「なぜ、こんなことになったのか」(4)

自民党を支持すれば日本が壊れる、その単純な理由。
1、「グローバリズム・構造改革の推進(日本の弱体化と属国化)」
2、「日本国憲法の否定・無視・無効化」


この二つの立場は深い関係で結ばれている。

これは、次の二つの事実によって、簡単に確認できることがらです。

1. 自民党は、CIAによる資金援助と政治工作によって、アメリカの傀儡政党として結党された。

2005年、CIA(アメリカ中央情報局)に関する機密資料が、アメリカ国立公文書記録管理局で機密解除され一般に公開されました。吉田則昭氏、山本武利氏、加藤哲郎氏という日本の研究者がこの調査に当たり、2009年に中間報告が行われました。下に引用するのは、毎日新聞が、その報告内容を、2009年7月26日朝刊の一面二面で取り扱った記事です。


「彼を首相にすれば、日本は米国の利害で動かせる」

1955年の自民党結党にあたり、米国が保守合同を先導した緒方竹虎・自由党総裁を通じて対日政治工作を行っていた実態が25日、CIA(米中央情報局)文書(緒方ファイル)から分かった。CIAは緒方を「我々は彼を首相にすることができるかもしれない。実現すれば、日本政府を米政府の利害に沿って動かせるようになろう」と最大級の評価で位置付け、緒方と米要人の人脈作りや情報交換などを進めていた。米国が占領終了後も日本を影響下に置こうとしたことを裏付ける戦後政治史の一級資料と言える。

山本武利早稲田大教授(メディア史)と加藤哲郎一橋大大学院教授(政治学)、吉田則昭立教大兼任講師(メディア史)が、05年に機密解除された米公文書館の緒方ファイル全5冊約1000ページを、約1年かけて分析した。

内容は緒方が第4次吉田内閣に入閣した52年から、自由党と民主党との保守合同後に急死した56年までを中心に、緒方個人に関する情報やCIA、米国務省の接触記録など。

それによると、日本が独立するにあたり、GHQ(連合国軍総司令部)はCIAに情報活動を引き継いだ。米側は52年12月27日[26日、加藤訂正]、吉田茂首相や緒方副総理と面談し、日本側の担当機関を置くよう要請。政府情報機関「内閣調査室」を創設した緒方は日本版CIA構想を提案した。日本版CIAは外務省の抵抗や世論の反対で頓挫するが、CIAは緒方を高く評価するようになっていった。吉田首相の後継者と目されていた緒方は、自由党総裁に就任。2大政党論者で、他に先駆け「緒方構想」として保守合同を提唱し、「自由民主党結成の暁は初代総裁に」との呼び声も高かった。当時、日本民主党の鳩山一郎首相は、ソ連との国交回復に意欲的だった。ソ連が左右両派社会党の統一を後押ししていると見たCIAは、保守勢力の統合を急務と考え、鳩山の後継候補に緒方を期待。55年には「POCAPON(ポカポン)」の暗号名を付け緒方の地方遊説にCIA工作員が同行するなど、政治工作を本格化させた。

同年10~12月にはほぼ毎週接触する「オペレーション・ポカポン」(緒方作戦)を実行。「反ソ・反鳩山」の旗頭として、首相の座に押し上げようとした。

緒方は情報源としても信頼され、提供された日本政府・政界の情報は、アレン・ダレスCIA長官(当時)に直接報告された。緒方も55年2月の衆院選直前、ダレスに選挙情勢について「心配しないでほしい」と伝えるよう要請。翌日、CIA担当者に「総理大臣になったら、1年後に保守絶対多数の土台を作る。必要なら選挙法改正も行う」と語っていた。

だが、自民党は4人の総裁代行委員制で発足し、緒方は総裁になれず2カ月後急死。CIAは「日本及び米国政府の双方にとって実に不運だ」と報告した。ダレスが遺族に弔電を打った記録もある。

結局、さらに2カ月後、鳩山が初代総裁に就任。CIAは緒方の後の政治工作対象を、賀屋興宣(かやおきのり)氏(後の法相)や岸信介幹事長(当時)に切り替えていく。

加藤教授は「冷戦下の日米外交を裏付ける貴重な資料だ。当時のCIAは秘密組織ではなく、緒方も自覚的なスパイではない」と話している。【「アメリカよ」取材班】

【ことば】緒方竹虎

1888年山形市生まれ。1911年早稲田大学卒業後、朝日新聞社入社。政治部長、編集局長、主筆を経て副社長。2・26事件で同社を襲った陸軍将校と対峙(たいじ)し名をはせた。国家主義者の頭山満や中野正剛らと親交があり、戦争末期に中国との和平を試みた。44年社主の村山家と対立し辞職。政界に転じ、小磯、東久邇両内閣で情報局総裁。46年公職追放、51年解除。52年に吉田首相の東南アジア特使となり自由党から衆院議員当選。吉田内閣で官房長官や副総理を務めた。保革2大政党制や再軍備が持論で、54年に保守合同構想を提唱、自由党総裁に。55年11月の保守合同後、自由民主党総裁代行委員。56年1月死去。

