そして着実に進行していく。

その変化の軌跡を簡単に振り返ろう。

80年代までの日本では、経営者、銀行、投資家、地域社会、労働者が、家族のように一体となって皆の利益をまもる家族型の経営が行われていた。政府の護送船団方式も親鳥が雛を守るように国内の銀行や企業を支えていた。

1980年代終わりの冷戦の終結によりアメリカの対日戦略が変更され、強大になった日本経済をアメリカの仮想敵とみなすようになった。(CIA長官が明確にそう述べた)

参照記事: 「なぜ、こんなことになったのか」(4) (2015年12月13日)

1989年、消費税導入。

90年代以降、日本経済の弱体化をねらうアメリカの要求に従う形で構造改革が繰り返され、日本政府による伝統的な護送船団方式の行財政運営が破壊された。

90年代前半バブル崩壊。

バブル崩壊後の景気後退を決定的にしたのは橋本政権の緊縮財政、消費税増税、構造改革であり、1997年以降、GDPの成長は横ばいとなる。自殺者が増大し3万人を超えた。


(画像出典: Googleパブリックデータ)


(画像出典: NTTコムリサーチ「自殺者数と景気の関係」)

橋本政権による金融ビッグバン(株式市場のグローバル化)の結果、 外国人投資家が日本企業の経営に口出しするようになり、「経営のグローバル化」という美名の下、従来の家族型の企業経営から株主利益を最優先にする企業経営にシフトするようになった。

株主利益を最大化するために、厳しいコスト削減が図られた。

1999年派遣法が改正され、派遣対象業務が原則自由化され、非正規雇用が一気に拡大した。

内需を支えていた分厚い中間層が破壊され、本格的に格差社会に突入。

不安定な低賃金労働により少子化に拍車がかかる。


(画像出典: Wikimedia Commons 「日本 出生数と合計特殊出生率の推移 1985年以降」)

国内消費が減退し、従来の高付加価値高品質の日本製の製品よりも、中国などの新興国の低賃金労働者に組み立てを行わせた価格の安い製品が売れるようになる。

90年代以降の構造改革の進展に合わせて、外国人労働者の数も増大。


(画像出典:社会実績データ図録)

生産拠点が次々に中国などの新興国に移転、産業の空洞化により雇用環境はますます悪化。 国内消費の冷え込みに拍車がかかり、新興国の後発企業との安物作り競争に巻き込まれていく。

かつての日本製品の高い品質は要求の高い日本人消費者が支えていたが、 日本人の購買力の衰えと、コスト削減、低価格低付加価値の製品の需要が高い新興国市場でのビジネスの拡大により、日本企業の国際競争力が失われる。

2009年民主党政権発足。連立を組んだ国民新党の亀井静香らの尽力もあり、郵政民営化や派遣法など、自民党が主導した構造改革路線の見直しがはかられる。

2012年12月、第二次安倍政権発足。かつての自民党の構造改革路線が復活するどころか、過去に類例のない規模の構造改革が断行される。

2014年4月、消費税が8%に増税。景気減速が決定的となる。

90年代以降の構造改革とグローバル化の帰結として、ソニーやシャープや東芝など、日本の名だたる企業が没落。

2016年2月4日、TPP協定文書に参加12カ国が署名。

2016年6月1日、安倍晋三が消費税増税の延期を発表。

2016年7月10日、第24回参議院議員通常選挙投票日。安倍晋三の消費税増税延期の決定を歓迎する有権者により自民党が圧勝。(予定)

冷戦終結後の日本の零落の背景には、日本の弱体化を目論むアメリカの長期的な対日戦略と、その実行を請け負ってきた自民党の存在がある。

ならば自民党が政権を取り続ける限り、日本の没落は避けられない。

消費税増税延期が発表されたが、お湯の温度が一気に上昇するように、変化が一気に訪れて、国民が一斉に危機に目覚めた方がいいのか。

これまでのように、ゆっくりとお湯の温度があげられていき、国民が気づかない間に茹で上がった蛙となったほうがよいのか。

どちらがよいのか、私にはわからない。
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