TPP承認と関連法案が閣議決定される

絶望の中を、生きる。
本日、TPP協定本体の承認と、TPP関連法案が閣議決定されたそうです。

TPP法案を閣議決定=来月から国会審議

政府は8日の閣議で、環太平洋連携協定(TPP)の協定本体の承認案と関連法案を決定した。関連法案は、畜産農家の支援策や著作権法など計11本の改正案をまとめた一括法案。政府・与党は特別委員会を衆参両院に設けて4月から集中審議を行い、今国会での可決、成立を目指す。

関連法案のうち農林水産分野の改正案は4本。牛・豚肉の畜産農家の支援策として、TPP発効による関税の大幅削減で輸入品との競争が激化するのに備え、赤字補填(ほてん)の仕組みを規定する。

残りの7本の改正案は、TPP域内の新たな貿易・投資ルールに対応する。著作権法の改正では、小説などの著作権の権利保護期間を原則として、「作者の死後50年」から欧米並みの「同70年」に延長。作者の告訴がなくても警察が海賊版を取り締まれる「非親告罪」の導入に向けた規定も整備する。

(出典: ウォール・ストリート・ジャーナル 2016年3月8日)

来月からTPP協定の国会承認に向けた審議が始まるそうですが、自民党、公明党、民主党、維新の党、日本の心(旧次世代の党)など、TPP賛成政党が圧倒的多数を占める以上、TPP承認に向けた手続きは滞りなく進んでいくでしょう。

立法(国会)も行政(内閣)も,売国奴に侵されている中、TPP交渉差止・違憲訴訟の会が取り組んでいるTPPの違憲訴訟で、司法(最高裁判所)が、TPP協定の承認に違憲判断を下して「待った」をかけてくれることが最後の希望です。

最高裁は、判決において、日米安保条約は、「主権国としてのわが国の存立の基礎に極めて重要な関係をもつ高度の政治性を有するものというべきであって、その内容が違憲なりや否やの法的判断は、その条約を締結した内閣およびこれを承認した国会の高度の政治的ないし自由裁量的判断と表裏をなす点がすくなくない」ので、「違憲なりや否やの法的判断は、純司法的機能をその使命とする司法裁判所の審査には、原則としてなじまない性質のものであり、 従って、一見極めて明白に違憲無効であると認められない限りは、裁判所の司法審査権の範囲外のもの」であると判示し、日米安保条約が「一見極めて明白に違憲無効」であるかどうかについて審査し、その結果、同条約は違憲でないと判断した。ここで最高裁は、憲法優位説の立場から、条約も違憲審査権の対象となることを認めつつ、高度の政治性を有する条約は、「一見極めて明白に違憲無効である」場合以外は違憲審査権が及ばないとしたのである。

(出典: 衆議院憲法調査会事務局「『憲法と国際法(特に、人権の国際的保障)』 に関する基礎的資料」2004年4月)

参考記事:
「なぜ、こんなことになったのか」(2)(2015年10月08日)

しかし、日米安保条約の違憲性について争った砂川事件において、最高裁判所が、一審の違憲判断を破棄して、「日米安全保障条約のように高度な政治性をもつ条約については、一見してきわめて明白に違憲無効と認められない限り、その内容について違憲かどうかの法的判断を下すことはできない」、違憲判断そのものを回避した当時の最高裁判所長官田中耕太郎が、アメリカと通じており、その指示に従って事実が、アメリカで機密解除された公文書から明らかになっていますから、立法と行政同様に、日本の司法もあまりあてにはなりません。

砂川事件で政府の跳躍上告を受け入れ、合憲(統治行為論を採用)・下級審差し戻しの判決を下す(1959年12月16日)が、当時の駐日大使ダグラス・マッカーサー2世と外務大臣藤山愛一郎両名による“内密の話し合い”と称した、日米安全保障条約に配慮し優先案件として扱わせるなどの圧力があった事が2008年4月に機密解除となった公文書に[4][5]、またマッカーサー大使には「伊達判決は全くの誤り」と述べ破棄を示唆した事が、2011年に機密解除になった公文書に記されている[6]。果ては上告審の日程や結論方針をアメリカ側に漏らしていたことが、機密指定解除となったアメリカ側公文書で2013年4月に明らかになった。当該文書によれば、田中はウイリアム・K・レンハート駐日首席公使に対し、「結審後の評議は、実質的な全員一致を生み出し、世論を揺さぶるもとになる少数意見を回避するやり方で運ばれることを願っている」と話したとされ、最高裁大法廷が早期に全員一致で米軍基地の存在を「合憲」とする判決が出ることを望んでいたアメリカ側の意向に沿う発言をした[7]。田中は砂川事件上告審判決において、「かりに(中略)それ(=駐留)が違憲であるとしても、とにかく駐留という事実が現に存在する以上は、その事実を尊重し、これに対し適当な保護の途を講ずることは、立法政策上十分是認できる[8]」、あるいは「既定事実を尊重し法的安定性を保つのが法の建前である」との補足意見を述べている[9][10]。