◇解説「米の影響下」鮮明 日ソ接近防ぐ目的

CIAの「緒方ファイル」は、戦後の日本政治が、東西冷戦の下、水面下でも米国の強い影響を受けながら動いていた様を示している。米情報機関が日本の首相を「作り」、政府を「動かせる」という記述は生々しい。

CIAが日本で活動を本格化したのは、サンフランシスコ講和条約・日米安保条約が発効した52年からだ。米国では翌53年1月、共和党のアイゼンハワー政権が誕生。同7月の朝鮮戦争停戦を受け、新たなアジア戦略を打ち出そうとしていた。

それがCIAの積極的な対日工作を促し、日ソ接近を防ぐ手段として55年の保守合同に焦点をあてることになった。当時の日本政界で、情報機関強化と保守合同に特に強い意欲を持っていた緒方にCIAが目をつけたのは当然でもあった。

ただ、CIAの暗号名を持つ有力な工作対象者は他にもいた。例えば同じ時期、在日駐留米軍の施設を使って日本テレビ放送網を創設するため精力的に動いていた正力松太郎・読売新聞社主(衆院議員、初代科学技術庁長官などを歴任)は「PODAM(ポダム)」と呼ばれていた。加藤哲郎・一橋大大学院教授(政治学)によると、「PO」は日本の国名を示す暗号と見られるという。また、山本武利・早稲田大教授(メディア史)は「CIAは、メディア界の大物だった緒方と正力の世論への影響力に期待していた」と分析する。

暗号名は、CIAが工作対象者に一方的につけるもので、緒方、正力両氏の場合、いわゆるスパイとは異なるが、CIAとの関係は、メディアと政治の距離も問いかける。

時あたかも、政権交代をかけた衆院選が1カ月余り後に行われる。自民党結党時の政界中枢にかかわる裏面史が、この時期に明るみに出たのも因縁めく。また、自民党に代わり政権を担おうとしている民主党が、ここに来て、対米政策を相次いで見直したのは、日本の政界が、政党の新旧を問わず、半世紀以上前から続く「対米追随」の型を今なお引きずっているようにも見える。【後藤逸郎】

(出典: 毎日新聞 2009年7月26日)

引用した記事は、「当時のCIAは秘密組織ではなく、緒方も自覚的なスパイではない」とか「緒方、正力両氏の場合、いわゆるスパイとは異なるが」などと但し書きをし、読者のショックを和らげようとしているようにも見えますが、1950年代にすでに、イラン、グアテマラ、シリアで、クーデターによる政権転覆に成功し、カシミールプリンセス号爆破事件という周恩来暗殺計画にも携わっていたCIAが、「当時は秘密組織ではなかった」と言っても無理があります。

2007年に機密解除されたCIAの資料(出典)は、緒方竹虎や正力松太郎、岸信介を含む、次の28名の日本人名をCIAのスパイとして列挙しています。

秋山浩、有末精三、麻生達男、福見秀雄、五島慶太、服部卓四郎,東久邇稔彦、今村均、石井四郎、賀屋興宣、岸信介、児玉誉士夫,小宮義孝、久原房之助、前田稔、野村吉三郎、緒方竹虎,大川周明、小野寺信,笹川良一、重光葵、下村定、正力松太郎,Shima Horia ,辰巳栄一、辻政信,和知鷹二、和智恒蔵

(参照記事: WJFプロジェクト「戦後史の一つの事実」2013年2月2日)

2. 憲法改正は、自民党結党以来の党是である。

自民党は1955年11月15日に結党されましたが、その際に出された「党の使命」という声明文には次のように書かれています。

(前略)

国内の現状を見るに、祖国愛と自主独立の精神は失われ、政治は昏迷を続け、経済は自立になお遠く、民生は不安の域を脱せず、独立体制は未だ十分整わず、加えて独裁を目ざす階級闘争は益々熾烈となりつつある。

