歴史を形作る目に見えない力について(11)

役小角、その野生のレジスタンス(3)
前回の記事で、役小角を描いた最初期の二つの文献、『続日本紀』と『日本霊異記』の記述を紹介しました。

役小角が鬼神を操ったり、海の上を歩いたり、空を飛んだりしたという荒唐無稽なお話の中に、日本という国家の構造を浮き彫りにする、ある重要な指摘が含まれていたことにお気づきでしょうか。

それは、役小角が直接対峙することになった二人の相手です。

平安時代初期の797年に完成した『続日本紀』という国史は、従五位下韓國連廣足(じゅごいげ・からくにのむらじひろたり)という律令政府の役人が、役小角を讒言したと記しています。

『続日本紀』に遅れること数十年後、同じく平安時代の初期に、薬師寺の僧、景戒によって書かれた説話集『日本霊異記』は、賀茂氏の氏神である「一言主大神」が、役小角を讒言したと記しています。



つまり、上のような対立の構図が浮かび上がります。

一人山にこもって山岳修行に励んでいた役小角に、二人の相手が鋭く対立することになった。

私たちはこのことから、どのようなことを読み取ることができるでしょうか。
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野生と文明の相克の物語(1)

フランスの人類学者レヴィ=ストロースが、1962年に『野生の思考』(原題 La Pensée sauvage, 英訳 The Savage Mind)を著し、文明の埒外に生きる人々が発展させてきた比喩に基づく神話的思考と、近代文明を生み出した科学的思考との相似性と対等性を明らかにするまでは、「野生」(The savage)は、「文明」によって制圧され、征服されるべき対象と見なされていた。
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