(wikipedia: 田中耕太郎)

立法も、行政も、司法もだめ。マスコミもTPPの危険性について報じず、国民の間に危機感が全く拡がらない中、日本の国内に期待できる要因が皆無であるとすると、アメリカの大統領選で、候補者たちが軒並み、TPP反対を公約に掲げていることに、私たちはかすかな希望を見いだすことができるでしょうか。

進む、「現実的な国際派」の弱体化

2016年の米大統領選は、従来は想定できなかったアウトサイダー候補の躍進が注目を浴び、浴び、彼らの過激な発言が報道の見出しを飾る。その示唆するところは米国政治における「現実的な国際派」の弱体化だ。これは、日本をはじめとする米国の同盟国にとって大きな懸念材料である。「すべての政治は地元から」という。そうした米国の「地元」事情が、すぐにでも日本に影響を与えかねない案件の一つが、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)である。

TPPは日本、米国を含むアジア太平洋の12カ国が参加する自由貿易協定だ。昨年10月に交渉が妥結し、今年2月には署名が行われた。署名国の国内手続きが済み次第、発効する。規定により、日本と米国の批准が不可欠となっている。2017年1月に退任するオバマ大統領とすれば、約5年半を費やしてまとめ上げたTPPの批准を見届けて、政権の成果としたいはずだ。

そのためには、TPP実施法案が連邦議会にて可決される必要がある。だが上下両院を野党である共和党が押さえている。与党である民主党議員は労働組合の意向もありTPPに反対だ。製薬、金融、タバコ業界など経済界の一部までもが合意内容に異議を唱えており、批准の目途が立たない。

さる2月2日、オバマ大統領は、議会共和党のリーダーであるミッチ・マコネル上院院内総務、ポール・ライアン下院議長を招き、当面の政策課題について意見を交換した。この席で、TPP審議のタイミングについて合意することはできなかった。2月13日に亡くなったアントニン・スカリア米最高裁判事の後任指名をめぐっても、大統領と議会共和党は対立しており、TPPをめぐる政治環境は厳しくなるばかりだ。

TPP賛成では候補になれない

この環境が続けば、TPPは次期大統領と議会に委ねられることになる。TPPをめぐる候補者の発言を追っていくと、TPPを推す「現実的な国際派」であることは彼ら・彼女らにとって重荷であることがわかる。

国務長官として、オバマ政権のアジア回帰政策を主導していたクリントン氏は、TPPを在任中は評価していた。「TPPはこれからの貿易協定の基準点となる」。しかし、TPP合意が発表された直後の2015年10月、TPPは自分が求める水準に達していないとして不支持を表明。協定文が公表される前の段階で反対を表明したのは、TPP反対を掲げる労組への同調であったことは間違いない。

今年2月、クリントン氏はポートランド・プレス・ヘラルド紙に、自らの通商アジェンダを寄稿。不公正貿易の監視を強化する仕組みを整備するとともに、企業が米国へ回帰するよう図り雇用空洞化を止める、とした。さらに、世界貿易機関(WTO)が中国を市場国として認定することに反対し、日本などアジア諸国による為替操作に対して「報復関税などの措置を検討すべき」としている。TPP反対については、米国が雇用、賃金、そして安全保障上のメリットを享受できる見込みがないからだ、と改めて弁明した。

サンダース氏は、「北米自由貿易協定(NAFTA)の失敗を繰り返してはならない」としてTPP反対を言明している。バイオ医薬品の知財保護や、外資企業との紛争処理手続きといったTPPの規定を挙げ、大企業の利益に偏重した協定だと批判。TPP実施法案を議会が可決しても、自分が大統領であれば署名しないと発言している。

共和党の主要候補も同様の姿勢をとる。トランプ氏の通商政策観は、概して重商主義的で、中国、日本、メキシコ、そしてベトナムがお決まりの非難対象国だ。TPPは、公正な競争環境を保証せず、批准に値しない、と反対している。

また、為替操作を行い、労働、環境基準を守らない通商相手国に対して厳しく臨む姿勢が不可欠、と多くの民主党議員と同じ立場を取る。中国を為替操作国として認定するとともに、同国による知財侵害や、不正な輸出補助金の支出を許容しないことを自らの通商政策として掲げている。為替操作の代償として、中国からの輸入に対して高関税を課すべきだとも発言している。

