一瀉千里の奔流となり得る日(14)

両方を備えた世界唯一の日本人。
「一瀉千里の奔流となり得る日」という本シリーズを始める直前、「日本人の『目覚め』を世界は待望する」という記事の中で紹介した、春日大社前宮司葉室頼昭氏の言葉を、ここで、再度読み返してみましょう。

ですから、神様はこのままほうってはおかないから、日本人はおそらく目覚めるだろう。これは希望なんですが、そう思っているんです。なんとかして一日も早く目覚めてくれなければ困る。私自身の経験では、人間というのはどん底まで落ちないと目覚めないものだから、神様はわざと日本人をどん底まで落とすのだろう。そして原点に戻らせるのだろうと思うのです。

この原点というのは、戦前とか明治維新とか、そういうことではなくて、日本人の原点というのはずっと遡って縄文時代にあると私は思っています。縄文時代というのは文明はそんなに発達していなかったでしょうが、日本人としての心は本当に最高の時代だったのではなかったろうかと思います。そして弥生時代になって大陸からいろいろな文明が入ってきて、ものの文明は発達したんだけれども、日本人の心がだんだん失われていったのだと思うんですね。

そして、最後まで失われたのが今回の敗戦です。だから、日本人の心が失われたというのは、この戦争に負けたからではなくて、もう弥生時代から始まっていたと思うんです。それも神様のお導きで、そのときはまだ文明はどれぐらい発達していたか知らないけれども、結局、日本に文明というものを発達させたわけでしょう。そのかわり心というのはだんだん失われて、いまはほとんどゼロになっていますね。わざとそうさせたのではないかと思うんです。そして、とうとう、というか、やっと目覚める。そして最後に、精神文化と文明、その両方をもった本当の日本人がよみがえってくる。そして世界を救うのだと思います。そのために、わざわざ神様は弥生時代から文明を与えて、文明と心の両方を日本人に経験させておいて、そして最後にどん底まで落としておいて、この両方を備えた世界唯一の日本人に生まれ変わらせるのだろうと私は信じております。

ですから、縄文時代の日本人そのままではだめなんですよ。それに文明が加わらないと本当にできないでしょう。私はそれが共生だというんです。心だけだったら、アマゾンの未開民族の方がすぐれているんですが、そこに文明がないわけですね。その両方を備えたのが日本人だと思うんです。

そのために二千年ぐらいかかって、神様は日本人の心を落としていかれたわけでしょう。こう考えていくと、神様のやることはすごいんです。そうした神様のお導きを知らないで右往左往しているのがいまの日本人でしょう。しかし、もうじき本当の日本人が生まれるときが来る。おそらく21世紀には生まれるだろうと思うのです。

(出典: 葉室頼昭『神道みえないものの力』)

西洋人や中国人のように、世界を一元支配しようとする「文明の思考」だけでもダメ。

環太平洋地域の原住民のように、「神話・野生の思考」だけでもダメ。

グローバル化によって、「文明の思考」は、ますます圧倒的な力を振るおうとしています。

この潮流の中で、「野生・神話の思考」だけを持つ原住民たちが無力なのは、文明の世界の中に食い込みながら、「野生・神話の思考」を浸透させていく術を、彼らが知らないからです。

「文明の思考」と「野生・神話の思考」の二つを備えた人々を世界は必要としており、日本人こそ、そのような役割を担う人々として目覚めなくてはならないと葉室氏は述べているのですが、当シリーズを読んでこられたみなさんは、葉室氏の言葉の深い含蓄を、改めて、ご理解いただけるのではないかと思います。

暗い水の流れに打たれながら魚たちのぼっていく
光るのは傷ついてはがれかけた鱗が揺れるから
いっそ水の流れに身をまかせ流れ落ちてしまえば楽なのにね
やせこけて、そんなにやせこけて、魚たちのぼっていく

ああ小魚たちの群れきらきらと海の中の国境を越えていく
諦めという名の鎖を身をよじってほどいていく

ファイト!闘う君の歌を
戦わない奴等が笑うだろう
ファイト!冷たい水の中を
震えながらのぼっていけ

(出典: 中島みゆき「ファイト!」)

鮮明な冬

この世は一新せられた
黒船以來の總決算の時が来た
民族の育ちがそれを可能にした
長い間こづきまはされながら
舐められながらしぼられながら
假装舞踏会まで敢えてしながら
彼等に學び得るかぎりを學び
彼等の力を隅から隅までを測量し
彼等のえげつなさを滿喫したのだ
今こそ 古しへにかへり源にさかのぼり
一瀉千里の奔流となり得る日がきた。

(出典: 高村光太郎「鮮明な冬」)
*
関連記事

コメントの投稿

非公開コメント

WJFプロジェクトについて
ご寄付のお願い
作品リスト
政治的立場
WJFプロジェクトは、日本の主権、伝統、国柄を守る保守的な観点から、安倍政権が推し進めるTPP参加、構造改革、規制緩和、憲法改正、安保法制、移民受入などのグローバル化政策に反対しています。
TPP交渉差止・違憲訴訟の会
YouTube
WJFプロジェクトの動画作品は以下のYouTubeのチャンネルでご覧になれます。

お知らせ
アクセス・カウンター


今日の一言
蓮舫の二重国籍問題のジレンマ

違う入り口を選んだハズなのに、ドアを開けると、同じ出口につながっている。
最新記事
コメント
<>+-
アーカイブ


RSSリンク
RSSリーダーに下のリンクを登録されると、ブログの記事やコメントの更新通知を受け取ることができます。