絶望さえも光になる

We Are THE One
BABYMETALを紹介した記事のコメント欄でいただいた「変なものを宣伝している余裕がどこにある? 」というご批判に、私は下のように返答しました。

BABYMETALは、絶望の闇を吹き飛ばす、日本の希望DEATH。

今、BABYMETALが世界中に引き起こしている現象は、海外でのこれまでのJ-RockやJ-Popやアニメの人気とは別次元のものです。

日本語の歌が、日本語のままで、(つまりグローバル・スタンダードに合わせて加工されない素のままで)、従来のweeaboo(海外の日本オタク)を超えた一般の人たちにも受けいれられています。

本人たちも、日本語の美しさを伝えたいという気持ちを明確に語っています。

BABYMETALの動画のコメント欄を読んでごらんなさい。

「日本語の歌が日本語のままで受けいれられている。英語ができなきゃこれからの時代生きていけないなんて嘘だ。過剰な英語教育なんていらない」

という健全なコメントが見られます。

BABYMETALが世界中の人たちに熱狂的に受けいれられているという現象を通して、政治に関心のない人たちも、政治にもつながる、様々なことを考えたり、気づいたりします。

イギリスのロックの聖地、ウェンブリー・アリーナで開かれたコンサートでは、最後に歌われた"We are the one"で、観客たちが持ち寄った自国の旗が掲げられるということが起きました。

日本・イギリス・イングランド・フランス・イタリア・ノルウェー・スイス・ドイツ・オランダ・インド・・・

様々な国の国旗が掲げられていたそうです。

"We are the one"という歌を介して、健全なナショナリズムと、健全なインターナショナリズムが姿を現したということです。

"We are the one" という歌は、"We are one"(「私たちは一つ」)ではなく、"We are THE one"(「私たちは、個性をもつ、たった一人の、その一人だ」)であることがすばらしい点です。

一見、グローバルな世界の一致を歌っているように見せて、"THE"という冠詞の一語が、グローバリズムを否定しています。

YouTubeの動画を介して、世界中に拡がったBABYMETALの人気は、一見するとグローバリズムの産物にみられるかもしれませんが、その中に、グローバリズムに対する、明確には意識されない、"Road of Resistance"(抵抗の道)が引かれているのDEATH。

グローバリズムに対するResistance(抵抗)において大切なのは、「媚びない」姿勢です。BABYMETALのパフォーマンスは、「媚びない」姿勢に貫かれています。逆に、日本が終わるのは、日本人がこぞって安倍のようにグローバリズムにどこまでも媚びへつらいながら生きるようになったときです。

たとえばファースト・アルバムの「BABYMETAL」は、「BABYMETAL DEATH」という歌から始まるのですが、"DEATH DEATH DEATH DEATH DEATH"という、ガテラルボイスでの連呼の上に、「スーメタルです(DEATH)、ユイメタルです(DEATH)、モアメタルです(DEATH)、ベビーメタルです(DEATH)」というダジャレによる自己紹介がかぶせられるだけの曲です。冒頭からメタルを笑い飛ばしており、メタルに媚びようとしない。しかし、同時にバックバンドは、圧倒的な超絶技巧で、一般のメタルファンにあなどられるような隙をみせない。徹底してメタルをやりながら、メタルを笑い飛ばす。そのような姿勢こそ、まさにメタル的でもある。メタルに対してアイドルとしてしかけるレジスタンスが、同時に、そのままメタルを体現しているという二律背反に、世界の人たちがやられてしまっています。人間の心を虜にするのは、やはり、単一のメッセージよりも、ダブルバインド的なメッセージです。

グローバリズムに徹して生きながら、同時に、グローバリズムを笑い飛ばす、"Road of Resistance"の可能性を、私はここに感じています。

「グローバリズム反対」という単一のメッセージを掲げて、グローバリズムの外側に立つことによっては、グローバリズムをつぶすことはできません。

グローバリストたちは、「面背腹従」のダブルバインドの罠を大衆の中にしかけたが、私たちは逆に、「面従腹背」のダブルバインドの姿勢でグローバリズムに立ち向かうべきです。グローバリズムの中に食い込むように生きながら、グローバリズムを内部から変質させていくのです。