2015年4月、クルーズ氏は、当時、下院歳入委員長を務めていたライアン氏と連名で、ウォール・ストリート・ジャーナル紙に寄稿。米国はアジアで進む経済統合に乗り遅れてはならないとして、TPPが重要であること、そして貿易促進権限(TPA)法案を可決するよう説いていた。しかし、6月には立場を翻し、議会指導層への不信と、貿易協定が移民流入につながる裏口になりかねないことを理由に、TPA法案への反対を表明。TPP実施法案には反対票を投じる、と発言している。

共和党右派は、医療保険制度改革を「オバマケア」と呼んだように、TPPを「オバマ・トレード」と呼ぶことで、共和党員が抱くオバマ大統領個人への反感を掻き立てている。クルーズ氏はその流れに乗った形だ。

加えて、ルビオ氏までもが今や態度を変えている。同氏はかつてTPPはアジア経済を自由市場の価値観の下で発展させるための有効な協定だと寄稿していた。現在は協定内容を精査中としており、5月までは協定への賛否を明らかにしない予定である。

TPP合意の修正か

米大統領選はまだ予備選の段階であり、緻密な政策論争は期待できない。特に通商について候補者は、現実的な国際派であることよりも、通商相手国を叩き、大企業や経営者を叩いて喝采を浴びることにメリットを見出す。2015年にシカゴ・グローバル問題評議会が行った世論調査によれば、米国民の8割が自由貿易の重要性を認識し、TPP支持が6割強を占めている。「政治の季節」が終われば、極端な主張も現実的な路線に落ち着くとの見立ても可能だ。

しかし、非現実的な言説が、非現実的な期待を生み、現実の政策執行を難しくすることがあるのは、TPP交渉中のホワイトハウスと議会との間の緊張関係を見ても明らかである。米国自動車業界は、各国による通貨安誘導は不当な輸出補助に相当するとして、TPPに為替操作規制を盛り込むべく、強力なロビー活動を展開した。自由貿易協定にはそぐわないこの規制を他国に押し付けることで交渉が停滞することを米通商代表部(USTR)は恐れた。この件は最後まで交渉担当者の手を縛った。

TPP反対が超党派の合意となっている現状は、TPP合意の廃棄、あるいは交渉のやり直しという非現実的な結果への期待を過度に煽ることになる。その結果、米国のTPP批准が次期政権の手に委ねられるとき、米国政府が何らかの形で修正交渉を関係各国に持ちかける可能性がある。

日本としては、あるべき経済秩序と日本の経済外交という、より広い文脈にTPPを改めて位置づけておくことが必要だ。米国政治の「地元」事情への配慮も不可欠ではあるが、これまで日米が推進してきたことの意義を損ねるような形となってしまえば、本末転倒である。TPPの経済的、政治的大義を見失わないよう、米国新政権に粘り強く説くことは日本の大切な役割である。

(出典: 日経ビジネス「TPPの危機?! ポピュリズムが翻弄する行方」2016年3月8日)

しかし、このアメリカの大統領選すらも、選挙期間中は、新自由主義やNAFTA(北米自由貿易協定)のような自由貿易協定を批判していたオバマ大統領が、大統領就任後は手のひらを返すように変節し(あるいは、はじめから資本家たちの息のかかった新自由主義者だった)、熱心なTPP推進派に転じた事実を思い起こせば、どの大統領候補が選挙に勝とうと、同じ事が再び起こることを、私たちはある程度は覚悟しておくべきであると思います。

私たちは、本当にどこにも逃げ道のない、袋小路に追い詰められています。

屠殺場に運ばれていく牛ですら、自分の運命を予感して涙を流すそうですが、TPPという国家の屠殺場に引きずれていく日本人は、うんともすんとも言いません。

安易な解決策は何一つありません。

このような絶望的な状況だからこそ、日本人らしい生活と思想を守り深めながら、ただ生きていくこと、生き抜いていくことにしか、もう希望はない。

というよりも、どんな状況下でも、生きていくことそのこと自体が、それ自身で完結し充足した、一つの希望なのだと思います。
*
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No title

