歴史を形作る目に見えない力について(11)

役小角、その野生のレジスタンス(3)
前回の記事で、役小角を描いた最初期の二つの文献、『続日本紀』と『日本霊異記』の記述を紹介しました。

役小角が鬼神を操ったり、海の上を歩いたり、空を飛んだりしたという荒唐無稽なお話の中に、日本という国家の構造を浮き彫りにする、ある重要な指摘が含まれていたことにお気づきでしょうか。

それは、役小角が直接対峙することになった二人の相手です。

平安時代初期の797年に完成した『続日本紀』という国史は、従五位下韓國連廣足(じゅごいげ・からくにのむらじひろたり)という律令政府の役人が、役小角を讒言したと記しています。

『続日本紀』に遅れること数十年後、同じく平安時代の初期に、薬師寺の僧、景戒によって書かれた説話集『日本霊異記』は、賀茂氏の氏神である「一言主大神」が、役小角を讒言したと記しています。



つまり、上のような対立の構図が浮かび上がります。

一人山にこもって山岳修行に励んでいた役小角に、二人の相手が鋭く対立することになった。

私たちはこのことから、どのようなことを読み取ることができるでしょうか。
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