思うに、ここに至った一半の原因は、敗戦の初期の占領政策の過誤にある。占領下強調された民主主義、自由主義は新しい日本の指導理念として尊重し擁護すべきであるが、初期の占領政策の方向が、主としてわが国の弱体化に置かれていたため、憲法を始め教育制度その他の諸制度の改革に当り、不当に国家観念と愛国心を抑圧し、また国権を過度に分裂弱化させたものが少なくない。この間隙が新たなる国際情勢の変化と相まち、共産主義及び階級社会主義勢力の乗ずるところとなり、その急激な台頭を許すに至ったのである。

(中略)

わが党は右の理念と立場に立って、国民大衆と相携え、第一、国民道義の確立と教育の改革 第二、政官界の刷新 第三、経済自立の達成 第四、福祉社会の建設 第五、平和外交の積極的展開 第六、現行憲法の自主的改正を始めとする独立体制の整備を強力に実行し、もって、国民の負託に応えんとするものである。

(出典: 自由民主党『党の使命』1955年11月15日)

“初期の占領政策の方向が、主としてわが国の弱体化に置かれていたため、憲法を始め教育制度その他の諸制度の改革に当り、不当に国家観念と愛国心を抑圧し、また国権を過度に分裂弱化させたものが少なくない。”

「初期の占領政策」に対する批判。これは、保守・愛国的な観点からは、至極もっとも主張であるように見えます。

しかし、私たちは次の点に留意すべきです。

GHQによる日本の占領統治は、1945年9月の降伏文書調印から、1952年4月のサンフランシスコ講和条約の発効まで7年間続きましたが、冷戦の開始という国際情勢の変化を受けて、1948年を境に、「逆コース」と呼ばれる対日政策の大きな方針転換が行われました。

1948年までの占領統治は、従前の国家体制の解体、政治指導者たちの処罰と粛正、日本の弱体化を目的に行われましたが、1948年以降は、極東における共産主義拡大の防波堤を構築する必要から、日本を強くて豊かな親米的な同盟国として育てることを目指して行われるようになりました。

日本国憲法は、1947年5月3日に施行されていますから、「逆コース」前のアメリカの意向が反映されており、憲法改正を歌った1955年の自民党の綱領や「党の使命」には、「逆コース」以降のアメリカの対日戦略が反映されていることになります。

「逆コース」前に、日本国憲法を押しつけたのもアメリカの都合ならば、「逆コース」後に、それを改正しろと言い出したのもアメリカの都合なわけですから、日本国憲法を改正しさえすれば、アメリカの支配の日本が独立できるようになるという主張が虚妄に過ぎないことは、簡単に看破できます。

自民党は、憲法改正も含めて、「逆コース」後のアメリカの新しい対日戦略を請け負うためにアメリカによって作られた政党なのであり、『党の使命』に記されている、「初期の占領政策」に対する批判も、日本人の愛国心から出てきた言葉であるように見せて、その実体は、アメリカの、アメリカによる、アメリカのための自己批判の言葉であるにすぎません。

1989年に冷戦が終結し、ソ連が解体されると、アメリカの対日戦略は再度変更され、日本やドイツのような、アメリカの経済力に追いつきつつあった冷戦時代の同盟国であり、第二次世界大戦の旧敵国が、再び、アメリカの仮想敵国と見なされるようになりました。

一例を挙げれば、冷戦終結の直前の1989年9月に、当時のCIA長官ウィリアム・ウェブスターは、次のように発言し、冷戦終結後には、旧東側国家の軍事力よりも、日本のような同盟国との経済競争が、アメリカの安全保障にとって最大の脅威になると宣言しています。

CIA director Webster targets U.S. Allies

On Sept. 19, 1989, Director of Central Intelligence William Webster told the Los Angeles World Affairs Council that it was no longer the East bloc, but our allies who are now the enemy. Excerpts of his treacherous diatribe follow.

Trade imbalances have focused attention on the trade barriers that exist in countries with which the United States has large trade deficits-particularly Japan and the newly industrializing countries in East Asia .Last year, our trade deficit with Japan alone reached $52,billion.

[In] the 1990s, U.S.policymakers,will be very interested in identifying protectionist measures and other impediments to reducing trade imbalances.They will be interested in the reaction of economic competitors to measures the U.S.may take to correct imbalances.

During the next few years, Japan and some of our other economic competitors will continue to make technological strides in high-tech industries in which, the United States has long held the lead. Telecommunications and data processing are just some of the areas in which Japanese and other industrialized nations a growing increasingly com­petitive....

In high technology and in virtually every other economic area, U.S.policymakers will be increasingly focusing on where the playing field is not level as far as U.S. interests are concerned. They are looking at the strategies of our economic competitors, as well as the efforts by foreign governments to target markets and finance research, development, and production.