マスゴミがTPPの危険性を報じないのはともかく、TPPの危険性を国民が理解できないのは、そもそも、その背景に、いったいどんな思想があるのか、全く知らないからだ。

これが、世界を滅ぼし、その後に来る、理想郷を待望する、世界で最も成功したカルトであるキリスト教の、「神の国」建設運動の、末期段階なのだと。

No title

そもそも、協定文に、
--
「移民労働者を現地の労働者と同じ待遇で採用するなどの、差別の撤廃を進めなければいけない」という文と、「移民労働者は、その子供や孫も含めた複数の世代を通じて保護し、必要なら教育や医療機関も施さなければならない」
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という「文」は、無いですよね。

偽装保守どもの終焉を 

田母神が逮捕されましたね?
まだ私には確証は持てませんが、どうやらいい加減な人物であったのは
間違えないですね。

ニコ動はひどいですが、facebookなどを見ると、保守派の中でも、反安倍の人も増えているようですし、次の選挙でなんとしてもクソ自民を終わらせないといけませんね。

これで、クソ偽装保守どもがいなくなり、本当に日本を保守できるものが増えてくれれば思います。本当に胸糞が悪い奴らでした。田母神もチャンネル桜も早く消えてくれ。

http://blogos.com/article/165689/
自称保守論壇の崩壊が心地良い春 小林よしのり

私も動画などを作り、アホウヨどもを改心させれるよう努力します。
それではまた!

No title

>けれど、頭を柔軟にして考えれば、“日本人であっても、移民労働者として他の参加国に行けば、生きる権利は保証される”という意味でもあります。

日本列島にどしどし移民が入ってきて、日本人がどしどし日本列島の外に移住してしまったら、文字通り「敷島の大和の国」は消えてなくなってしまうではないですか。

バカなことばっか言ってんじゃない。

このインチキ日本人め。

日本人自身が移民するという生存手段

3月8日の閣議決定は国会審議に提出するという意味での閣議決定であり、本当の意味でのTPP関連法案成立は4月~6月の国会期間中に行う意向だと売国奴共がニュースで発言していましたね。

WJFさんが書いてある通り、皆が全力で挑まない限り、決して好転しない最悪の状況です。

私はそれでも、最後まで諦めず、全部通ってしまったという絶望を叩きつけられるまで抵抗を続けるつもりです。

TPP違憲訴訟の会にも参加しましたし、今週行われるいくつかのデモにも参加する予定です。

ですが、一つ勘違いしないで欲しいのは、別に私は希望が何もないから自棄になって行動しているわけではないと言うことです。


TPP反対の運動をされている方々は一人として語らないのですが、TPP協定の中には「移民労働者を現地の労働者と同じ待遇で採用するなどの、差別の撤廃を進めなければいけない」という文と、「移民労働者は、その子供や孫も含めた複数の世代を通じて保護し、必要なら教育や医療機関も施さなければならない」という文が含まれています。

これはつまり、TPP参加の為にTPP色に塗り替えられた国内法と、TPP協定という国際ルールの二重の力で“移民の権利を原住者より上にする”という最低なものです。

だからこそ、日本でのTPP関連法案の成立なんか絶対に許してはいけない。


けれど、頭を柔軟にして考えれば、“日本人であっても、移民労働者として他の参加国に行けば、生きる権利は保証される”という意味でもあります。

「差別だー」とデモや街宣を繰り返し、人権擁護団体などを味方に付ければ、移民先の現地で日本語の使える街を作る事もできるでしょう。

日本人は日本以外では生きられないとか、そういった凝り固まった思考で逃げるのを諦め、TPP成立後に日本に来て、大きな後ろ盾で好き勝手できるようになった移民達に襲われたり殺されたりして後悔するより、開き直ってTPPのシステムを利用して海外へ仲間と共に移住して、そこで力を蓄えた方が余程マシです。

協定文の保護を盾にすれば、身内での民間伝承で日本語を残す事もできるでしょうし、例えTPP後何年かで完全に日本が外国人に乗っ取られても、“祖国を取り戻せ”をスローガンに何百年掛けてでも、生きていれば力と権力を蓄えて、世界中に散らばった仲間と協力して、国ごと取り戻せる事もあるでしょう。


私は、日本人はどんな手段を使っても、一人でも多く生き残るべきだと考えています。

一番良いのはこの日本国を破壊するTPPという悪魔を成立させない事です。
国家とはその民族の最高の後ろ盾であり、誇りそのものですから。

しかしながら、自分たちの力不足で阻止できないかもしれない。そういう最悪の可能性を考慮から外すのは間違っています。

だからこそ、そうなった時は、開き直って移民労働者として“できるだけ多くの仲間と共に組織立って”海外に移住し、力を蓄え、いつか必ず祖国を取り戻す為に絶対に生き残る。


絶望の中にも希望を残しながらTPPに全力で反対していく、それが私の考えです。





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