BABYMETALの中に仕掛けられたのと同じような、グローバリズムに対抗する非政治の「罠(陰謀)」を、世界の各所に仕掛けなくてはなりません。


BABYMETALのファンたちが、上の言葉を裏付けるようなツイートをしています。


BABYとMETALの間に、スペースをいれてはならないというのは意味深な指摘です。この対立する二つのものは、稲妻のように瞬時に、一つに結ばれなくてはならないからです。

目指しているのは"THE ONE"。セカンドアルバムの最後に置かれた曲のタイトルでもあり、ファンクラブの呼称にも使われているこの言葉も、大変、含蓄のある言葉です。

「フォックスサイン」が、陰謀論者がイルミナティのシンボルであると信じる「メロイックサイン」を似て非なるものにすり変えてしまったように、"We Are One"というグローバリズムのドグマにそっと挿入された"THE"という一つの小さな冠詞が、このドグマの意味を根底から変質させてしまっています。

そのことを、ファンの人たちは、直感的に、そして的確に、読み取っています。

"THE ONE"の理想が、クールジャパンのような「政治」が主導する人為的な政策によっては実現されないことも、上の方はよく理解しています。

BABYMETALの"We Are the One"と対照的なのが、2014年のFIFAワールドカップの公式ソング"We Are One"です。
この公式ソングには、ブラジル人自身から、激しい批判が寄せられました。

ブラジルの恥? 公式ソング「We Are One」に批判殺到

音楽の好みは人それぞれで、賛否の分かれるところだろうが、批判は単に「楽曲が悪い」というだけではないようだ。

まずは、『We Are One』がピットブルの新曲であるという点だ。そして、これをフィーチャリング(客演)しているのが、歌手で女優のジェニファー・ロペスとブラジル人女性シンガー、クラウディア・レイチ。ピットブルはキューバ系アメリカ人のラッパー、ロペスはブロンクス生まれのプエルトリコ系アメリカ人で、レイチを除けばブラジルとは何のゆかりもない。ブラジル人からしてみれば、「ブラジルにはもっと偉大なミュージシャンがいるというのに、“ボサノバの国”をなめてんのか? コラ!」となるわけだ。

さらに、楽曲のほとんどのパートが英語とスペイン語で歌われており、ブラジルの公用語であるポルトガル語は、レイチの歌う最後のほんの数秒だけ。これがまた「なめてんのか? コラ!」と反感を呼んでいる。

また、音楽評論家の間からも「ミュージックビデオに登場するのは、コルコバードのキリスト像と素足の子供と笑顔とサンバ…。あまりにもブラジルのイメージをステレオタイプにとらえている」との声が挙がっており、中には「これはもう、ブラジルの恥だ!」といった過激な意見もある。

(出典: 産経ニュース「ブラジルの恥? 公式ソング『We Are One』に批判殺到」2014年5月29日 )


ブラジル人たちは、"We Are One"という楽曲からにじみだす、グローバリズムの匂いに、嫌悪感を催していたのです。

政治に無関心な人たちも、BABYMETALの現象を通して、いろいろなことを感じ取っています。


昔の古典的アイドルは除いて、私は、ふだんはアイドル系の音楽は聴きません。

一週間前にBABYMETALを聴き出す前に、最近私がよく聞いていたのは、バロック時代のフランスの作曲家、フランソワ・クープランの「諸国民」でした。

トーマス・インデアミューレというオーボエ奏者のグループが奏でる木管のアンサンブルが本当に美しくおすすめです。
BABYMETALのバックバンド「神バンド」の超絶的な演奏技法に裏打ちされたアンサンブルも、フランソワ・クープランに劣らず美しいと思います。
バロック時代にもメタルな人たちは存在しました。

ハインリヒ・ビーバーという作曲家の「戦闘」という作品の第二曲(1:45〜)は、バロック時代に書かれたとは思えない、現代音楽を彷彿とさせる無調音楽で書かれています。
新しい時代を用意する先駆者は、その時代が本格的に始まるはるか以前に存在するのです。
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