As the economic trends I have discussed today unfold, the connection between economics and national security will become even greater. The intelligence community looks at these developments from a strategic perspective, examining what is occurring, the forces at play, and the ways that actions taken abroad can directly and indirectly affect our national security interests....

CIA長官、同盟国を標的にする

1989年9月19日、CIA長官のウィリアム・ウェブスターは、ロサンジェルス世界情勢評議会に、もはや東側陣営ではなく、我々の同盟国が、今やアメリカの敵国であると語った。(同盟国を)裏切るような彼の辛辣な演説の抜粋は次のようなものである。

(前略)

1990年代、アメリカの政治家たちは、貿易不均衡の減少の障害となる保護主義的な措置を特定することに強い関心を寄せるようになるだろう。彼らは、アメリカが不均衡を是正するために採用する措置への経済的競合国の反応に関心を向けるだろう。

貿易不均衡は、合衆国が長く貿易赤字を抱えてきた国々、特に日本と東アジアの新興工業国の中に存在する貿易障壁に焦点を当てることになった。昨年、我々の対日貿易赤字だけでも520億ドルに達した。

(中略)

来る数年間、日本や他の経済的競合国は、アメリカが長く優位を維持してきたハイテク産業の分野で、技術的な進歩を続けるだろう。通信やデータ処理は、日本や他の工業国が競争力を強めつつある分野である。

ハイテクや、実質的に他のあらゆる産業分野で、アメリカの政治家たちは、アメリカの国益が関係する限り、競技場が平らでない場所に、今後ますます注意を向けるようになるだろう。彼らは、金融調査、開発、生産など市場を狙った外国政府の努力や、我々の経済的競合国の戦略に注目している。

私が今日お話しした経済的な傾向が進行するにつれて、経済と安全保障の結びつきはますます緊密になるだろう。戦略的な観点から、インテリジェンス・コミュニティー(CIA・中央情報局、NSA・国家安全保障局、DIA・国防情報局、NRO・国家偵察局、FBI・連邦捜査局などの一連の情報機関のこと)は、現在おきている出来事、そこで作用する力、海外でなされる活動が我が国の安全保障に間接的・非間接的にいかなる影響を与えうるかを吟味しながら、これらの展開に注視している。

(出典: EIR news 1989年10月13日)

日本を再び弱体化させようとするアメリカの新しい対日戦略の通り、冷戦終結とほぼ同時に、80年代までの日本の強い経済は崩壊し、アメリカの要求の通りに構造改革や規制緩和や消費税導入・増税を重ねた結果、日本経済は悪化の一途をたどり、「失われた20年間」の最後の画竜点睛を行うかのように、アベノミクスやTPPによって、経済のみならず国家の枠組みすらも、修復不能なまでに破壊されようとしています。



さて、改めて、

「なぜ、こんなことになったのか」

冷戦時代にアメリカになめさせてもらった甘い飴の味が忘れられずに、90年代以降、CIAが日本を仮想敵国とみなし、日本の弱体化を、彼らの国家安全保障上の最大の使命であるとしていたことも知らず、CIAが作った傀儡政党であり、彼らの対日戦略を請け負うにすぎない自民党という政党を、日本人が、「唯一の政権政党」だの「愛国・保守政党」だのと信じ込んで無邪気に支持し続けてきた必然的な結果です。
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ついにきた、民法改正

アメリカ側に日本に要求している法改正の中でもかなり重要な案件です。

米側がTPPを妥結する為に日本政府に求めているもう一つの本丸・民法改正 http://antiglobalism.blog.fc2.com/blog-entry-121.html

この改正により、税法・契約法がアメリカ型に改良されてしまいます。
大変危険です。

東日本大地震以降執拗な菅直人氏へのバッシングが続いていました。彼は厚生労働大臣時代に悪法高い「らい予防法」を撤廃に導き、薬害エイズ問題の解決への道筋を作った方だと認識しています。なぜメディアは伝えないのか不思議でした。官僚を怒らせたから嫌われたのかな?とぼんやり思っていました。
私は政治のことはよくわからないのですが、皆が議員一人一人をしっかり見ていくようにすれば少しずつでも変わって行くと考えています。いろいろなスレッドを経てたどり着いたこの場所がしっくりきたのでコメントしました。

No title

シュンペーターが「信者は自分の聴きたいことに常に耳を傾けるので、その預言書の内容なんて問題にしない。」と共産主義を無条件に受け入れる一般のロシア人を揶揄してました。
自民党支持者もまったく同じですね。
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